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Chapter 1
Isai JapBungo 1:1  アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤのときに示されたるユダとヱルサレムとに係る異象
Isai JapBungo 1:2  天よきけ地よ耳をかたぶけよ ヱホバの語りたまふ言あり 曰く われ子をやしなひ育てしにかれらは我にそむけり
Isai JapBungo 1:3  牛はその主をしり驢馬はそのあるじの厩をしる 然どイスラエルは識ず わが民はさとらず
Isai JapBungo 1:4  ああ罪ををかせる國人よこしまを負ふたみ 惡をなす者のすゑ 壞りそこなふ種族 かれらはヱホバをすてイスラエルの聖者をあなどり之をうとみて退きたり
Isai JapBungo 1:5  なんぢら何ぞかさねがさね悖りて猶撻れんとするか その頭はやまざる所なくその心はつかれはてたり
Isai JapBungo 1:6  足のうらより頭にいたるまで全きところなくただ創痍と打傷と腫物とのみなり 而してこれを合すものなく包むものなく亦あぶらにて軟らぐる者もなし
Isai JapBungo 1:7  なんぢらの國はあれすたれなんぢらの諸邑は火にてやかれなんぢらの田畑はその前にて外人にのまれ旣にあだし人にくつがへされて荒廢れたり
Isai JapBungo 1:8  シオンの女はぶだうぞのの廬のごとく瓜田の假舎のごとくまた圍をうけたる城のごとく唯ひとり遺れり
Isai JapBungo 1:9  萬軍のヱホバわれらに少しの遺をとどめ給ふことなくば我儕はソドムのごとく又ゴモラに同じかりしならん
Isai JapBungo 1:10  なんぢらソドムの有司よヱホバの言をきけ なんぢらゴモラの民よ われらの神の律法に耳をかたぶけよ
Isai JapBungo 1:11  ヱホバ言たまはくなんぢらが獻ぐるおほくの犠牲はわれに何の益あらんや 我はをひつじの燔祭とこえたるけものの膏とにあけり われは牡牛あるひは小羊あるひは牡山羊の血をよろこばず
Isai JapBungo 1:12  なんぢらは我に見えんとてきたる このことを誰がなんぢらに要めしや 徒らにわが庭をふむのみなり
Isai JapBungo 1:13  むなしき祭物をふたたび携ふることなかれ 燻物はわがにくむところ 新月および安息日また會衆をよびあつむることも我がにくむところなり なんぢらは聖會に惡を兼ぬ われ容すにたへず
Isai JapBungo 1:14  わが心はなんぢらの新月と節會とをきらふ 是わが重荷なり われ負にうみたり
Isai JapBungo 1:15  我なんぢらが手をのぶるとき目をおほひ 汝等がおほくの祈禱をなすときも聞ことをせじ なんぢらの手には血みちたり
Isai JapBungo 1:16  なんぢら己をあらひ己をきよくしわが眼前よりその惡業をさり 惡をおこなふことを止め
Isai JapBungo 1:17  善をおこなふことをならひ 公平をもとめ 虐げらるる者をたすけ 孤子に公平をおこなひ 寡婦の訟をあげつらへ
Isai JapBungo 1:18  ヱホバいひたまはく 率われらともに論らはん なんぢらの罪は緋のごとくなるも雪のごとく白くなり紅のごとく赤くとも羊の毛のごとくにならん
Isai JapBungo 1:19  若なんぢら肯ひしたがはば地の美產をくらふことを得べし
Isai JapBungo 1:20  もし汝等こばみそむかば劍にのまるべし 此はヱホバその御口よりかたりたまへるなり
Isai JapBungo 1:21  忠信なりし邑いかにして妓女とはなれる 昔しは公平にてみち正義その中にやどりしに今は人をころす者ばかりとなりぬ
Isai JapBungo 1:22  なんぢの白銀は滓となり なんぢの葡萄酒は水をまじへ
Isai JapBungo 1:23  なんぢの長輩はそむきて盗人の伴侶となり おのおの賄賂をよろこび 贓財をおひもとめ 孤子に公平をおこなはず 寡婦の訟はかれらの前にいづること能はず
Isai JapBungo 1:24  このゆゑに主萬軍のヱホバ、イスラエルの全能者のたまはく 唉われ敵にむかひて念をはらし仇にむかひて報をすべし
Isai JapBungo 1:25  我また手をなんぢの上にそへ なんぢの滓をことごとく淨くし なんぢの鉛をすべて取去り
Isai JapBungo 1:26  なんぢの審士を舊のごとく なんぢの議官を始のごとくに復すべし 然るのちなんぢは正義の邑忠信の邑ととなへられん
Isai JapBungo 1:27  シオンは公平をもてあがなはれ 歸來るものも正義をもて贖はるべし
Isai JapBungo 1:28  されど愆ををかすものと罪人とはともに敗れ ヱホバをすつる者もまた亡びうせん
Isai JapBungo 1:29  なんぢらはその喜びたる橿樹によりて恥をいだき そのえらびたる園によりて慙赧むべし
Isai JapBungo 1:30  なんぢらは葉のかるる橿樹のごとく水なき園のごとくならん
Isai JapBungo 1:31  權勢あるものは麻のごとく その工は火花のごとく 二つのもの一同もえてこれを撲滅すものなし
Chapter 2
Isai JapBungo 2:1  アモツの子イザヤが示されたるユダとヱルサレムとにかかる言
Isai JapBungo 2:2  すゑの日にヱホバの家の山はもろもろの山のいただきに堅立ち もろもろの嶺よりもたかく擧り すべての國は流のごとく之につかん
Isai JapBungo 2:3  おほくの民ゆきて相語いはん 率われらヱホバの山にのぼりヤコブの神の家にゆかん 神われらにその道ををしへ給はん われらその路をあゆむべしと そは律法はシオンよりいでヱホバの言はヱルサレムより出べければなり
Isai JapBungo 2:4  ヱホバはもろもろの國のあひだを鞫き おほくの民をせめたまはん 斯てかれらはその劒をうちかへて鋤となし その鎗をうちかへて鎌となし 國は國にむかひて劍をあげず 戰鬪のことを再びまなばざるべし
Isai JapBungo 2:5  ヤコブの家よきたれ 我儕ヱホバの光にあゆまん
Isai JapBungo 2:6  主よなんぢはその民ヤコブの家をすてたまへり 此はかれらのなかに東のかたの風俗みち 皆ペリシテ人のごとく陰陽師となり 異邦人のともがらと手をうちて盟をたてしが故なり
Isai JapBungo 2:7  かれらの國には黄金白銀みちて財寶の數かぎりなし かれらの國には馬みちて戰車のかず限りなし
Isai JapBungo 2:8  かれらの國には偶像みち 皆おのが手の工その指のつくれる者ををがめり
Isai JapBungo 2:9  賤しきものは屈められ尊きものは卑せらる かれらを容したまふなかれ
Isai JapBungo 2:10  なんぢ岩間にいり また土にかくれて ヱホバの畏るべき容貌とその稜威の光輝とをさくべし
Isai JapBungo 2:11  この日には目をあげて高ぶるもの卑せられ 驕る人かがめられ 唯ヱホバのみ高くあげられ給はん
Isai JapBungo 2:12  そは萬軍のヱホバの一の日あり すべて高ぶる者おごる者みづからを崇るものの上にのぞみて之をひくくし
Isai JapBungo 2:13  またレバノンのたかく聳たるすべての香柏バシヤンのすべての橿樹
Isai JapBungo 2:14  もろもろの高山もろもろの聳えたる嶺
Isai JapBungo 2:15  すべてのたかき櫓すべての堅固なる石垣
Isai JapBungo 2:16  およびタルシシのすべての舟すべての慕ふべき美はしきものに臨むべし
Isai JapBungo 2:17  この日には高ぶる者はかがめられ 驕る人はひくくせられ 唯ヱホバのみ高くあげられ給はん
Isai JapBungo 2:18  かくて偶像はことごとく亡びうすべし
Isai JapBungo 2:19  ヱホバたちて地を震動したまふとき人々そのおそるべき容貌とその稜威の光輝とをさけて巖の洞と地の穴とにいらん
Isai JapBungo 2:20  その日人々おのが拜せんとて造れる白銀のぐうざうと黄金のぐうざうとを鼹鼠のあな蝙蝠の穴になげすて
Isai JapBungo 2:21  岩々の隙けはしき山峽にいり ヱホバの起て地をふるひうごかしたまふその畏るべき容貌と稜威のかがやきとを避ん
Isai JapBungo 2:22  なんぢら鼻より息のいでいりする人に倚ることをやめよ斯るものは何ぞかぞふるに足らん
Chapter 3
Isai JapBungo 3:1  みよ主ばんぐんのヱホバ、ヱルサレムおよびユダの賴むところ倚ところなる凡てその賴むところの糧 すべてその賴むところの水
Isai JapBungo 3:3  五十人の首 貴顯者 議官 藝に長たる者および言語たくみなるものを除去りたまはん
Isai JapBungo 3:4  われ童子をもてかれらの君とし嬰兒にかれらを治めしめん
Isai JapBungo 3:5  民たがひに相虐げ 人おのおのその隣をしへたげ 童子は老たる者にむかひて高ぶり 賤しきものは貴きものに對ひてたかぶらん
Isai JapBungo 3:6  そのとき人ちちの家にて兄弟にすがりていはん 汝なほ衣あり われらの有司となりてこの荒敗をその手にてをさめよと
Isai JapBungo 3:7  その日かれ聲をあげていはん 我なんぢらを愈すものとなるを得じ わが家に糧なくまた衣なし 我をたてて民の有司とすることなかれと
Isai JapBungo 3:8  是かれらの舌と行爲とはみなヱホバにそむきてその榮光の目ををかししが故に ヱルサレムは敗れユダは仆れたればなり
Isai JapBungo 3:9  かれらの面色はその惡きことの證をなし ソドムのごとくその罪をあらはして隱すことをせざるなり かれらの靈魂はわざはひなるかな自らその惡の報をとれり
Isai JapBungo 3:10  なんぢら義人にいへ かならず福祉をうけんと 彼等はそのおこなひの實をくらふべければなり
Isai JapBungo 3:11  惡者はわざはひなる哉かならず災禍をうけん その手の報きたるべければなり
Isai JapBungo 3:12  わが民はをさなごに虐げられ婦女にをさめらる 唉わが民よなんぢを導くものは反てなんぢを迷はせ汝のゆくべき途を絶つ
Isai JapBungo 3:13  ヱホバ立いでて公理をのべ起てもろもろの民を審判し給ふ
Isai JapBungo 3:14  ヱホバ來りておのが民の長老ともろもろの君とをさばきて言給はん なんぢらは葡萄園をくひあらせり 貧きものより掠めとりたる物はなんぢらの家にあり
Isai JapBungo 3:15  いかなれば汝等わが民をふみにじり貧きものの面をすりくだくやと これ主萬軍のヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 3:16  ヱホバまた言給はくシォンの女輩はおごり 項をのばしてあるき 眼にて媚をおくり 徐々としてあゆみゆくその足にはりんりんと音あり
Isai JapBungo 3:17  このゆゑに主シオンのむすめらの頭をかぶろにしヱホバ彼らの醜所をあらはし給はん
Isai JapBungo 3:18  その日主かれらが足にかざれる美はしき釧をとり 瓔珞 半月飾
Isai JapBungo 3:23  鏡 細布の衣 首帕 被衣などを取除きたまはん
Isai JapBungo 3:24  而して馨はしき香はかはりて臭穣となり 紳はかはりて繩となり 美はしく編たる髮はかぶろとなり 華かなる衣はかはりて麁布のころもとなり 麗顔はかはりて烙鐵せられたる痕とならん
Isai JapBungo 3:25  なんぢの男はつるぎにたふれ なんぢの勇士はたたかひに仆るべし
Isai JapBungo 3:26  その門はなげきかなしみ シオンは荒廢れて地にすわらん
Chapter 4
Isai JapBungo 4:1  その日七人のをんな一人の男にすがりていはん 我儕おのれの糧をくらひ己のころもを着るべし ただ我儕になんぢの名をとなふることを許してわれらの恥をとりのぞけと
Isai JapBungo 4:2  その日ヱホバの枝はさかえて輝かん 地よりなりいづるものの實はすぐれ並うるはしくして逃れのこれるイスラエルの益となるべし
Isai JapBungo 4:3  而してシオンに遣れるもの ヱルサレムにとどまれる者 すべて此等のヱルサレムに存ふる者のなかに録されたるものは聖ととなへられん
Isai JapBungo 4:4  そは主さばきするみたまと燒つくす靈とをもてシオンのむすめらの汚をあらひ ヱルサレムの血をその中よりのぞきたまふ期きたるべければなり
Isai JapBungo 4:5  爰にヱホバはシオンの山のすべての住所と もろもろの聚會とのうへに 晝は雲と煙とをつくり夜はほのほの光をつくり給はん あまねく榮のうへに覆庇あるべし
Isai JapBungo 4:6  また一つの假廬ありて 晝はあつさをふせぐ陰となり 暴風と雨とをさけてかくるる所となるべし
Chapter 5
Isai JapBungo 5:1  われわが愛する者のために歌をつくり 我があいするものの葡萄園のことをうたはん わが愛するものは土肥たる山にひとつの葡萄園をもてり
Isai JapBungo 5:2  彼その園をすきかへし石をのぞきて嘉ぶだうをうゑ そのなかに望樓をたて酒榨をほりて嘉葡萄のむすぶを望みまてり 然るに結びたるものは野葡萄なりき
Isai JapBungo 5:3  さればヱルサレムに住るものとユダの人よ 請なんぢら我とわがぶだうぞのとの間をさばけ
Isai JapBungo 5:4  わが葡萄園にわれの作たるほか何のなすべき事ありや 我はよきぶだうの結ぶをのぞみまちしに 何なれば野葡萄をむすびしや
Isai JapBungo 5:5  然ばわれわが葡萄園になさんとすることを汝等につげん 我はぶだうぞのの籬芭をとりさりてその食あらさるるにまかせ その垣をこぼちてその踐あらさるるにまかせん
Isai JapBungo 5:6  我これを荒してふたたび剪ことをせず耕すことをせず棘と荊とをはえいでしめん また雲に命せてそのうへに雨ふることなからしめん
Isai JapBungo 5:7  それ萬軍のヱホバの葡萄園はイスラエルの家なり その喜びたまふところの植物はユダの人なり これに公平をのぞみたまひしに反りて血をながし これに正義をのぞみ給ひしにかへりて號呼あり
Isai JapBungo 5:8  禍ひなるかな彼らは家に家をたてつらね 田圃に田圃をましくはへて 餘地をあまさず 己ひとり國のうちに住んとす
Isai JapBungo 5:9  萬軍のヱホバ我耳につげて宣はく 實におほくの家はあれすたれ大にして美しき家は人のすむことなきにいたらん
Isai JapBungo 5:10  十段のぶだうぞの僅かに一バテをみのり一ホメルの穀種はわづかに一エパを實るべし
Isai JapBungo 5:11  禍ひなるかなかれらは朝つとにおきて濃酒をおひもとめ 夜のふくるまで止まりてのみ 酒にその身をやかるるなり
Isai JapBungo 5:12  かれらの酒宴には琴あり 瑟あり 鼓あり 笛あり 葡萄酒あり されどヱホバの作爲をかへりみずその手のなしたまふところに目をとめず
Isai JapBungo 5:13  斯るが故にわが民は無知にして虜にせられ その貴顯者はうゑ そのもろもろの民は渇によりて疲れはてん
Isai JapBungo 5:14  また陰府はその欲望をひろくし その度られざる口をはる かれらの榮華 かれらの群衆 かれらの饒富 および喜びたのしめる人みなその中におつべし
Isai JapBungo 5:15  賤しき者はかがめられ 貴きものは卑くせられ 目をあげて高ぶる者はひくくせらるべし
Isai JapBungo 5:16  されど萬軍のヱホバは公平によりてあがめられ 聖なる神は正義によりて聖とせられ給ふべし
Isai JapBungo 5:17  而して小羊おのが牧場にあるごとくに草をはみ 豐かなるものの田はあれて旅客にくらはれん
Isai JapBungo 5:18  禍ひなるかな彼等はいつはりを繩となして惡をひき 索にて車をひくごとく罪をひけり
Isai JapBungo 5:19  かれらは云 その成んとする事をいそぎて速かになせ 我儕これを見ん イスラエルの聖者のさだむることを逼來らせよ われらこれを知んと
Isai JapBungo 5:20  禍ひなるかな かれらは惡をよびて善とし善をよびて惡とし 暗をもて光とし光をもて暗とし 苦をもて甘とし甘をもて苦とする者なり
Isai JapBungo 5:21  わざはひなる哉 かれらは己をみて智しとし自らかへりみて聰とする者なり
Isai JapBungo 5:22  禍ひなるかな かれらは葡萄酒をのむに丈夫なり 濃酒を和するに勇者なり
Isai JapBungo 5:23  かれらは賄賂によりて惡きものを義となし 義人よりその義をうばふ
Isai JapBungo 5:24  此によりて火舌の刈株をくらふがごとく また枯草の火焰のなかにおつるがごとく その根はくちはてその花は塵のごとくに飛さらん かれらは萬軍のヱホバの律法をすててイスラエルの聖者のことばを蔑したればなり
Isai JapBungo 5:25  この故にヱホバその民にむかひて怒をはなち 手をのべてかれらを撃たまへり 山はふるひうごきかれらの屍は衢のなかにて糞土のごとくなれり 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手を伸したまふ
Isai JapBungo 5:26  かくて旗をたててとほき國々をまねき彼等をよびて地の極より來らしめたまはん 視よかれら趨りて速かにきたるべし
Isai JapBungo 5:27  その中には疲れたふるるものなく眠りまたは寢るものなし その腰の帶はとけずその履の紐はきれず
Isai JapBungo 5:28  その矢は鋭その弓はことごとく張り その馬のひづめは石のごとくその車の輪は疾風のごとしと稱へられん
Isai JapBungo 5:29  その嘷ること獅のごとく また小獅のごとく嘷うなりつつ獲物をつかみて掠去れども之をすくふ者なし
Isai JapBungo 5:30  その日かれらが嘯響めくこと海のなりどよめくがごとし もし地をのぞまば暗と難とありて光は黑雲のなかにくらくなりたるを見ん
Chapter 6
Isai JapBungo 6:1  ウジヤ王のしにたる年われ高くあがれる御座にヱホバの坐し給ふを見しにその衣裾は殿にみちたり
Isai JapBungo 6:2  セラピムその上にたつ おのおの六の翼あり その二をもて面をおほひ その二をもて足をおほひ 其二をもて飛翔り
Isai JapBungo 6:3  たがひに呼いひけるは聖なるかな聖なるかな聖なるかな萬軍のヱホバ その榮光は全地にみつ
Isai JapBungo 6:4  斯よばはる者の聲によりて閾のもとゐ搖うごき家のうちに煙みちたり
Isai JapBungo 6:5  このとき我いへり 禍ひなるかな我ほろびなん 我はけがれたる唇の民のなかにすみて穢たるくちびるの者なるに わが眼ばんぐんのヱホバにまします王を見まつればなりと
Isai JapBungo 6:6  爰にかのセラピムのひとり鉗をもて壇の上よりとりたる熱炭を手にたづさへて我にとびきたり
Isai JapBungo 6:7  わが口に觸ていひけるは 視よこの火なんぢの唇にふれたれば旣になんぢの惡はのぞかれ なんぢの罪はきよめられたりと
Isai JapBungo 6:8  我またヱホバの聲をきく曰く われ誰をつかはさん誰かわれらのために往べきかと そのとき我いひけるはわれ此にあり我をつかはしたまへ
Isai JapBungo 6:9  ヱホバいひたまはく往てこの民にかくのごとく告よ なんぢら聞てきけよ然どさとらざるべし 見てみよ然どしらざるべしと
Isai JapBungo 6:10  なんぢこの民のこころを鈍くしその耳をものうくし その眼をおほへ 恐らくは彼らその眼にて見その耳にてきき その心にてさとり翻へりて醫さるることあらん
Isai JapBungo 6:11  ここに我いひけるは 主よいつまで如此あらんか 主こたへたまはく 邑はあれすたれて住むものなく 家に人なく 邦ことごとく荒土となり
Isai JapBungo 6:12  人々ヱホバに遠方までうつされ 廢りたるところ國中におほくならん時まで 如此あるべし
Isai JapBungo 6:13  そのなかに十分の一のこる者あれども此もまた呑つくされん されど聖裔のこりてこの地の根となるべし彼のテレビントまたは橿樹がきらるることありともその根ののこるがごとし
Chapter 7
Isai JapBungo 7:1  ウジヤの子ヨタムその子ユダヤ王アハズのとき アラムの王レヂンとレマリヤの子イスラエル王ペカと上りきたりてヱルサレムを攻しがつひに勝ことあたはざりき
Isai JapBungo 7:2  ここにアラムとエフライムと結合なりたりとダビデの家につぐる者ありければ 王のこころと民の心とは林木の風にうごかさるるが如くに動けり
Isai JapBungo 7:3  その時ヱホバ、イザヤに言たまひけるは今なんぢと汝の子シヤルヤシユブと共にいでて布をさらす野の大路のかたはらなる上池の樋口にゆきてアハズを迎へ
Isai JapBungo 7:4  これに告べし なんぢ 謹みて靜かなれ アラムのレヂン及びレマリヤの子はげしく怒るとも二の燼餘りたる煙れる片柴のごとし 懼るるなかれ心をよわくするなかれ
Isai JapBungo 7:5  アラム、エフライム及びレマリヤの子なんぢにむかひて惡き謀ごとを企てていふ
Isai JapBungo 7:6  われらユダに攻上りて之をおびやかし我儕のためにこれを破りとり タビエルの子をその中にたてて王とせんと
Isai JapBungo 7:7  されど主ヱホバいひたまはく この事おこなはれずまた成ことなし
Isai JapBungo 7:8  アラムの首はダマスコ、ダマスコの首はレヂンなり エフライムは六十五年のうちに敗れて國をなさざるべし
Isai JapBungo 7:9  またエフライムの首はサマリヤ、サマリヤの首はレマリヤの子なり 若なんぢら信ぜずばかならず立ことを得じと
Isai JapBungo 7:10  ヱホバ再びアハズに告ていひたまはく
Isai JapBungo 7:11  なんぢの神ヱホバに一の豫兆をもとめよ 或はふかき處あるひは上のたかき處にもとめよ
Isai JapBungo 7:12  アハズいひけるは我これを求めじ 我はヱホバを試むることをせざるべし
Isai JapBungo 7:13  イザヤいひけるは ダビデのいへよ請なんぢら聞 なんぢら人をわづらはしこれを小事として亦わが神をも煩はさんとするか
Isai JapBungo 7:14  この故に主みづから一の豫兆をなんぢらに賜ふべし 視よをとめ孕みて子をうまん その名をインマヌエルと稱ふべし
Isai JapBungo 7:15  かれ惡をすて善をえらぶことを知ころほひにいたりて乳酥と蜂蜜とをくらはん
Isai JapBungo 7:16  そはこの子いまだ惡をすて善をえらぶことを知ざるさきになんぢが忌きらふ兩の王の地はすてらるべし
Isai JapBungo 7:17  ヱホバはエフライムがユダを離れし時よりこのかた臨みしことなき日を汝となんぢの民となんぢの父の家とにのぞませ給はん是アツスリヤの王なり
Isai JapBungo 7:18  其日ヱホバ、エジプトなる河々のほとりの蠅をまねきアツスリヤの地の蜂をよびたまはん
Isai JapBungo 7:19  皆きたりて荒たるたに岩穴すべての荊棘すべての牧場のうへに止まるべし
Isai JapBungo 7:20  その日主はかはの外ふより雇へるアツスリヤの王を剃刀として首と足の毛とを剃たまはん また髯をも除きたまふべし
Isai JapBungo 7:21  その日人わかき牝犢ひとつと羊ふたつとを飼をらん
Isai JapBungo 7:22  その出すところの乳おほきによりて乳酥をくらふことを得ん すべて國のうちに遺れるものは乳酥と蜂蜜とをくらふべし
Isai JapBungo 7:23  その日千株に銀一千の價をえたる葡萄ありし處もことごとく荊と棘はえいづべし
Isai JapBungo 7:24  荊とおどろと地にあまねきがゆゑに人々矢と弓とをもて彼處にゆくなり
Isai JapBungo 7:25  鋤をもて掘たがへしたる山々もいばらと棘のために人おそれてその中にゆくことを得じ その地はただ牛をはなち羊にふましむる處とならん
Chapter 8
Isai JapBungo 8:1  ヱホバ我にいひたまひけるは一の大なる牌をとり そのうへに平常の文字にてマヘル シャラル ハシ バズと録せ
Isai JapBungo 8:2  われ信實の證者なる祭司ウリヤおよびエベレキヤの子ゼカリヤをもてその證をなさしむ
Isai JapBungo 8:3  われ預言者の妻にちかづきしとき彼はらみて子をうみければ ヱホバ我にいひたまはく その名をマヘル シャラル ハシ バズと稱へよ
Isai JapBungo 8:4  そはこの子いまだ我が父わが母とよぶことを知らざるうちに ダマスコの富とサマリヤの財寳はうばはれてアツスリヤ王のまへに到るべければなり
Isai JapBungo 8:5  ヱホバまた重て我につげたまへり云く
Isai JapBungo 8:6  この民はゆるやかに流るるシロアの水をすててレヂンとレマリヤの子とをよろこぶ
Isai JapBungo 8:7  此によりて主はいきほひ猛くみなぎりわたる大河の水をかれらのうへに堰入たまはん 是はアツスリヤ王とそのもろもろの威勢とにして 百の支流にはびこり もろもろの岸をこえ
Isai JapBungo 8:8  ユダにながれいり 溢れひろごりてその項にまで及ばん インマヌエルよ そののぶる翼はあまねくなんぢの地にみちわたらん
Isai JapBungo 8:9  もろもろの民よ さばめき騒げなんぢら摧かるべし 遠きくにぐにの者よ きけ 腰におびせよ 汝等くだかるべし 腰に帶せよ なんぢら摧かるべし
Isai JapBungo 8:10  なんぢら互にはかれ つひに徒勞ならん なんぢら言をいだせ遂におこなはれじ そは神われらとともに在せばなり
Isai JapBungo 8:11  ヱホバつよき手をもて此如われに示し この民の路にあゆまざらんことを我にさとして言給はく
Isai JapBungo 8:12  此民のすべて叛逆ととなふるところの者をなんぢら叛逆ととなふるなかれ 彼等のおそるるところを汝等おそるるなかれ慴くなかれ
Isai JapBungo 8:13  なんぢらはただ萬軍のヱホバを聖としてこれを畏みこれを恐るべし
Isai JapBungo 8:14  然らばヱホバはきよき避所となりたまはん 然どイスラエルの兩の家には躓く石となり妨ぐる磐とならん ヱルサレムの民には網罟となり機濫とならん
Isai JapBungo 8:15  おほくの人々これによりて蹶きかつ仆れやぶれ 網せられまた捕へらるべし
Isai JapBungo 8:16  證詞をつかね律法をわが弟子のうちに封べし
Isai JapBungo 8:17  いま面をおほひてヤコブの家をかへりみ給はずといへども 我そのヱホバを待そのヱホバを望みまつらん
Isai JapBungo 8:18  視よわれとヱホバが我にたまひたる子輩とはイスラエルのうちの豫兆なり奇しき標なり 此はシオンの山にいます萬軍のヱホバの與へたまふ所なり
Isai JapBungo 8:19  もし人なんぢらにつげて巫女および魔術者のさえづるがごとく細語がごとき者にもとめよといはば民はおのれの神にもとむべきにあらずや いかで活者のために死者にもとむることを爲んといへ
Isai JapBungo 8:20  ただ律法と證詞とを求むべし 彼等のいふところ此言にかなはずば晨光あらじ
Isai JapBungo 8:21  かれら國をへあるきて苦みうゑん その饑るとき怒をはなち己が王おのが神をさして誼ひかつその面をうへに向ん
Isai JapBungo 8:22  また地をみれば艱難と幽暗とくるしみの闇とあり かれらは昏黑におひやられん
Chapter 9
Isai JapBungo 9:1  今くるしみを受れども後には闇なかるべし 昔しはゼブルンの地ナフタリの地をあなどられしめ給ひしかど 後には海にそひたる地ヨルダンの外の地 ことくに人のガリラヤに榮をうけしめ給へり
Isai JapBungo 9:2  幽暗をあゆめる民は大なる光をみ 死蔭の地にすめる者のうへに光てらせり
Isai JapBungo 9:3  なんぢ民をましその歡喜を大にしたまひければ かれらは收穫時によろこぶがごとく掠物をわかつときに樂むがごとく汝の前によろこべり
Isai JapBungo 9:4  そは汝かれらがおへる軛とその肩の笞と虐ぐるものの杖とを折り これを折りてミデアンの日のごとくなし給ひたればなり
Isai JapBungo 9:5  すべて亂れたたかふ兵士のよろひと血にまみれたる衣とはみな火のもえくさとなりて焚るべし
Isai JapBungo 9:6  ひとりの嬰兒われらのために生れたり 我儕はひとりの子をあたへられたり 政事はその肩にあり その名は奇妙また議士 また大能の神とこしへのちち 平和の君ととなへられん
Isai JapBungo 9:7  その政事と平和とはましくははりて窮りなし 且ダビデの位にすわりてその國ををさめ今よりのちとこしへに公平と正義とをもてこれを立これを保ちたまはん 萬軍のヱホバの熱心これを成たまふべし
Isai JapBungo 9:8  主一言をヤコブにおくり之をイスラエルの上にのぞませ給へり
Isai JapBungo 9:9  すべてのこの民エフライムとサマリヤに居るものとは知ならん かれらは高ぶり誇る心をもていふ
Isai JapBungo 9:10  瓦くづるるともわれら斫石をもて建 くはの木きらるるともわれら香柏をもて之にかへんと
Isai JapBungo 9:11  この故にヱホバ、レヂンの敵をあげもちゐてイスラエルを攻しめ その仇をたけび勇しめたまはん
Isai JapBungo 9:12  前にアラム人あり後にペシリテ人あり 口をはりてイスラエルを呑んとす 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
Isai JapBungo 9:13  然どこの民はおのれをうつものに歸らず萬軍のヱホバを求めず
Isai JapBungo 9:14  斯るゆゑにヱホバ一日のうちに首と尾と椶櫚のえだと葦とをイスラエルより斷切たまはん
Isai JapBungo 9:15  その首とは老たるもの尊きもの その尾とは謊言をのぶる預言者をいふなり
Isai JapBungo 9:16  この民をみちびく者はこれを迷はせその引導をうくる者はほろぶるなり
Isai JapBungo 9:17  このゆゑに主はその少壯者をよろこびたまはず その孤兒と寡婦とを憐みたまはざるべし 是その民はことごとく邪まなり惡をおこなふ者なり おのおのの口は愚かなる言をかたればなり 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
Isai JapBungo 9:18  惡は火のごとくもえ棘と荊とを食つくし茂りあふ林をやくべければみな煙となりむらがりて上騰らん
Isai JapBungo 9:19  萬軍のヱホバの怒によりて地はくろく燒 その民は火のもえくさとなり人々たがひに相憐むことなし
Isai JapBungo 9:20  人みぎに攫めどもなほ饑 ひだりに食へども尚あかず おのおのその腕の肉をくらふべし
Isai JapBungo 9:21  マナセはエフライムを エフライムはマナセをくらひ 又かれら相合てユダを攻めん 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
Chapter 10
Isai JapBungo 10:1  不義のおきてをさだめ暴虐のことばを録すものは禍ひなるかな
Isai JapBungo 10:2  かれらは乏きものの訴をうけず わが民のなかの貧しきものの權利をはぎ寡婦の資產をうばひ孤兒のものを掠む
Isai JapBungo 10:3  なんぢら懲しめらるる日きたらば何をなさんとするか 敗壞とほきより來らんとき何をなさんとするか なんぢら逃れゆきて誰にすくひを求めんとするか また何處になんぢらの榮をのこさんとするか
Isai JapBungo 10:4  ただ縛められたるものの下にかがみ 殺されたるもののしたに伏仆れんのみ 然はあれどヱホバのいかり止ずして尚ほその手をのばしたまふ
Isai JapBungo 10:5  咄アツスリヤ人 なんぢはわが怒の杖なり その手の笞はわが忿恚なり
Isai JapBungo 10:6  われ彼をつかはして邪曲なる國をせめ我かれに命じて我がいかれる民をせめてその所有をかすめその財寶をうばはしめ かれらを街の泥のごとくに蹂躪らしめん
Isai JapBungo 10:7  されどアツスリヤ人のこころざしは斯のごとくならず その心の念もまた斯のごとくならず そのこころは敗壞をこのみ あまたの國をほろぼし絶ん
Isai JapBungo 10:8  かれ云 わが諸侯はみな王にあらずや
Isai JapBungo 10:9  カルノはカルケミシの如く ハマテはアルパデの如く サマリヤはダマスコの如きにあらずや
Isai JapBungo 10:10  わが手は偶像につかふる國々を得たり その彫たる像はヱルサレムおよびサマリヤのものに勝れたり
Isai JapBungo 10:11  われ旣にサマリヤとその偶像とに行へるごとく亦ヱルサレムとその偶像とにおこなはざる可んやと
Isai JapBungo 10:12  このゆゑに主いひたまふ 我シオンの山とヱルサレムとに爲んとする事をことごとく遂をはらんとき 我アツスリヤ王のおごれる心の實とその高ぶり仰ぎたる眼とを罰すべし
Isai JapBungo 10:13  そは彼いへらく われ手の力と智慧とによりて之をなせり 我はかしこし 國々の境をのぞき その獲たるものをうばひ 又われは丈夫にしてかの位に坐するものを下したり
Isai JapBungo 10:14  わが手もろもろの民のたからを得たりしは巣をとるが如く また天が下を取收めたりしは遺しすてたる卵をとりあつむるが如くなりき あるひは翼をうごかし あるひは口をひらき あるひは喃々する者もなかりしなりと
Isai JapBungo 10:15  斧はこれをもちゐて伐ものにむかひて己みづから誇ることをせんや 鋸は これを動かす者にむかひて己みづから高ぶることをせんや 此はあだかも笞がおのれを擧るものを動かし杖みづから木にあらざるものを擧んとするにひとし
Isai JapBungo 10:16  このゆゑに主萬軍のヱホバは肥たるものを瘠しめ 且その榮光のしたに火のもゆるが如き火焰をおこし給はん
Isai JapBungo 10:17  イスラエルの光は火のごとく その聖者はほのほの如くならん 斯て一日のうちに荊とおどろとを燒ほろぼし
Isai JapBungo 10:18  又かの林と土肥たる田圃の榮をうせしめ 靈魂をも身をもうせしめて病るものの衰へたるが如くなさん
Isai JapBungo 10:19  かつ林のうちに殘れる木わづかにして童子も算へうるが如くになるべし
Isai JapBungo 10:20  その日イスラエルの遺れる者とヤコブの家ののがれたる者とは再びおのれを撃し者にたよらず誠意をもてイスラエルの聖者ヱホバにたよらん
Isai JapBungo 10:21  その遺れるものヤコブの遺れるものは大能の神にかへるべし
Isai JapBungo 10:22  ああイスラエルよ なんぢの民は海の沙のごとしといへども遺りて歸りきたる者はただ僅少ならん そは敗壞すでにさだまり義にて溢るべければなり
Isai JapBungo 10:23  主萬軍のヱホバの定めたまへる敗壞はこれを徧く國内におこなひ給ふべし
Isai JapBungo 10:24  このゆゑに主萬軍のヱホバいひたまはく シオンに住るわが民よアツスリヤ人エジプトの例にならひ笞をもて汝をうち杖をあげて汝をせむるとも懼るるなかれ
Isai JapBungo 10:25  ただ頃刻にして忿恚はやまん 我がいかりは彼等をほろぼして息ん
Isai JapBungo 10:26  萬軍のヱホバむかしミデアン人をオレブの巖のあたりにて撃たまひしごとくに禍害をおこして之をせめ 又その杖を海のうへに伸しエジプトの例にしたがひてこれを擧たまはん
Isai JapBungo 10:27  その日かれの重荷はなんぢの肩より下 かれの軛はなんぢの頸よりはなれ その軛はあぶらの故をもて壞れん
Isai JapBungo 10:28  かれアイにきたりミグロンを過ミクマシにてその輜重をとどめ
Isai JapBungo 10:29  渡口をすぎてゲバに宿る ここに於てラマはをののきサウルギべア人は逃れはしれり
Isai JapBungo 10:30  ガリムの女よなんぢ聲をあげて叫べ ライシよ耳をかたぶけて聽け アナトテよなんぢも聲をあげよ
Isai JapBungo 10:31  マデメナはさすらひゲビムの民はのがれ走れり
Isai JapBungo 10:32  この日かれノブに立とどまり シオンのむすめの山ヱルサレムの岡にむかひて手をふりたり
Isai JapBungo 10:33  主ばんぐんのヱホバは雄々しくたけびてその枝を斷たまはん 丈高きものは伐おとされ聳えたる者はひくくせらるべし
Isai JapBungo 10:34  また銕をもて茂りあふ林をきり給はん レバノンは能力あるものに倒さるべし
Chapter 11
Isai JapBungo 11:1  ヱツサイの株より一つの芽いで その根より一つの枝はえて實をむすばん
Isai JapBungo 11:2  その上にヱホバの靈とどまらん これ智慧聰明の靈 謀略才能の靈 知識の靈 ヱホバをおそるるの靈なり
Isai JapBungo 11:3  かれはヱホバを畏るるをもて歡樂とし また目みるところによりて審判をなさず 耳きくところによりて斷定をなさず
Isai JapBungo 11:4  正義をもて貧しき者をさばき 公平をもて國のうちの卑しき者のために斷定をなし その口の杖をもて國をうちその口唇の氣息をもて惡人をころすべし
Isai JapBungo 11:5  正義はその腰の帶となり 忠信はその身のおびとならん
Isai JapBungo 11:6  おほかみは小羊とともにやどり 豹は小山羊とともにふし 犢 をじし 肥たる家畜ともに居てちひさき童子にみちびかれ
Isai JapBungo 11:7  牝牛と熊とはくひものを同にし 熊の子と牛の子とともにふし 獅はうしのごとく藁をくらひ
Isai JapBungo 11:8  乳兒は毒蛇のほらにたはふれ 乳ばなれの兒は手をまむしの穴にいれん
Isai JapBungo 11:9  斯てわが聖山のいづこにても害ふことなく傷ることなからん そは水の海をおほへるごとくヱホバをしるの知識地にみつべければなり
Isai JapBungo 11:10  その日ヱツサイの根たちてもろもろの民の旂となり もろもろの邦人はこれに服ひきたり榮光はそのとどまる所にあらん
Isai JapBungo 11:11  その日主はまたふたたび手をのべてその民ののこれる僅かのものをアツスリヤ、エジプト、パテロス、エテオピア、エラム、シナル、ハマテおよび海のしまじまより贖ひたまふべし
Isai JapBungo 11:12  ヱホバは國々の爲に旂をたててイスラエルの逐やられたる者をあつめ地の四極よりユダの散失たるものを集へたまはん
Isai JapBungo 11:13  またエフライムの猜はうせ ユダを惱ますものは斷れ エフライムはユダをそねまず ユダはエフライムを惱ますことなかるべし
Isai JapBungo 11:14  かれらは西なるペリシテ人の境にとびゆき相共にひがしの子輩をかすめ その手をエドムおよびモアブにのべアンモンの子孫をおのれに服はしめん
Isai JapBungo 11:15  ヱホバ、エジプトの海汊をからし河のうへに手をふりて熱風をふかせ その河をうちて七の小流となし 履をはきて渉らしめたまはん
Isai JapBungo 11:16  斯てその民ののこれる僅かのものの爲にアツスリヤより來るべき一つの大路あり 昔しイスラエルがエジプトの地よりいでし時のごとくなるべし
Chapter 12
Isai JapBungo 12:1  その日なんぢ言ん ヱホバよ我なんぢに感謝すべし 汝さきに我をいかり給ひしかどその怒はやみて我をなぐさめたまへり
Isai JapBungo 12:2  視よ神はわが救なり われ依賴ておそるるところなし 主ヱホバはわが力わが歌なり ヱホバは亦わが救となりたまへりと
Isai JapBungo 12:3  此故になんぢら欣喜をもて救の井より水をくむべし
Isai JapBungo 12:4  その日なんぢらいはん ヱホバに感謝せよ その名をよべ その行爲をもろもろの民の中につたへよ その名のあがむべきことを語りつげよと
Isai JapBungo 12:5  ヱホバを頌うたへ そのみわざは高くすぐれたればなり これを全地につたへよ
Isai JapBungo 12:6  シオンに住るものよ聲をあげてよばはれ イスラエルの聖者はなんぢの中にて大なればなり
Chapter 13
Isai JapBungo 13:1  アモツの子イザヤが示されたるバビロンにかかる重負の預言
Isai JapBungo 13:2  なんぢらかぶろの山に旂をたて聲をあげ手をふり彼等をまねきて貴族の門にいらしめよ
Isai JapBungo 13:3  われ旣にきよめ別ちたるものに命じ わが丈夫ほこりかにいさめる者をよびて わが怒をもらさしむ
Isai JapBungo 13:4  山におほくの人の聲きこゆ大なる民あるがごとし もろもろの國民のよりつどひて喧めく聲きこゆ これ萬軍のヱホバたたかひの軍兵を召したまふなり
Isai JapBungo 13:5  かれらはとほき國より天の極よりきたる これヱホバとその忿恚をもらす器とともに全國をほろぼさんとて來るなり
Isai JapBungo 13:6  なんぢら泣號ぶべしヱホバの日ちかづき全能者よりいづる敗亡きたるべければなり
Isai JapBungo 13:7  この故にすべての手はたれ凡の人のこころは消ゆかん
Isai JapBungo 13:8  かれら慴きおそれ艱難と憂とにせまられ 子をうまんとする婦のごとく苦しみ互におどろき 相みあひてその面は燄のごとくならん
Isai JapBungo 13:9  視よヱホバの日苛くして忿恚とはげしき怒とをもて來り この國をあらしその中よりつみびとを絶滅さん
Isai JapBungo 13:10  天のもろもろの星とほしの宿は光をはなたず 日はいでてくらく月は その光をかがやかさざるべし
Isai JapBungo 13:11  われ惡ことのために世をつみし 不義のために惡きものをばつし 驕れるものの誇をとどめ 暴ぶるものの傲慢をひくくせん
Isai JapBungo 13:12  われ人をして精金よりもすくなくオフルの黄金よりも少なからしめん
Isai JapBungo 13:13  かくて亦われ萬軍のヱホバの忿恚のとき烈しき怒りの日に天をふるはせ地をうごかしてその處をうしなはしむべし
Isai JapBungo 13:14  かれらは逐るる鹿のごとく集むるものなき羊のごとくなりて各自おのれの民にかへりおのれの國にのがれゆかん
Isai JapBungo 13:15  すべて其處にあるもの見出さるれば 刺れ 拘留らるるものは劍にたふされ
Isai JapBungo 13:16  彼等の嬰兒はその目前にてなげくだかれ その家財はかすめうばはれ その妻はけがさるべし
Isai JapBungo 13:17  視よわれ白銀をもかへりみず黄金をもよろこばざるメデア人をおこして之にむかはしめん
Isai JapBungo 13:18  かれらは弓をもて若きものを射くだき腹の實をあはれむことなく小子をみてをしむことなし
Isai JapBungo 13:19  すべての國の中にてうるはしくカルデヤ人がほこり飾となせるバビロンはむかし神にほろぼされたるソドム、ゴモラのごとくならん
Isai JapBungo 13:20  ここに住むもの永くたえ世々にいたるまで居ものなく アラビヤ人もかしこに幕屋をはらず牧人もまたかしこにはその群をふさすることなく
Isai JapBungo 13:21  ただ猛獸かしこにふし 吼るものその家にみち 鴕鳥かしこにすみ 牡山羊かしこに躍らん
Isai JapBungo 13:22  豺狼その城のなかになき野犬えいぐわの宮にさけばん その時のいたるは近きにあり その日は延ることなかるべし
Chapter 14
Isai JapBungo 14:1  ヱホバ、ヤコブを憐みイスラエルをふたたび撰びて之をおのれの地におきたまはん 異邦人これに加りてヤコブの家にむすびつらなるべし
Isai JapBungo 14:2  もろもろの民はかれらをその處にたづさへいたらん而してイスラエルの家はヱホバの地にてこれを奴婢となし曩におのれを虜にしたるものを虜にし おのれを虐げたるものを治めん
Isai JapBungo 14:3  ヱホバなんぢの憂と艱難とをのぞき 亦なんぢが勤むるからき役をのぞきて安息をたまふの日
Isai JapBungo 14:4  なんぢこの歌をとなへバビロン王をせめていはん虐ぐる者いかにして息みしや 金をはたる者いかにして息みしやと
Isai JapBungo 14:5  ヱホバあしきものの笞ともろもろの有司の杖とををりたまへり
Isai JapBungo 14:6  かれらは怒をもてもろもろの民をたえず撃てはうち 忿恚をもてもろもろの國ををさむれど その暴虐をとどむる者なかりき
Isai JapBungo 14:7  今は全地やすみを得おだやかを得 ことごとく聲をあげてうたふ
Isai JapBungo 14:8  實にまつの樹およびレバノンの香柏さへもなんぢの故により歡びていふ 汝すでに仆たれば樵夫のぼりきたりてわれらを攻ることなしと
Isai JapBungo 14:9  下の陰府はなんぢの故により動きて汝のきたるをむかへ世のもろもろの英雄の亡靈をおこし國々のもろもろの王をその位より起おこらしむ
Isai JapBungo 14:10  かれらは皆なんぢに告ていはん 汝もわれらのごとく弱くなりしや 汝もわれらと同じくなりしやと
Isai JapBungo 14:11  なんぢの榮華となんぢの琴の音はすでに陰府におちたり 蛆なんぢの下にしかれ蚯蚓なんぢをおほふ
Isai JapBungo 14:12  あしたの子明星よいかにして天より隕しや もろもろの國をたふしし者よいかにして斫れて地にたふれしや
Isai JapBungo 14:13  汝さきに心中におもへらく われ天にのぼり我くらゐを神の星のうへにあげ北の極なる集會の山にざし
Isai JapBungo 14:14  たかき雲漢にのぼり至上者のごとくなるべしと
Isai JapBungo 14:15  然どなんぢは陰府におとされ坑の最下にいれられん
Isai JapBungo 14:16  なんぢを見るものは熟々なんぢを視なんぢに目をとめていはん この人は地をふるはせ列國をうごかし
Isai JapBungo 14:17  世を荒野のごとくし もろもろの邑をこぼち 捕へたるものをその家にときかへさざりしものなるかと
Isai JapBungo 14:18  もろもろの國の王たちはことごとく皆たふとき狀にておのおのその家にねぶる
Isai JapBungo 14:19  然どなんぢは忌きらふべき枝のごとく おのが墓のそとにすてられその周圍には劍にて刺ころされ坑におろされ 石におほはれたる者ありて踐つけらるる屍にことならず
Isai JapBungo 14:20  汝おのれの國をほろぼし おのれの民をころししが故に かれらとおなじく葬らるることあたはず それ惡をおこなふものの裔はとこしへに名をよばるることなかるべし
Isai JapBungo 14:21  先祖のよこしまの故をもて その子孫のために戮場をそなへ 彼等をしてたちて地をとり世界のおもてに邑をみたすことなからしめよ
Isai JapBungo 14:22  萬軍のヱホバのたまはく 我立てかれらを攻めバビロンよりその名と遺りたるものとを絶滅し その子その孫をたちほろぼさんと これヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 14:23  われバビロンを刺蝟のすみかとし沼とし且ほろびの箒をもてこれを掃除かんと これ萬軍のヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 14:24  萬軍のヱホバ誓をたてて言給はくわがおもひし事はかならず成 わがさだめし事はかならず立ん
Isai JapBungo 14:25  われアツスリヤ人をわが地にてうちやぶり わが山々にてふみにじらん ここにおいて彼がおきし軛はイスラエル人よりはなれ 彼がおはせし重負はイスラエル人の肩よりはなるべし
Isai JapBungo 14:26  これは全地のことにつきて定めたる謀略なり 是はもろもろの國のうへに伸したる手なり
Isai JapBungo 14:27  萬軍のヱホバさだめたまへり誰かこれを破ることを得んや その手をのばしたまへり誰かこれを押返すことを得んや
Isai JapBungo 14:28  アハズ王の死たる年おもにの預言ありき
Isai JapBungo 14:29  曰く ペリシテの全地よなんぢをうちし杖をれたればとて喜ぶなかれ 蛇の根より蝮いでその果はとびかける巨蛇となるべければなり
Isai JapBungo 14:30  いと貧しきものはものくひ乏しきものは安然にふさん われ饑饉をもてなんぢの根をしなせ汝がのこれる者をころすべし
Isai JapBungo 14:31  門よなげけ邑よさけべ ペリシテよなんぢの全地きえうせたり そはけぶり北よりいできたり その軍兵の列におくるるものなし
Isai JapBungo 14:32  その國の使者たちに何とこたふべきや 答へていはん ヱホバ、シオンの基をおきたまへり その民のなかの苦しむものは避所をこの中にえん
Chapter 15
Isai JapBungo 15:1  モアブにかかる重負のよげん 曰く/モアブのアルは一夜の間にあらされて亡びうせ モアブのキルは一夜のまに荒されてほろびうせん
Isai JapBungo 15:2  かれバイテおよびデボンの高所にのぼりて哭き モアブはネボ及びメデバの上にてなげきさけぶ おのおのその頭を禿にしその鬚をことごとく剃たり
Isai JapBungo 15:3  かれら麁服をきてその衢にあり 屋蓋または廣きところにて皆なきさけび悲しむこと甚だし
Isai JapBungo 15:4  ヘシボンとエレアレと叫びてその聲ヤハズにまで聞ゆ この故にモアブの軍兵こゑをあげ その靈魂うちに在てをののけり
Isai JapBungo 15:5  わが心モアブのために叫びよばはれり その貴族はゾアルおよびヱグラテシリシヤにのがれ 哭つつルヒテの坂をのぼり ホロナイムの途にて敗亡の聲をあぐ
Isai JapBungo 15:6  ニムリムの水はかわき草はかれ苗はつきて緑蔬あらず
Isai JapBungo 15:7  このゆゑに彼等はその獲たる富とその藏めたる物をたづさへて柳の河をわたらん
Isai JapBungo 15:8  その泣號のこゑはモアブの境をめぐり 悲歎のこゑはエグライムにいたり なげきの聲はべエルエリムにいたる
Isai JapBungo 15:9  デモンの水は血にて充 われデモンの上にひとしほ禍害をくはへ モアブの遁れたる者とこの地の遺りたるものとに獅をおくらん
Chapter 16
Isai JapBungo 16:1  なんぢら荒野のセラより羔羊をシオンの女の山におくりて國の首にをさむべし
Isai JapBungo 16:2  モアブの女輩はアルノンの津にありてさまよふ鳥のごとく巣をおはれたる雛のごとくなるべし
Isai JapBungo 16:3  相謀りて審判をおこなひ 亭午にもなんぢの蔭を夜のごとくならしめ 驅逐人をかくし 遁れきたるものを顯はすなかれ
Isai JapBungo 16:4  わが驅逐人をなんぢとともに居しめ 汝モアブの避所となりて之をそこなふ者のまへより脱れしめよ 勒索者はうせ害ふものはたえ暴虐者は地より絶れん
Isai JapBungo 16:5  ひとつの位あはれみをもて堅くたち眞實をおこなふ者そのうへに坐せん 彼ダビデの幕屋にをりて審判をなし公平をもとめて義をおこなふに速し
Isai JapBungo 16:6  われらモアブの傲慢をきけり その高ぶること甚だし われらその誇とたかぶりと忿恚とをきけり その大言はむなし
Isai JapBungo 16:7  この故にモアブはモアブの爲になきさけび民みな哭さけぶべし なんぢら必らず甚だしく心をいためてキルハレステの乾葡萄のためになげくべし
Isai JapBungo 16:8  そはヘシボンの畑とシブマのぶだうの樹とは凋みおとろへたり その枝さきにはヤゼルにまでいたりて荒野にはびこりのびて海をわたりしが 國々のもろもろの主その美はしき枝ををりたり
Isai JapBungo 16:9  この故にわれヤゼルの哭とひとしくシブマの葡萄の樹のためになかん ヘシボンよエレアレよわが涙なんぢをひたさん そは鬨聲なんぢが果物なんぢが收穫の實のうへにおちきたればなり
Isai JapBungo 16:10  欣喜とたのしみとは土肥たる畑より取さられ 葡萄園には謳ふことなく歡呼ばふことなく酒榨にはふみて酒をしぼるものなし 我そのよろこびたつる聲をやめしめたり
Isai JapBungo 16:11  このゆゑにわが心腸はモアブの故をもて琴のごとく鳴ひびき キルハレスの故をもてわが衷もまた然り
Isai JapBungo 16:12  モアブは高處にいでて倦つかれその聖所にきたりて祈るべけれど驗あらじ
Isai JapBungo 16:13  こはヱホバが曩にモアブに就てかたりたまへる聖言なり
Isai JapBungo 16:14  されど今ヱホバかたりて言たまはくモアブの榮はその大なる群衆とともに傭人の期にひとしく 三年のうちに恥かしめをうけ 遺れる者はなはだ少なくして力なからん
Chapter 17
Isai JapBungo 17:1  ダマスコにかかはる重負の預言 いはく/視よダマスコは邑のすがたをうしなひて荒墟となるべし
Isai JapBungo 17:2  アロエルの諸邑はすてられん獸畜のむれそこにすみてその伏やすめるをおびやかす者もなからん
Isai JapBungo 17:3  エフライムの城はすたりダマスコの政治はやみ スリアの遺れる者はイスラエルの子輩のさかえのごとく消うせん 是は萬軍のヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 17:4  その日ヤコブの榮はおとろへその肥たる肉はやせて
Isai JapBungo 17:5  あだかも收穫人の麥をかりあつめ腕をもて穂をかりたる後のごとくレパイムの谷に穂をひろひたるあとの如くならん
Isai JapBungo 17:6  されど橄欖樹をうつとき二つ三の核を杪にのこし あるひは四つ五をみのりおほき樹の外面のえだに遺せるが如く採のこさるるものあるべし 是イスラエルの神ヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 17:7  その日人おのれを造れるものを仰ぎのぞみイスラエルの聖者に目をとめん
Isai JapBungo 17:8  斯ておのれの手の工なる祭壇をあふぎ望まず おのれの指のつくりたるアシラの像と日の像とに目をとめじ
Isai JapBungo 17:9  その日かれが堅固なるまちまちは 昔イスラエルの子輩をさけてすてさりたる森のなか嶺のうへに今のこれる荒跡のごとく荒地となるべし
Isai JapBungo 17:10  そは汝おのがすくひの神をわすれ 己がちからとなるべき磐を心にとめざりしによる このゆゑになんぢ美くしき植物をうゑ異やうの枝をさし
Isai JapBungo 17:11  かつ植たる日に籬をまはし朝に芽をいださしむれども 患難の日といたましき憂の日ときたりて收穫の果はとびさらん
Isai JapBungo 17:12  唉おほくの民はなりどよめけり海のなりどよめく如くかれらも鳴動めけり もろもろの國はなりひびけり大水のなりひびくが如くかれらも鳴響けり
Isai JapBungo 17:13  もろもろの國はおほくの水のなりひびくがごとく鳴響かん されど神かれらを攻たまふべし かれら遠くのがれて風にふきさらるる山のうへの粃糠のごとく また旋風にふきさらるる塵のごとくならん
Isai JapBungo 17:14  視よゆふぐれに恐怖あり いまだ黎明にいたらずして彼等は亡たり これ我儕をかすむる者のうくべき報われらを奪ふもののひくべき鬮なり
Chapter 18
Isai JapBungo 18:1  唉エテオピアの河の彼方なるさやさやと羽音のきこゆる地
Isai JapBungo 18:2  この地蒹のふねを水にうかべ海路より使者をつかはさんとてその使者にいへらく 疾走る使よなんぢら河々の流のわかるる國にゆけ丈たかく肌なめらかなる 始めより今にいたるまで懼るべく繩もてはかり人を踐にじる民にゆけ
Isai JapBungo 18:3  すべて世にをるもの地にすむものよ 山のうへに旗のたつとき汝等これを見ラッパの鳴響くときなんぢら之をきけ
Isai JapBungo 18:4  そはヱホバわれに如此いひ給へりいはく 空はれわたり日てり收穫の熱むしてつゆけき雲のたるる間 われわが居所にしづかに居てながめん
Isai JapBungo 18:5  收穫のまへにその芽またく生その花ぶだうとなりて熟せんとするとき かれ鎌をもて蔓をかり枝をきり去ん
Isai JapBungo 18:6  斯てみな山のたけきとりと地の獸とになげあたへらるべし 猛鳥そのうへにて夏をすごし地のけものその上にて冬をわたらん
Isai JapBungo 18:7  そのとき河々の流のわかるる國の丈たかく肌なめらかなる 始めより今にいたるまで懼るべく繩もてはかり人をふみにじる民より 萬軍のヱホバにささぐる禮物をたづさへて 萬軍のヱホバの聖名のところシオンの山にきたるべし
Chapter 19
Isai JapBungo 19:1  エジプトにかかる重負のよげん いはく/ヱホバははやき雲にのりてエジプトに來りたまふ エジプトのもろもろの偶像はその前にふるひをののき エジプト人のこころはその衷にて消ゆかん
Isai JapBungo 19:2  我エジプト人をたけび勇ましめてエジプト人を攻しめん斯てかれら各自その兄弟をせめおのおのその鄰をせめ 邑は邑をせめ國はくにを攻べし
Isai JapBungo 19:3  エジプト人の靈魂うせてその中むなしくならん われその謀略をほろぼすべし かれらは偶像および呪文をとなふるもの巫女魔術者にもとむることを爲ん
Isai JapBungo 19:4  われエジプト人を苛酷なる主人の手にわたさん あらあらしき王かれらを治むべし是主萬軍のヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 19:6  また河々はくさき臭をはなちエジプトの堭はみな漸次にへりてかわき葦と蘆とかれはてん
Isai JapBungo 19:7  ナイルのほとりの草原ナイルの岸にほどちかき所すべてナイルの最寄にまきたる者はことごとく枯てちりうせん
Isai JapBungo 19:8  漁者もまた歎き すべてナイルに釣をたるる者はかなしみ網を水のうへに施ものはおとろふべし
Isai JapBungo 19:9  練たる麻にて物つくるもの白布を織ものは恥あわて
Isai JapBungo 19:10  その柱はくだけ一切のやとはれたる者のこころ憂ひかなしまん
Isai JapBungo 19:11  誠やゾアンの諸侯は愚なりパロの最もかしこき議官のはかりごとは癡鈍べし 然ばなんぢら何でパロにむかひて我はかしこきものの子 われは古への王の子なりといふを得んや
Isai JapBungo 19:12  なんぢの智者いづくにありや 彼らもし萬軍のヱホバの定めたまひしエジプトに係はることを暁得ばこれをなんぢに告るこそよけれ
Isai JapBungo 19:13  ゾアンのもろもろの諸侯は愚かなり ノフの諸侯は惑ひたり かれらはエジプトのもろもろの支派の隅石なるに却てエジプトをあやまらせたり
Isai JapBungo 19:14  ヱホバ曲れる心をその中にまじへ給ひしにより 彼等はエジプトのすべて作ところを謬らせ恰かも酔る人の哇吐ときによろめくが如くならしめたり
Isai JapBungo 19:15  エジプトにて或は首あるひは尾あるひは椶櫚のえだまたは葦すべてその作ところの工なかるべし
Isai JapBungo 19:16  その日エジプトは婦女のごとくならん 萬軍のヱホバの動かしたまふ手のその上にうごくが故におそれをののくべし
Isai JapBungo 19:17  ユダの地はエジプトに懼れらる この事をかたりつぐれば聽くもの皆おそる これ萬軍のヱホバ、エジプトに對ひて定めたまへる謀略の故によるなり
Isai JapBungo 19:18  その日エジプトの地に五の邑あり カナンの方言をかたりまた萬軍のヱホバに誓ひをたてん その中のひとつは日邑ととなへらるべし
Isai JapBungo 19:19  その日エジプトの地の中にヱホバをまつる一つの祭壇あり その境にヱホバをまつる一柱あらん
Isai JapBungo 19:20  これエジプトの地にて萬軍のヱホバの徴となり證となるなり かれら暴虐者の故によりてヱホバに號求むべければ ヱホバは救ふもの護るものを遣してこれを助けたまはん
Isai JapBungo 19:21  ヱホバおのれをエジプトに知せたまはん その日エジプト人はヱホバをしり犠牲と祭物とをもて之につかへん 誓願をヱホバにたてて成とぐべし
Isai JapBungo 19:22  ヱホバ、エジプトを撃たまはん ヱホバこれを撃これを醫したまふ この故にかれらヱホバに歸らん ヱホバその懇求をいれて之をいやし給はん
Isai JapBungo 19:23  その日エジプトよりアツスリヤにかよふ大路ありて アツスリヤ人はエジプトにきたり エジプト人はアツスリヤにゆき エジプト人とアツスリヤ人と相共につかふることをせん
Isai JapBungo 19:24  その日イスラエルはエジプトとアツスリヤとを共にし三あひならび地のうへにて福祉をうくる者となるべし
Isai JapBungo 19:25  萬軍のヱホバこれを祝して言たまはく わが民なるエジプトわが手の工なるアツスリヤわが產業なるイスラエルは福ひなるかな
Chapter 20
Isai JapBungo 20:1  アツスリヤのサルゴン王タルタンを遣してアシドドにゆかしむ 彼がアシドドを攻てとりし年にあたり
Isai JapBungo 20:2  この時ヱホバ、アモツの子イザヤに托てかたりたまはく 往なんぢの腰よりあらたへの衣をとき汝の足より履をぬげ ここに於てかれその如くなし赤裸跣足にて歩めり
Isai JapBungo 20:3  ヱホバ言給く わが僕イザヤは三年の間はだかはだしにてあゆみ エジプトとエテオピアとの豫兆となり奇しき標となりたり
Isai JapBungo 20:4  斯のごとくエジプトの虜とエテオピアの俘囚とはアツスリヤの王にひきゆかれ その若きも老たるもみな赤裸跣足にて臀までもあらはしエジプトの恥をしめすべし
Isai JapBungo 20:5  かれらはその恃とせるエテオピアその誇とせるエジプトのゆゑをもて懼れはぢん
Isai JapBungo 20:6  その日この濱邊の民いはん 視よ われらの恃とせる國われらが遁れゆきて助をもとめアツスリヤ王の手より救出されんとせし國すでに斯のごとし 我儕はいかにして脱かるるを得んやと
Chapter 21
Isai JapBungo 21:1  うみべの荒野にかかる重負のよげん いはく/荒野よりおそるべき地より南のかたの暴風のふきすぐるが如くきたれり
Isai JapBungo 21:2  われ苛き默示をしめされたり 欺騙者はあざむき荒すものはあらすべし エラムよ上れメデアよかこめ 我すでにすべての歎息をやめしめたり
Isai JapBungo 21:3  この故にわが腰は甚だしくいたみ 產にのぞめる婦人の如き苦しみ我にせまれり われ悶へ苦しみて聞ことあたはず我をののきて見ことあたはず
Isai JapBungo 21:4  わが心みだれまどひて慴き怖ること甚だし わが樂しめる夕はかはりて懼れとなりぬ
Isai JapBungo 21:5  彼らは席をまうけ筵をしきてくひのみす もろもろの君よたちて盾にあぶらぬれ
Isai JapBungo 21:6  ヱホバかく我にいひ給へり 汝ゆきて斥候をおきその見るところを告しめよ
Isai JapBungo 21:7  かれ馬にのりて二列にならび來るものを見 また驢馬にのりたると駱駝にのりたるとをみば 耳をかたぶけて詳細にきくことをせしめよと
Isai JapBungo 21:8  かれ獅の如く呼はりて曰けるは わが主よわれ終日やぐらに立よもすがら斥候の地にたつ
Isai JapBungo 21:9  馬にのりて二列にならびたる者きたれり 彼こたへていはくバビロンは倒れたり 倒れたりそのもろもろの神の像はくだけて地にふしたり
Isai JapBungo 21:10  蹂躙らるるわが民よわが打場のたなつものよ 我イスラエルの神萬軍のヱホバに聞るところのものを汝につげたり
Isai JapBungo 21:11  ドマに係るおもにの預言 いはく/人ありセイルより我をよびていふ 斥候よ夜はなにのときぞ 斥候よ夜はなにの時ぞ
Isai JapBungo 21:12  ものみ答へていふ 朝きたり夜またきたる 汝もしとはんとおもはば問 なんぢら歸りきたるべし
Isai JapBungo 21:13  アラビヤにかかる重負のよげん 曰く/デダンの客商よなんぢらはアラビヤの林にやどらん
Isai JapBungo 21:14  テマの地のたみよ水をたづさへて渇ける者をむかへ 糧をもて逃遁れたるものを迎へよ
Isai JapBungo 21:15  かれらは刃をさけ 旣にぬきたる劍すでに張たる弓およびたたかひの艱難をさけて逃きたれり
Isai JapBungo 21:16  そは主われにいひたまはく 傭人の期にひとしく一年のうちにケダルのすべての榮華はつきはてん
Isai JapBungo 21:17  そののこれる弓士のかずとケダルの子孫のますらをとは少なかるべし 此はイスラエルの神ヱホバのかたり給へるなり
Chapter 22
Isai JapBungo 22:1  異象の谷にかかる重負のよげん 曰く/なんぢら何故にみな屋蓋にのぼれるか
Isai JapBungo 22:2  汝はさわがしく喧すしき邑ほこりたのしむ邑 なんぢのうちの殺されたるものは劍をもて殺されしにあらず 亦たたかひにて死しにもあらず
Isai JapBungo 22:3  なんぢの有司はみな共にのがれゆきしかど弓士にいましめられ 汝の民はとほくにげゆきしかど見出されて皆ともに縛められたり
Isai JapBungo 22:4  この故にわれいふ回顧てわれを見るなかれ 我いたく哭かなしまん わが民のむすめの害はれたるによりて我をなぐさめんと勉むるなかれ
Isai JapBungo 22:5  そは主萬軍のヱホバ異象のたにに騒亂ふみにじり惶惑の日をきたらせたまふ 垣はくづれ號呼のこゑは山々にきこゆ
Isai JapBungo 22:6  エラムは箙をおひたり 歩兵と騎兵とありキルは盾をあらはせり
Isai JapBungo 22:7  かくて戰車はなんぢの美しき谷にみち 騎兵はその門にむかひてつらなれり
Isai JapBungo 22:8  ユダの庇護はのぞかる その日なんぢは林のいへの武具をあふぎのぞめり
Isai JapBungo 22:9  なんぢらダビデのまちの壞おほきを見る なんぢら下のいけの水をあつめ
Isai JapBungo 22:10  またヱルサレムの家をかぞへ且その家をこぼちて垣をかたくし
Isai JapBungo 22:11  一つの水坑をかきとかきとの間につくりて古池の水をひけりされどこの事をなし給へるものを仰望まず この事をむかしより營みたまへる者をかへりみざりき
Isai JapBungo 22:12  その日主萬軍のヱホバ命じて哭かなしみ首をかぶろにし麁服をまとへと仰せたまひしかど
Isai JapBungo 22:13  なんぢらは喜びたのしみ牛をほふり羊をころし肉をくらひ酒をのみていふ 我儕くらひ且のむべし明日はしぬべければなりと
Isai JapBungo 22:14  萬軍のヱホバ默示をわが耳にきかしめたまはく まことにこの邪曲はなんぢらが死にいたるまで除き清めらるるを得ずと これ主萬軍のヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 22:15  主ばんぐんのヱホバ如此のたまふ ゆけ宮ををさめ庫をつかさどるセブナにゆきていへ
Isai JapBungo 22:16  なんぢここに何のかかはりありや また茲にいかなる人のありとして己がために墓をほりしや 彼はたかきところに墓をほり磐をうがちて己がために住所をつくれり
Isai JapBungo 22:17  視よヱホバはつよき人のなげうつ如くに汝をなげうち給はん
Isai JapBungo 22:18  なんぢを包みかためふりまはして闊かなる地に球のごとくなげいだしたまはん 主人のいへの恥となるものよ汝そこにて死そのえいぐわの車もそこにあらん
Isai JapBungo 22:19  我なんぢをその職よりおひその位よりひきおとさん
Isai JapBungo 22:20  その日われわが僕ヒルキヤの子エリアキムを召て
Isai JapBungo 22:21  なんぢの衣をきせ汝の帶をもて固め なんぢの政權をその手にゆだぬべし 斯て彼ヱルサレムの民とユダの家とに父とならん
Isai JapBungo 22:22  我またダビデのいへの鑰をその肩におかん 彼あくればとづるものなく彼とづればあくるものなし
Isai JapBungo 22:23  我かれをたてて堅處にうちし釘のごとくすべし 而してかれはその父の家のさかえの位とならん
Isai JapBungo 22:24  その父の家のもろもろの榮は彼がうへに懸る その子その孫およびすべての器のちひさきもの皿より瓶子にいたるまでも然らざるなし
Isai JapBungo 22:25  萬軍のヱホバのたまはくその日かたき處にうちたる釘はぬけいで斫れておちん そのうへにかかれる負もまた絶るべし こはヱホバ語り給へるなり
Chapter 23
Isai JapBungo 23:1  ツロに係るおもにの預言 いはく/タルシシのもろもろの舟よなきさけべ ツロは荒廢れて屋なく入べきところなければなり かれら此事をキツテムの地にて告しらせらる
Isai JapBungo 23:2  うみべの民よもだせ 曩には海をゆきかふシドンの商賣くさぐさの物をかしこに充せたり
Isai JapBungo 23:3  ツロは大なる水をわたりくるシホルの種物とナイルがはの穀物とによりて収納をえたり ツロはもろもろの國のつどふ市なりき
Isai JapBungo 23:4  シドンよはづべし そは海すなはち海城かくいへり曰く われ苦しまずうまず壯男をやしなはず處女をそだてざりきと
Isai JapBungo 23:5  この音信のエジプトにいたるとき彼等ツロのおとづれによりて甚くうれふべし
Isai JapBungo 23:6  なんぢらタルシシにわたれ 海邊のたみよ汝等なきさけぶべし
Isai JapBungo 23:7  これは上れる世いにしへよりありし邑おのが足にてうつり遠くたびずまひせる邑なんぢらの樂しみの邑なりしや
Isai JapBungo 23:8  斯のごとくツロに對ひてはかりしは誰なるか ツロは冕をさづけし邑 その中のあきうどは君 その中の貿易するものは地のたふとき者なりき
Isai JapBungo 23:9  これ萬軍のヱホバの定め給ふところにして すべて華美にかざれる驕奢をけがし地のもろもろの貴者をひくくしたまはんが爲なり
Isai JapBungo 23:10  タルシシの女よナイルのごとく己が地にあふれよ なんぢを結びかたむる帶ふたたびなかるべし
Isai JapBungo 23:11  ヱホバその手を海の上にのべて國々をふるひうごかし給へり ヱホバ、カナンにつきて詔命をいだしその保砦をこぼたしめたまふ
Isai JapBungo 23:12  彼いひたまはく虐げられたる處女シドンのむすめよ 汝ふたたびよろこぶことなかるべし 起てキツテムにわたれ彼處にてなんぢまた安息をえじ
Isai JapBungo 23:13  カルデヤ人のくにを視よ この民はふたたびあることなし アツスリヤ人この國を野のけものの居所にさだめたり かれら櫓をたてもろもろの殿をこぼちて荒墟となせり
Isai JapBungo 23:14  タルシシのもろもろの舟よなきさけべ なんぢの保砦はくだかれたり
Isai JapBungo 23:15  その日ツロは七十年のあひだ忘れらるべし ひとりの王のながらふる日のかずなり七十年終りてのちツロは妓女のうたの如くならん
Isai JapBungo 23:16  さきに忘れられたるうかれめよ琴をとりて城市をへめぐり 巧に弾じておほくの歌をうたひ人にふたたび記念らるべし
Isai JapBungo 23:17  七十年をはりてヱホバまたツロを顧みたまはん ツロはふたたびその利潤をえて地のおもてにあるもろもろの國と淫をおこなふべし
Isai JapBungo 23:18  その貿易とその獲たる利潤とはきよめてヱホバに獻ぐべければ之をたくはへず積ことをせざるなり その貿易はヱホバの前にをるものの用となり飽くらふ料となり華美なるころもの料とならん
Chapter 24
Isai JapBungo 24:1  視よヱホバこの地をむなしからしめ荒廢れしめこれを覆へしてその民をちらしたまふ
Isai JapBungo 24:2  かくて民も祭司もひとしく 僕も主もひとしく 下婢も主婦もひとしく 買ものも賣ものもひとしく 貸ものも借ものもひとしく 利をはたるものも利をいだす者もひとしくこの事にあふべし
Isai JapBungo 24:3  地はことごとく空しくことごとく掠められん こはヱホバの言たまへるなり
Isai JapBungo 24:4  地はうれへおとろへ世は萎おとろへ地のたふときものも萎はてたり
Isai JapBungo 24:5  民おきてにそむき法ををかし とこしへの契約をやぶりたるがゆゑに 地はその下にけがされたり
Isai JapBungo 24:6  このゆゑに呪詛は地をのみつくしそこに住るものは罪をうけまた地の民はやかれて僅かばかり遺れり
Isai JapBungo 24:7  あたらしき酒はうれへ葡萄はなえ 心たのしめるものはみな歎息せざるはなし
Isai JapBungo 24:8  鼓のおとは寂まり歡ぶものの聲はやみ琴の音もまたしづまれり
Isai JapBungo 24:9  彼等はふたたび歌うたひ酒のまず濃酒はこれをのむものに苦くなるべし
Isai JapBungo 24:10  騒ぎみだれたる邑はすでにやぶられ毎家はことごとく閉て人のいるなし
Isai JapBungo 24:11  街頭には酒の故によりて叫ぶこゑあり すべての歡喜はくらくなり地のたのしみは去ゆけり
Isai JapBungo 24:12  邑はあれすたれたる所のみのこり その門もこぼたれて破れぬ
Isai JapBungo 24:13  地のうちにてもろもろの民のなかにて遺るものは橄欖の樹のうたれしのちの果の如く葡萄の収穫はてしのちの實のごとし
Isai JapBungo 24:14  これらのもの聲をあげてよばはん ヱホバの稜威のゆゑをもて海より歡びよばはん
Isai JapBungo 24:15  この故になんぢら東にてヱホバをあがめ 海のしまじまにてイスラエルの神ヱホバの名をあがむべし
Isai JapBungo 24:16  われら地の極より歌をきけり いはく榮光はただしきものに歸すと/われ云らく我やせおとろへたり我やせおとろへたり 我はわざはひなるかな 欺騙者はあざむき欺騙者はいつはりをもて欺むけり
Isai JapBungo 24:17  地にすむものよ恐怖と陷阱と罟とはなんぢに臨めり
Isai JapBungo 24:18  おそれの聲をのがるる者はおとしあなに陷り おとしあなの中よりいづるものは罟にかかるべし そは高處の窓ひらけ地の基ふるひうごけばなり
Isai JapBungo 24:19  地は碎けにくだけ地はやぶれにやぶれ地は搖にゆれ
Isai JapBungo 24:20  地はゑへる者のごとく蹌きによろめき假廬のごとくふりうごく その罪はそのうへにおもく遂にたふれて再びおくることなし
Isai JapBungo 24:21  その日ヱホバはたかき處にて高きところの軍兵を征め 地にて地のもろもろの王を征めたまはん
Isai JapBungo 24:22  かれらは囚人が阱にあつめらるるごとく集められて 獄中にとざされ多くの日をへてのち刑せらるべし
Isai JapBungo 24:23  かくて萬軍のヱホバ、シオンの山およびヱルサレムにて統治め かつその長老たちのまへに榮光あるべければ 月は面あからみ日ははぢて色かはるべし
Chapter 25
Isai JapBungo 25:1  ヱホバよ汝はわが神なり 我なんぢを崇めなんぢの名をほめたたへん 汝さきに妙なる事をおこなひ 古時より定めたることを眞實をもて成たまひたればなり
Isai JapBungo 25:2  なんぢ邑をかへて石堆となし 堅固なる城を荒墟となし 外人の京都を邑とならしめず永遠にたつることを得ざらしめたまへり
Isai JapBungo 25:3  この故につよき民はなんぢをあがめ 暴びたる國々の城はなんぢをおそるべし
Isai JapBungo 25:4  そはなんぢ弱きものの保砦となり 乏しきものの難のときの保砦となり 雨風のふききたりて垣をうつごとく暴ぶるものの荒きたるときの避所となり 熱をさくる蔭となりたまへり
Isai JapBungo 25:5  なんぢ外人の喧嘩をおさへて旱ける地より熱をとりのぞく如くならしめ 暴ぶるものの凱歌をとどめて雪の陰をもて熱をとどむる如くならしめたまはん
Isai JapBungo 25:6  萬軍のヱホバこの山にてもろもろの民のために肥たるものをもて宴をまうけ 久しくたくはへたる葡萄酒をもて宴をまうく 膸おほき肥たるもの久しくたくはへたる清るぶだう酒の宴なり
Isai JapBungo 25:7  又この山にてもろもろの民のかぶれる面帕と もろもろの國のおほへる外帔をとりのぞき
Isai JapBungo 25:8  とこしへまで死を呑たまはん 主ヱホバはすべての面より涙をぬぐひ 全地のうへよりその民の凌辱をのぞき給はん これはヱホバの語りたまへるなり
Isai JapBungo 25:9  その日此如いはん これはわれらの神なり われら俟望めり 彼われらを救ひたまはん 是ヱホバなり われらまちのぞめり 我儕そのすくひを歡びたのしむべしと
Isai JapBungo 25:10  ヱホバの手はこの山にとどまり モアブはその處にてあくたの水のなかにふまるる藁のごとく蹂躙られん
Isai JapBungo 25:11  彼そのなかにて游者のおよがんとして手をのばすが如く己が手をのばさん 然どヱホバその手の脆計とともにその傲慢を伏たまはん
Isai JapBungo 25:12  なんぢの垣たかき堅固なる城はヱホバかたぶけたふし 地におとして塵にまじへたまはん
Chapter 26
Isai JapBungo 26:1  その日ユダの國にてこの歌をうたはん われらに堅固なる邑あり 神すくひをもてその垣その藩となしたまふべし
Isai JapBungo 26:2  なんぢら門をひらきて忠信を守るただしき國民をいれよ
Isai JapBungo 26:3  なんぢは平康にやすきをもて心志かたき者をまもりたまふ 彼はなんぢに依賴めばなり
Isai JapBungo 26:4  なんぢら常盤にヱホバによりたのめ 主ヱホバはとこしへの巌なり
Isai JapBungo 26:5  たかきに居るものを仆し そびえたる城をふせしめ 地にふせしめて塵にまじへ給へり
Isai JapBungo 26:6  かくて足これをふまん 苦しむものは足にて之をふみ 貧しき者はその上をあゆまん
Isai JapBungo 26:7  義きものの道は直からざるなし なんぢ義きものの途を直く平らかにし給ふ
Isai JapBungo 26:8  ヱホバよ審判をおこなひたまふ道にてわれら汝をまちのぞめり われらの心はなんぢの名となんぢの記念の名とをしたふなり
Isai JapBungo 26:9  わがこころ夜なんぢを慕ひたり わがうちなる靈あしたに汝をもとめん そは汝のさばき地におこなはるるとき世にすめるもの正義をまなぶべし
Isai JapBungo 26:10  惡者はめぐまるれども公義をまなばず 直き地にありてなほ不義をおこなひヱホバの稜威を見ることをこのまず
Isai JapBungo 26:11  ヱホバよなんぢの手たかく擧れどもかれら顧みず 然どなんぢが民をすくひたまふ熱心を見ばはぢをいだかん 火なんぢの敵をやきつくすべし
Isai JapBungo 26:12  ヱホバよ汝はわれらのために平和をまうけたまはん 我儕のおこなひしことは皆なんぢの成たまへるなり
Isai JapBungo 26:13  ヱホバわれらの神よなんぢにあらぬ他の主ども曩にわれらを治めたり 然どわれらはただ汝によりて汝の名をかたりつげん
Isai JapBungo 26:14  かれら死たればまたいきず 亡靈となりたればまた復らず なんぢかれらを糺してこれを滅ぼし その記念の名をさへ悉くうせしめたまへり
Isai JapBungo 26:15  ヱホバよなんぢこの國民をましたまへり此くにびとを増たまへり なんぢは尊ばれたまふ なんぢ地の界をことごとく擴めたまへり
Isai JapBungo 26:16  ヱホバよかれら苦難のときに汝をあふぎのぞめり 彼等なんぢの懲罰にあへるとき切になんぢに禱告せり
Isai JapBungo 26:17  ヱホバよわれらは孕める婦のうむとき近づきてくるしみ その痛みによりて叫ぶがごとく汝のまへに然ありき
Isai JapBungo 26:18  われらは孕みまた苦しみたれどその產るところは風ににたり われら救を地にほどこさず世にすむ者うまれいでざりき
Isai JapBungo 26:19  なんぢの死者はいきわが民の屍はおきん 塵にふすものよ醒てうたうたふべし なんぢの露は草木をうるほす露のごとく地はなきたまをいださん
Isai JapBungo 26:20  わが民よゆけ なんぢの室にいり汝のうしろの戸をとぢて忿恚のすぎゆくまで暫時かくるべし
Isai JapBungo 26:21  視よヱホバはその處をいでて地にすむものの不義をただしたまはん 地はその上なる血をあらはにして殺されたるものをまた掩はざるべし
Chapter 27
Isai JapBungo 27:1  その日ヱホバは硬く大いなるつよき劍をもて 疾走るへびレビヤタン曲りうねる蛇レビヤタンを罰しまた海にある鱷をころし給ふべし
Isai JapBungo 27:2  その日如此うたはん うるはしき葡萄園あり之をうたへよ
Isai JapBungo 27:3  われヱホバこれを護り をりをり水そそぎ 夜も晝もまもりて害ふものあらざらしめん
Isai JapBungo 27:4  我にいきどほりなし願はくは荊棘のわれと戰はんことを 然ばわれすすみ迎へて皆もろともに焚盡さん
Isai JapBungo 27:5  寧ろわが力にたよりて我とやはらぎを結べ われと平和をむすぶべし
Isai JapBungo 27:6  後にいたらばヤコブは根をはりイスラエルは芽をいだして花さきその實せかいの面にみちん
Isai JapBungo 27:7  ヤコブ主にうたるるといへども彼をうちしものの主にうたるるが如きことあらんや ヤコブの殺さるるは彼をころししものの殺さるるが如きことあらんや
Isai JapBungo 27:8  汝がヤコブを逐たまへる懲罰は度にかなひぬ 東風のふきし日なんぢあらき風をもてこれをうつし給へり
Isai JapBungo 27:9  斯るがゆゑにヤコブの不義はこれによりて潔められん これに因てむすぶ果は罪をのぞくことをせん 彼は祭壇のもろもろの石を碎けたる石灰のごとくになし アシラの像と日の像とをふたたび建ることなからしめん
Isai JapBungo 27:10  堅固なる邑はあれてすさまじく棄去れたる家のごとく また荒野のごとし 犢このところにて草をはみ此所にてふし 且そこなる樹のえだをくらはん
Isai JapBungo 27:11  その枝かるるとき折とらる 婦人きたりてこれを燒ん これは無知の民なるが故に之をつくれる者あはれまず これを形づくれるもの惠まざるべし
Isai JapBungo 27:12  その日なんぢらイスラエルの子輩よ ヱホバは打落したる果をあつむるごとく 大河の流よりエジプトの川にいたるまでなんぢらを一つ一つにあつめたまふべし
Isai JapBungo 27:13  その日大なるラッパ鳴ひびきアツスリヤの地にさすらひたる者 エジプトの地におひやられたる者 きたりてヱルサレムの聖山にてヱホバを拜むべし
Chapter 28
Isai JapBungo 28:1  酔るものなるエフライム人よなんぢらの誇の冠はわざはひなるかな 酒におぼるるものよ肥たる谷の首にある凋んとする花のうるはしき飾はわざはひなるかな
Isai JapBungo 28:2  みよ主はひとりの力ある强剛者をもち給へり それは雹をまじへたる暴風のごとく壞りそこなふ狂風のごとく大水のあぶれ漲るごとく烈しくかれを地になげうつべし
Isai JapBungo 28:3  酔るものなるエフライム人のほこりの冠は足にて踐にじられん
Isai JapBungo 28:4  肥たる谷のかしらにある凋んとする花のうるはしきかざりは 夏こぬに熟したる初結の無花果のごとし 見るものこれをみて取る手おそしと呑いるるなり
Isai JapBungo 28:5  その日萬軍のヱホバその民ののこれる者のために榮のかんむりとなり美しき冠となり給はん
Isai JapBungo 28:6  さばきの席にざするものには審判の靈をあたへ軍を門よりおひかへす者には力をあたへ給ふべし
Isai JapBungo 28:7  然どかれらも酒によりてよろめき濃酒によりてよろぼひたり 祭司と預言者とは濃酒によりてよろめき 酒にのまれ濃酒によりてよろぼひ 而して默示をみるときにもよろめき審判をおこなふときにも躓けり
Isai JapBungo 28:8  すべて膳には吐たるものと穢とみちて潔きところなし
Isai JapBungo 28:9  かれは誰にをしへて知識をあたへんとするか 誰にしめして音信を暁らせんとするか 乳をたち懷をはなれたる者にするならんか
Isai JapBungo 28:10  そは誡命にいましめをくはへ誡命にいましめをくはへ 度にのりをくはへ度にのりをくはへ 此にもすこしく彼にもすこしく敎ふ
Isai JapBungo 28:11  このゆゑに神あだし唇と異なる舌とをもてこの民にかたりたまはん
Isai JapBungo 28:12  曩にかれらに言たまひけるは此は安息なり疲困者にやすみをあたへよ 此は安慰なりと されど彼らは聞ことをせざりき
Isai JapBungo 28:13  斯るがゆゑにヱホバの言かれらにくだりて 誡命にいましめをくはへ誡命にいましめをくはへ 度にのりをくはへ度にのりをくはへ 此にもすこしく彼にも少しくをしへん 之によりて彼等すすみてうしろに仆れそこなはれ罟にかかりて捕へらるべし
Isai JapBungo 28:14  なんぢら此ヱルサレムにある民ををさむるところの輕慢者よヱホバの言をきけ
Isai JapBungo 28:15  なんぢらは云り 我ら死と契約をたて陰府とちぎりをむすべり 漲りあふるる禍害のすぐるときわれらに來らじ そはわれら虛僞をもて避所となし欺詐をもて身をかくしたればなりと
Isai JapBungo 28:16  このゆゑに神ヱホバかくいひ給ふ 視よわれシオンに一つの石をすゑてその基となせり これは試をへたる石たふとき隅石かたくすゑたる石なり これに依賴むものはあわつることなし
Isai JapBungo 28:17  われ公平を準繩とし正義を錘とす 斯て雹はいつはりにてつくれる避所をのぞきさり水はその匿れたるところに漲りあふれん
Isai JapBungo 28:18  汝らが死とたてし契約はきえうせ陰府とむすべるちぎりは成ことなし されば漲り溢るるわざはひのすぐるとき汝等はこれに踐たふさるべし
Isai JapBungo 28:19  その過るごとになんぢらを捕へん 朝々にすぎ晝も夜もすぐ この音信をきき わきまふるのみにても慴きをるなり
Isai JapBungo 28:20  その狀は床みじかくして身をのぶることあたはず 衾せまくして身をおほふこと能はざるが如し
Isai JapBungo 28:21  そはヱホバ往昔ペラヂムの山にて起たまひしがごとくにたち ギベオンの谷にて忿恚をはなちたまひしが如くにいきどほり 而してその所爲をおこなひ給はん 奇しき所爲なり その工を成たまはん 異なる工なり
Isai JapBungo 28:22  この故になんぢら侮るなかれ 恐くはなんぢらの縲絏きびしくならん 我すでに全地のうへにさだまれる敗亡あるよしを主萬軍のヱホバより聞たればなり
Isai JapBungo 28:23  なんぢら耳をかたぶけてわが聲をきけ懇ろにわが言をきくべし
Isai JapBungo 28:24  農夫たねをまかんに何で日々たがへし日々その地をすき その土塊をくだくことのみを爲んや
Isai JapBungo 28:25  もし地の面をたひらかにせばいかで罌粟をまき 馬芹の種をおろし 小麥をうねにうゑ 大麥をさだめたる處にうゑ 粗麥を畔にうゑざらんや
Isai JapBungo 28:26  斯のごときはかれの神これに智慧をあたへて敎へたまへるなり
Isai JapBungo 28:27  けしは連耞にてうたず 馬芹はそのうへに車輪をきしらせず罌栗をうつには杖をもちひ 馬芹をうつには棒をもちふ
Isai JapBungo 28:28  麥をくだくか否くるまにきしらせ馬にふませて落すことはすれども斷ずしかするにあらず これを碎くことをせざるべし
Isai JapBungo 28:29  此もまた萬軍のヱホバよりいづ その謀略はくすしくその智慧はすぐれたり
Chapter 29
Isai JapBungo 29:1  ああアリエルよアリエルよ ああダビデの營をかまへたる邑よ としに年をくはへ節會まはりきたらば
Isai JapBungo 29:2  われアリエルをなやまし之にかなしみと歎息とあらしめん 彼をアリエルのごとき者となすべし
Isai JapBungo 29:3  われ汝のまはりに營をかまへ保砦をきづきて汝をかこみ櫓をたててなんぢを攻べし
Isai JapBungo 29:4  かくてなんぢは卑くせられ 地にふしてものいひ塵のなかより低聲をいだしてかたらん 汝のこゑは巫女のこゑのごとく地よりいで汝のことばは塵のなかより囀づるがごとし
Isai JapBungo 29:5  然どなんぢのあだの群衆はこまやかなる塵の如く あらぶるものの群衆はふきさらるる粃糠の如くならん 俄にまたたく間にこの事あるべし
Isai JapBungo 29:6  萬軍のヱホバはいかづち 地震 おほごゑ 暴風 つむじかぜ及びやきつくす火の燄をもて臨みたまふべし
Isai JapBungo 29:7  斯てアリエルを攻てたたかふ國々のもろもろ アリエルとその城とをせめたたかひて難ますものは みな夢のごとく夜のまぼろしの如くならん
Isai JapBungo 29:8  饑たるものの食ふことを夢みて醒きたればその心なほ空しきがごとく 渇けるものの飮ことを夢みて醒きたれば疲れかつ頻にのまんことを欲するがごとく シオンの山をせめて戰ふくにぐにの群衆もまた然あらん
Isai JapBungo 29:9  なんぢらためらへ而しておどろかん なんぢら放肆にせよ而して目くらまん かれらは酔りされど酒のゆゑにあらず かれらはよろめけりされど濃酒のゆゑにあらず
Isai JapBungo 29:10  そはヱホバ酣睡の靈をなんぢらの上にそそぎ 而してなんぢらの目をとぢ なんぢらの面をおほひたまへり その目は預言者そのかほは先知者なり
Isai JapBungo 29:11  かかるが故にすべての默示はなんぢらには封じたる書のことばのごとくなり 文字しれる人にわたして請これを讀といはんに答へて封じたるがゆゑによむこと能はずといはん
Isai JapBungo 29:12  また文字しらぬ人にわたして請これをよめといはんにこたへて文字しらざるなりといはん
Isai JapBungo 29:13  主いひ給はく この民は口をもて我にちかづき口唇をもてわれを敬へども その心はわれに遠かれり そのわれを畏みおそるるは人の誡命によりてをしへられしのみ
Isai JapBungo 29:14  この故にわれこの民のなかにて再びくすしき事をおこなはん そのわざは奇しくしていとあやし かれらの中なる智者のちゑはうせ聰明者のさときはかくれん
Isai JapBungo 29:15  己がはかりごとをヱホバに深くかくさんとする者はわざはひなるかな 暗中にありて事をおこなひていふ 誰かわれを見んや たれか我をしらんやと
Isai JapBungo 29:16  なんぢらは曲れり いかで陶工をみて土塊のごとくおもふ可んや 造られし者おのれを作れるものをさして我をつくれるにあらずといふをえんや 形づくられたる器はかたちづくりし者をさして智慧なしといふを得んや
Isai JapBungo 29:17  暫くしてレバノンはかはりて良田となり 良田は林のごとく見ゆるとききたるならずや
Isai JapBungo 29:18  その日聾者はこの書のことばをきき盲者の目はくらきより闇よりみることを得べし
Isai JapBungo 29:19  謙だるものはヱホバによりてその歡喜をまし 人のなかの貧きものはイスラエルの聖者によりて快樂をうべし
Isai JapBungo 29:20  暴るものはたえ 侮慢者はうせ 邪曲の機をうかがふ者はことごとく斷滅さるべければなり
Isai JapBungo 29:21  かれらは訟をきく時まげて人をつみし 邑門にていさむるものを謀略におとしいれ 虛しき語をかまへて義人をしりぞく
Isai JapBungo 29:22  この故にむかしアブラハムを贖ひたまひしヱホバはヤコブの家につきて如此いひたまふ ヤコブは今より恥をかうむらず その面はいまより色をうしなはず
Isai JapBungo 29:23  かれの子孫はその中にわがおこなふ手のわざをみん その時わが名を聖としヤコブの聖者を聖としてイスラエルの神をおそるべし
Isai JapBungo 29:24  心あやまれるものも知識をえ つぶやけるものも敎誨をまなばん
Chapter 30
Isai JapBungo 30:1  ヱホバのたまはく 悖るる子輩はわざはひなるかな かれら謀略をすれども我によりてせず 盟をむすべどもわが靈にしたがはず ますます罪につみをくはへん
Isai JapBungo 30:2  かれらわが口にとはずしてエジプトに下りゆきパロの力をかりておのれを强くしエジプトの蔭によらん
Isai JapBungo 30:3  パロのちからは反てなんぢらの恥となり エジプトの蔭によるは反てなんぢらの辱かしめとなるべし
Isai JapBungo 30:4  かれの君たちはゾアンにあり かれの使者たちはハネスにきたれり
Isai JapBungo 30:5  かれらは皆おのれを益することあたはざる民によりて恥をいだく かの民はたすけとならず益とならず かへりて恥となり謗となれり
Isai JapBungo 30:6  南のかたの牲畜にかかる重負のよげん 曰く/かれらその財貨を若き驢馬のかたにおはせ その寳物を駱駝の背におはせて 牝獅 牡獅 まむし及びとびかける蛇のいづる苦しみと艱難との國をすぎて 己をえきすること能はざる民にゆかん
Isai JapBungo 30:7  そのエジプトの助はいたづらにして虛し このゆゑに我はこれを休みをるラハブとよべり
Isai JapBungo 30:8  いま往てこれをその前にて牌にしるし書にのせ 後の世に傳へてとこしへに證とすべし
Isai JapBungo 30:9  これは悖れる民いつはりをいふ子輩ヱホバの律法をきくことをせざる子輩なり
Isai JapBungo 30:10  かれら見るものに對ひていふ見るなかれと 默示をうる者にむかひていふ直きことを示すなかれ 滑かなることをかたれ虛僞をしめせ
Isai JapBungo 30:11  なんぢら大道をさり逕をはなれ われらが前にイスラエルの聖者をあらしむるなかれと
Isai JapBungo 30:12  此によりてイスラエルの聖者かくいひ給ふ なんぢらこの言をあなどり暴虐と邪曲とをたのみて之にたよれり
Isai JapBungo 30:13  斯るがゆゑにこの不義なんぢらには凸出ておちんとするたかき垣のさけたるところのごとく その破壞にはかに暫しが間にきたらんと
Isai JapBungo 30:14  主これを破りあだかも陶工の瓶をくだきやぶるがごとくして惜みたまはず その碎のなかに爐より火をとり池より水をくむほどの一片だに見出すことなからん
Isai JapBungo 30:15  主ヱホバ、イスラエルの聖者かくいひたまへり なんぢら立かへりて靜かにせば救をえ 平穩にして依賴まば力をうべしと 然どなんぢらこの事をこのまざりき
Isai JapBungo 30:16  なんぢら反ていへり 否われら馬にのりて逃走らんと この故になんぢら逃走らん 又いへりわれら疾きものに乗んと この故になんぢらを追もの疾かるべし
Isai JapBungo 30:17  ひとり叱咤すれば千人にげはしり 五人しつたすればなんぢら逃走りて その遺るものは僅かに山嶺にある杆のごとく 岡のうへにある旗のごとくならん
Isai JapBungo 30:18  ヱホバこれにより俟てのち恩惠を汝等にほどこし これにより上りてのちなんぢらを憐れみたまはん ヱホバは公平の神にましませり 凡てこれを俟望むものは福ひなり
Isai JapBungo 30:19  シオンにをりヱルサレムにをる民よ なんぢは再びなくことあらじ そのよばはる聲に應じて必ずなんぢに惠をほどこしたまはん 主ききたまふとき直にこたへたまふべし
Isai JapBungo 30:20  主はなんぢらになやみの糧とくるしみの水とをあたへ給はん なんぢを敎るもの再びかくれじ 汝の目はその敎るものを恒にみるべし
Isai JapBungo 30:21  なんぢ右にゆくも左にゆくもその耳に これは道なりこれを歩むべしと後邊にてかたるをきかん
Isai JapBungo 30:22  又なんぢら白銀をおほひし刻める像 こがねをはりし鑄たる像をけがれとし 穢物のごとく打棄ていはん 去れと
Isai JapBungo 30:23  なんぢが地にまく種に主は雨をあたへ また地になりいづる糧をたまふ その土產こえて豐かならん その日なんぢの家畜はひろき牧場に草をはむべし
Isai JapBungo 30:24  地をたがへす牛と驢馬とは團扇にてあふぎ箕にてとほし鹽をくはへたる飼料をくらはん
Isai JapBungo 30:25  大なる殺戮の日やぐらのたふるる時もろもろのたかき山もろもろのそびえたる嶺に河とみづの流とあるべし
Isai JapBungo 30:26  かくてヱホバその民のきずをつつみ そのうたれたる創痍をいやしたまふ日には月のひかりは日の光のごとく日のひかりは七倍をくはへて七の日のひかりの如くならん
Isai JapBungo 30:27  視よヱホバの名はとほき所よりきたり そのはげしき怒はもえあがる焰のごとく その唇はいきどほりにてみち その舌はやきつくす火のごとく
Isai JapBungo 30:28  その氣息はみなぎりて項にまでいたる流のごとし 且ほろびの篩にてもろもろの國をふるひ又まどはす韁をもろもろの民の口におきたまはん
Isai JapBungo 30:29  なんぢらは歌うたはん節會をまもる夜のごとし なんぢらは心によろこばん笛をならしヱホバの山にきたりイスラエルの磐につくときの如し
Isai JapBungo 30:30  ヱホバはその稜威のこゑをきかしめ 烈しき怒をはなちて燒つくす火のほのほと暴風と大雨と雹とをもて その臂のくだることを示したまはん
Isai JapBungo 30:31  ヱホバのこゑによりてアツスリヤ人はくじけん 主はこれを笞にてうち給ふべし
Isai JapBungo 30:32  ヱホバの豫じめさだめたまへる杖をアツスリヤのうへにくはへたまふごとに 鼓をならし琴をひかん 主はうごきふるふ戰闘をもてかれらとたたかひ給ふべし
Isai JapBungo 30:33  トペテは往古よりまうけられ また王のために備へられたり これを深くしこれを廣くしここに火とおほくの薪とをつみおきたり ヱホバの氣息これを硫黄のながれのごとくに燃さん
Chapter 31
Isai JapBungo 31:1  助をえんとてエジプトにくだり馬によりたのむものは禍ひなるかな 戰車おほきが故にこれにたのみ騎兵はなはだ强きがゆゑに之にたのむ されどイスラエルの聖者をあふがずヱホバを求ることをせざるなり
Isai JapBungo 31:2  然はあれどもヱホバもまた智慧あるべし かならず禍害をくだしてその言をひるがへしたまはず 起てあしきものの家をせめ また不義を行ふ者の助をせめ給はん
Isai JapBungo 31:3  かのエジプト人は人にして神にあらずその馬は肉にして靈にあらず ヱホバその手をのばしたまはば助くるものも蹟き たすけらるる者もたふれてみなひとしく亡びん
Isai JapBungo 31:4  ヱホバ如此われにいひたまふ 獅のほえ壯獅の獲物をつかみてほえたけれるとき 許多のひつじかひ相呼つどひてむかひゆくとも その聲によりて挫けずその喧譁しきによりて臆せざるごとく 萬軍のヱホバくだりてシオンの山およびその岡にて戰ひ給ふべし
Isai JapBungo 31:5  鳥の雛をまもるがごとく萬軍のヱホバはヱルサレムをまもりたまはん これを護りてこれをすくひ踰越てこれを援けたまはん
Isai JapBungo 31:6  イスラエルの子輩よなんぢらさきには甚だしく主にそむけり 今たちかへるべし
Isai JapBungo 31:7  なんぢらおのが手につくりて罪ををかしし白銀のぐうざう黄金の偶像をその日おのおのなげすてん
Isai JapBungo 31:8  爰にアツスリヤびとは劍にてたふれん されど人のつるぎにあらず 劍かれらをほろぼさん されど世の人のつるぎにあらず かれら劍のまへより逃はしりその壯きものは役丁とならん
Isai JapBungo 31:9  かれらの磐はおそれによりて逝去り その君たちは旗をみてくじけん こはヱホバの御言なり ヱホバの火はシオンにありヱホバの爐はヱルサレムにあり
Chapter 32
Isai JapBungo 32:1  茲にひとりの王あり 正義をもて統治め その君たちは公平をもて宰さどらん
Isai JapBungo 32:2  また人ありて風のさけどころ暴雨ののがれどころとなり 旱ける地にある水のながれのごとく 倦つかれたる地にある大なる岩陰の如くならん
Isai JapBungo 32:3  見るものの目はくらまず 聞ものの耳はかたぶけきくをうべし
Isai JapBungo 32:4  躁がしきものの心はさとりて知識をえ 吃者の舌はすみやけくあざやかに語るをうべし
Isai JapBungo 32:5  愚かなる者はふたたび尊貴とよばるることなく 狡猾なる者はふたたび大人とよばるることなかるべし
Isai JapBungo 32:6  そは愚なるものは愚なることをかたり その心に不義をかもし邪曲をおこなひ ヱホバにむかひて妄なることをかたり 饑たる者のこころを空しくし渇けるものの飮料をつきはてしむ
Isai JapBungo 32:7  狡猾なるものの用ゐる器はあしし 彼あしき企圖をまうけ虛僞のことばをもて苦しむ者をそこなひ 乏しき者のかたること正理なるも尚これを害へり
Isai JapBungo 32:8  たふとき人はたふとき謀略をまうけ恒にたふとき事をおこなふ
Isai JapBungo 32:9  安逸にをる婦等よおきてわが聲をきけ 思煩ひなき女等よわが言に耳を傾けよ
Isai JapBungo 32:10  思煩ひなきをんなたちよ一年あまりの日をすぎて摺きあわてん そは葡萄の収穫むなしく果ををさむる期きたるまじければなり
Isai JapBungo 32:11  やすらかにをる婦等よふるひおそれよ おもひわづらひなき者よをののきあわてよ 衣をぬぎ裸體になりて腰に麁服をまとへ
Isai JapBungo 32:12  かれら良田のため實りゆたかなる葡萄の樹のために胸をうたん
Isai JapBungo 32:13  棘と荊わが民の地にはえ 樂みの邑なるよろこびの家々にもはえん
Isai JapBungo 32:14  そは殿はすてられ にぎはひたる邑はあれすたれ オペルと櫓とはとこしへに洞穴となり 野の驢馬のたのしむところ羊のむれの草はむところとなるべし
Isai JapBungo 32:15  されど遂には靈うへより我儕にそそぎて 荒野はよき田となり 良田は林のごとく見ゆるとききたらん
Isai JapBungo 32:16  そのとき公平はあれのにすみ 正義はよき田にをらん
Isai JapBungo 32:17  かくて正義のいさをは平和 せいぎのむすぶ果はとこしへの平隱とやすきなり
Isai JapBungo 32:18  わが民はへいわの家にをり 思ひわづらひなき住所にをり 安らかなる休息所にをらん
Isai JapBungo 32:19  されどまづ雹ふりて林くだけ邑もことごとくたふるべし
Isai JapBungo 32:20  なんぢらもろもろの水のほとりに種をおろし 牛および驢馬の足をはなちおく者はさいはひなり
Chapter 33
Isai JapBungo 33:1  禍ひなるかななんぢ害はれざるに人をそこなひ 欺かれざるに人をあざむけり なんぢが害ふこと終らば汝そこなはれ なんぢが欺くことはてなば汝あざむかるべし
Isai JapBungo 33:2  ヱホバよわれらを惠み給へわれらなんぢを俟望めり なんぢ朝ごとにわれらの臂となり また患難のときにわれらの救となりたまへ
Isai JapBungo 33:3  なりとどろく聲によりてもろもろの民にげはしり なんぢの起たまふによりてもろもろの國はちりうせぬ
Isai JapBungo 33:4  蟊賊のものをはみつくすがごとく人なんぢらの財をとり盡さん また蝗のとびつどふがごとく人なんぢらの財にとびつどふべし
Isai JapBungo 33:5  ヱホバは最たかし高處にすみたまふなり ヱホバはシオンに公正と正義とを充せたまひたり
Isai JapBungo 33:6  なんぢの代はかたくたち 救と智惠と知識とはゆたかにあらん ヱホバをおそるるは國の寳なり
Isai JapBungo 33:7  視よかれらの勇士は外にありてさけび 和をもとむる使者はいたく哭く
Isai JapBungo 33:8  大路あれすたれて旅客たえ 敵は契約をやぶり諸邑をなみし人をもののかずとせず
Isai JapBungo 33:9  地はうれへおとろへ レバノンは恥らひて枯れ シヤロンはアラバの如くなり バシヤンとカルメルとはその葉をおとす
Isai JapBungo 33:10  ヱホバ言給はく われ今おきん今たたん 今みづからを高くせん
Isai JapBungo 33:11  なんぢらの孕むところは枇糠のごとく なんぢらの生ところは藁のごとし なんぢらの氣息は火となりてなんぢらを食ひつくさん
Isai JapBungo 33:12  もろもろの民はやかれて灰のごとくなり 荊のきられて火にもやされたるが如くならん
Isai JapBungo 33:13  なんぢら遠にあるものよ わが行ひしことをきけ なんぢら近にあるものよ わが能力をしれ
Isai JapBungo 33:14  シオンの罪人はおそる 戰慄はよこしまなる者にのぞめり われらの中たれか燒つくす火に止ることを得んや 我儕のうち誰かとこしへに燒るなかに止るをえんや
Isai JapBungo 33:15  義をおこなふもの直をかたるもの虐げてえたる利をいとひすつるもの手をふりて賄賂をとらざるもの 耳をふさぎて血をながす謀略をきかざるもの 目をとぢて惡をみざる者
Isai JapBungo 33:16  かかる人はたかき處にすみ かたき磐はその櫓となり その糧はあたへられその水はともしきことなからん
Isai JapBungo 33:17  なんぢの目はうるはしき狀なる王を見 とほくひろき國をみるべし
Isai JapBungo 33:18  汝の心はかの懼しかりしことどもを思ひいでん 會計せし者はいづくにありや 貢をはかりし者はいづくにありや 櫓をかぞへし者はいづくにありや
Isai JapBungo 33:19  汝ふたたび暴民をみざるべし かの民の言語はふかくして悟りがたくその舌は異にして解がたし
Isai JapBungo 33:20  われらの節會の邑シオンを見よ なんぢの目はやすらかなる居所となれるヱルサレムを見ん ヱルサレムはうつさるることなき幕屋にして その杙はとこしへにぬかれず その繩は一すぢだに斷れざるなり
Isai JapBungo 33:21  ヱホバ我らとともに彼處にいまして稜威をあらはし給はん 斯てそのところはひろき川ひろき流あるところとなりて その中には漕舟もいらず巨艦もすぐることなかるべし
Isai JapBungo 33:22  ヱホバはわれらを鞫きたまふもの ヱホバはわれらに律法をたてたまひし者 ヱホバはわれらの王にましまして我儕をすくひ給ふべければなり
Isai JapBungo 33:23  なんぢの船纜はとけたり その桅杆のもとを結びかたむることあたはず 帆をあぐることあたはず その時おほくの財をわかち跛者までも掠物あらん
Isai JapBungo 33:24  かしこに住るものの中われ病りといふ者なし彼處にをる民の咎はゆるされん
Chapter 34
Isai JapBungo 34:1  もろもろの國よちかづきてきけ もろもろの民よ耳をかたぶけよ 地と地にみつるもの世界とせかいより出るすべての者きけ
Isai JapBungo 34:2  ヱホバはよろづの國にむかひて怒り そのよろづの軍にむかひて忿恚り かれらをことごとく滅し かれらを屠らしめたまふ
Isai JapBungo 34:3  かれらは殺されて抛棄られ その屍の臭氣たちのぼり山はその血にて融されん
Isai JapBungo 34:4  天の萬象はきえうせ もろもろの天は書巻のごとくにまかれん その萬象のおつるは葡萄の葉のおつるがごとく無花果のかれたる葉のおつるが如くならん
Isai JapBungo 34:5  わが劍は天にてうるほひたり 視よエドムの上にくだり滅亡に定めたる民のうへにくだりて之をさばかん
Isai JapBungo 34:6  ヱホバの劍は血にてみち脂にてこえ小羊と山羊との血 牡羊の腎のあぶらにて肥ゆ ヱホバはボズラにて牲のけものをころしエドムの地にて大にほふることをなし給へり
Isai JapBungo 34:7  その屠場には野牛 こうし 牡牛もともに下る そのくには血にてうるほされ その塵はあぶらにて肥さるべし
Isai JapBungo 34:8  こはヱホバの仇をかへしたまふ日にしてシオンの訟のために報をなしたまふ年なり
Isai JapBungo 34:9  エドムのもろもろの河はかはりて樹脂となり その塵はかはりて硫磺となり その土はかはりてもゆる樹脂となり
Isai JapBungo 34:10  晝も夜もきえずその烟つくる期なく上騰らん かくて世々あれすたれ永遠までもその所をすぐる者なかるべし
Isai JapBungo 34:11  鵜と刺猬とそこを己がものとなし鷺と鴉とそこにすまん ヱホバそのうへに亂をおこす繩をはり空虛をきたらする錘をさげ給ふべし
Isai JapBungo 34:12  國をつぐべき者をたてんとて貴者ふたたび呼集ることをせじ もろもろの諸侯はみな失てなくなるべし
Isai JapBungo 34:13  その殿にはことごとく荊はえ 城にはことごとく刺草と薊とはえ 野犬のすみか駝鳥の場とならん
Isai JapBungo 34:14  野のけものと豺狼とここにあひ 牡山羊その友をよび 鴟鴞もまた宿りてここを安所とせん
Isai JapBungo 34:15  蛇ここに穴をつくり卵をうみてこれを孚しおのれの影の下に子をあつむ 鳶もまたその偶とともに此處にあつまらん
Isai JapBungo 34:16  なんぢらヱホバの書をつまびらかにたづねて讀べし これらのもの一つも缺ることなく又ひとつもその偶をかくものあらじ そはヱホバの口このことを命じ その靈これらを集めたまふべければなり
Isai JapBungo 34:17  ヱホバこれらのものに鬮をひかせ手づから繩をもて量り この地をわけあたへて永くかれらに保たしめ 世々にいたるまでここに住しめたまはん
Chapter 35
Isai JapBungo 35:1  荒野とうるほひなき地とはたのしみ 沙漠はよろこびて番紅の花のごとくに咲かがやかん
Isai JapBungo 35:2  盛に咲かがやきてよろこび且よろこび且うたひ レバノンの榮をえカルメルおよびシヤロンの美しきを得ん かれらはヱホバのさかえを見われらの神のうるはしきを見るべし
Isai JapBungo 35:3  なんぢら萎たる手をつよくし弱りたる膝をすこやかにせよ
Isai JapBungo 35:4  心さわがしきものに對ていへ なんぢら雄々しかれ懼るるなかれ なんぢらの神をみよ 刑罰きたり神の報きたらん 神きたりてなんぢらを救ひたまふべし
Isai JapBungo 35:5  そのとき瞽者の目はひらけ聾者の耳はあくことを得べし
Isai JapBungo 35:6  そのとき跛者は鹿の如くにとびはしり唖者の舌はうたうたはん そは荒野に水わきいで沙漠に川ながるべければなり
Isai JapBungo 35:7  やけたる沙は池となり うるほひなき地はみづの源となり 野犬のふしたるすみかは蘆葦のしげりあふ所となるべし
Isai JapBungo 35:8  かしこに大路あり そのみちは聖道ととなへられん 穢れたるものはこれを過ることあたはず ただ主の民のために備へらる これを歩むものはおろかなりとも迷ふことなし
Isai JapBungo 35:9  かしこに獅をらず あらき獸もその路にのぼることなし 然ばそこにて之にあふ事なかるべし ただ贖はれたる者のみそこを歩まん
Isai JapBungo 35:10  ヱホバに贖ひすくはれし者うたうたひつつ歸てシオンにきたり その首にとこしへの歡喜をいただき樂とよろこびとをえん 而して悲哀となげきとは逃さるべし
Chapter 36
Isai JapBungo 36:1  ヒゼキヤ王の十四年にアツスリヤの王セナケリブ上りきたりてユダのもろもろの堅固なる邑をせめとれり
Isai JapBungo 36:2  アツスリヤ王ラキシよりラブシヤケをヱルサレムに遣はし大軍をひきゐてヒゼキヤ王のもとに往しむ ラブシヤケ漂工の野のおほぢの傍なる上の池の樋にそひてたてり
Isai JapBungo 36:3  この時ヒゼキヤの子なる家司エリアキム 書記セブナ、アサフの子なる史官ヨア出てこれを迎ふ
Isai JapBungo 36:4  ラブシヤケかれらにいひけるは なんぢら今ヒゼキヤにいへ大王アツスリヤの王かくいへり なんぢの恃とするその恃むところは何なるか
Isai JapBungo 36:5  我いふ なんぢが説ところの軍のはかりごととその能力とはただ口唇のことばのみ 今なんぢ誰によりたのみて我にさかふことをなすや
Isai JapBungo 36:6  視よなんぢエジプトに依賴めり これ傷める葦の杖によりたのめるがごとし もし人これに倚もたれなばその手をつきさされん エジプト王パロがすべて己によりたのむものに對するは斯のごとし
Isai JapBungo 36:7  汝われらはわれらの神ヱホバに依賴めりと我にいはんかそは曩にヒゼキヤが高きところと祭壇とをみな取去てユダとヱルサレムとにむかひ汝等ここなる一つの祭壇のまへにて拜すべしといへる夫ならずや
Isai JapBungo 36:8  いま請わが君アツスリヤ王に賭をせよ われ汝に二千の馬を與ふべければ汝よりこれに乗ものをいだせ 果して出しうべしや
Isai JapBungo 36:9  然ばいかで我君のいとちひさき僕の長一人をだに退くることを得んや なんぞエジプトによりたのみて戰車と騎兵とをえんとするや
Isai JapBungo 36:10  いま我のぼりきたりてこの國をせめほろぼすはヱホバの旨にあらざるべけんや ヱホバわれにいひたまはく のぼりゆきてこの國をせめぼろぼせと
Isai JapBungo 36:11  爰にエリアキムとセブナとヨアと共にラブシヤケにいひけるは請スリアの方言にて僕輩にかたれ我儕これをさとりうるなり石垣のうへなる民のきくところにてはユダヤの方言をもてわれらに語るなかれ
Isai JapBungo 36:12  ラブシヤケいひけるは わが君はこれらのことをなんぢの君となんぢとにのみ語らんために我をつかはししならんや なんぢらと共におのが糞をくらひおのが溺をのまんとする石垣のうへに坐する人々にも我をつかはししならずや
Isai JapBungo 36:13  斯てラブシヤケたちてユダヤの方言もて大聲によばはりいひけるは なんぢら大王アツスリヤ王のことばをきくべし
Isai JapBungo 36:14  王かくのたまへり なんぢらヒゼキヤに惑はさるるなかれ 彼なんぢらを救ふことあたはず
Isai JapBungo 36:15  ヒゼキヤがなんぢらをヱホバに賴しめんとする言にしたがふなかれ 彼いへらく ヱホバかならず我儕をすくひこの邑はアツスリヤ王の手にわたさるることなしと
Isai JapBungo 36:16  ヒゼキヤに聽從ふなかれ アツスリヤ王かくのたまへり なんぢらわれと親和をなし出できたりて我にくだれ おのおのその葡萄とその無花果とをくらひ かのおのその井の水をのむことを得べし
Isai JapBungo 36:17  遂には我きたりて汝等をほかの國にたづさへゆかん その國はなんぢの國のごとき國にして 穀物 ぶだう酒 パンおよび葡萄園あり
Isai JapBungo 36:18  おそらくはをヒゼキヤなんぢらに説てヱホバわれらを救ふべしといはん 然どももろもろの國の神等のなかにその國をアツスリヤ王の手より救へる者ありしや
Isai JapBungo 36:19  ハマテ、アルバデの神等いづこにありや セバルワイムの神等いづこにありや 又わが手よりサマリヤを救出しし神ありや
Isai JapBungo 36:20  これらの國のもろもろの神のなかに誰かその國をわが手よりすくひいだしし者ありや さればヱホバも何でわが手よりヱルサレムを救ひいだし得んと
Isai JapBungo 36:21  如此ありければ民は默して一言をもこたへざりき そは之にこたふるなかれとの王のおほせありつればなり
Isai JapBungo 36:22  そのときヒルキヤの子なる家司エリアキム書記セブナおよびアサフの子なる史官ヨアころもを裂てヒゼキヤにゆき之にラブシヤケの言をつげたり
Chapter 37
Isai JapBungo 37:1  ヒゼキヤ王これをききてその衣をさき麁衣をまとひてヱホバの家にゆき
Isai JapBungo 37:2  家司エリアキム書記セブナおよび祭司のなかの長老等をして皆あらたへをまとはせてアモツの子預言者イザヤのもとにゆかしむ
Isai JapBungo 37:3  かれらイザヤにいひけるは ヒゼキヤ如此いへり けふは患難と責と辱かしめの日なり そは子うまれんとして之をうみいだすの力なし
Isai JapBungo 37:4  なんぢの神ヱホバあるひはラブシヤケがもろもろの言をききたまはん 彼はその君アツスリヤ王につかはされて活る神をそしれり なんぢの神ヱホバその言をききて或はせめたまふならん されば請なんぢこの遺れるもののために祈禱をささげよと
Isai JapBungo 37:5  かくてヒゼキヤ王の諸僕イザヤにいたる
Isai JapBungo 37:6  イザヤかれらに言けるは なんぢらの君につげよ ヱホバ斯いひたまへり曰く アツスリヤ王のしもべら我をののしりけがせり なんぢらその聞しことばによりて懼るるなかれ
Isai JapBungo 37:7  視よわれかれが意をうごかすべければ 一つの風聲をききておのが國にかへらん かれをその國にて劍にたふれしむべし
Isai JapBungo 37:8  爰にラブシヤケはアツスリヤ王がラキシを離れさりしとききて歸りけるとき際しも王はリブナを攻をれり
Isai JapBungo 37:9  このときエテオピアの王テルハカの事についてきけり云く かれいでて汝とたたかふべしと このことをききて使者をヒゼキヤに遣していふ
Isai JapBungo 37:10  なんぢらユダの王ヒゼキヤにつげて如此いへ なんぢが賴める神なんぢを欺きてヱルサレムはアツスリヤ王の手にわたされじといふを聽ことなかれ
Isai JapBungo 37:11  視よアツスリヤの王等もろもろの國にいかなることをおこなひ如何してこれを悉くほろぼししかを汝ききしならん されば汝すくはるることを得んや
Isai JapBungo 37:12  わが先祖たちの滅ぼししゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルなるエデンの族など此等のくにぐにの神はその國をすくひたりしや
Isai JapBungo 37:13  ハマテの王アルバデの王セバルワイムの都の王ヘナの王およびイワの王はいづこにありやと
Isai JapBungo 37:14  ヒゼキヤつかひの手より書をうけて之を讀り しかしてヒゼキヤ、ヱホバの宮にのぼりゆきヱホバの前にこのふみを展ぶ
Isai JapBungo 37:16  ケルビムの上に坐したまふ萬軍のヱホバ、イスラエルの神よ ただ汝のみ地のうへなるよろづの國の神なり なんぢは天地をつくりたまへり
Isai JapBungo 37:17  ヱホバよ耳をかたむけて聽たまへ ヱホバよ目をひらきて視たまへ セナケリブ使者して活る神をそしらしめし言をことごとくききたまへ
Isai JapBungo 37:18  ヱホバよ實にアツスリヤの王等はもろもろの國民とその地とをあらし毀ち
Isai JapBungo 37:19  かれらの神たちを火になげいれたり これらのものは神にあらず 人の手の工にして あるひは木あるひは石なり 斯るがゆゑに滅ぼされたり
Isai JapBungo 37:20  さればわれらの神ヱホバよ 今われらをアツスリヤ王の手より救ひいだして 地のもろもろの國にただ汝のみヱホバなることを知しめたまへ
Isai JapBungo 37:21  ここにアモツの子イザヤ人をつかはしてヒゼキヤにいはせけるは イスラエルの神ヱホバかくいひたまふ 汝はアツスリヤ王セナケリブのことにつきて我にいのれり
Isai JapBungo 37:22  ヱホバが彼のことにつきて語り給へるみことばは是なり いはくシオンの處女はなんぢを侮りなんぢをあざけり ヱルサレムの女子はなんぢの背後より頭をふれり
Isai JapBungo 37:23  汝がそしりかつ罵れるものは誰ぞ なんぢが聲をあげ目をたかく向てさからひたるものはたれぞ イスラエルの聖者ならずや
Isai JapBungo 37:24  なんぢその使者によりて主をそしりていふ 我はおほくの戰車をひきゐて山々のいただきに登りレバノンの奧にまでいりぬ 我はたけたかき香柏とうるはしき松樹とをきり またその境なるたかき處にゆき腴たる地の林にゆかん
Isai JapBungo 37:25  我は井をほりて水をのみたり われは足跖をもてエジプトの河々をからさんと
Isai JapBungo 37:26  なんぢ聞ずや これらのことはわが昔よりなす所 いにしへの日よりさだめし所なり 今なんぢがこの堅城をこぼちあらして石堆となすも亦わがきたらしし所なり
Isai JapBungo 37:27  そのなかの民はちから弱くをののきて恥をいだき 野草のごとく靑き菜のごとく屋蓋の草のごとく未だそだたざる苗のごとし
Isai JapBungo 37:28  我なんぢが居ること出入すること又われにむかひて怒りさけべることをしる
Isai JapBungo 37:29  なんぢが我にむかひて怒りさけべると汝がほこれる言とわが耳にいりたれば我なんぢの鼻に環をはめ汝のくちびるに鑣をつけて汝がきたれる路よりかへらしめん
Isai JapBungo 37:30  ヒゼキヤよ我がなんぢにたまふ徴はこれなり なんぢら今年は落穂より生たるものを食ひ 明年は糵生より出たるものを食はん 三年にあたりては種ことをなし收ことをなし 葡萄ぞのを作りてその果を食ふべし
Isai JapBungo 37:31  ユダの家ののがれて遺れる者はふたたび下は根をはり上は果を結ぶべし
Isai JapBungo 37:32  そは遺るものはヱルサレムよりいで脱るるものはシオンの山よりいづるなり 萬軍のヱホバの熱心これを成たまふべし
Isai JapBungo 37:33  この故にヱホバ、アツスリヤの王については如此いひたまふ 彼はこの城にいらず ここに箭をはなたず盾を城のまへにならべず 壘をきづきて攻ることなし
Isai JapBungo 37:34  かれはそのきたりし道よりかへりてこの城にいらず
Isai JapBungo 37:35  我おのれの故によりて僕ダビデの故によりて この城をまもり この城をすくはん これヱホバ宣給るなり
Isai JapBungo 37:36  ヱホバの使者いできたりアツスリヤの陣營のなかにて十八萬五千人をうちころせり早晨におきいでて見ればみな死てかばねとなれり
Isai JapBungo 37:37  アツスリヤ王セナケリブ起てかへりゆきニネベにとどまる
Isai JapBungo 37:38  一日おのが神ニスロクのみやにて禮拜をなし居しにその子アデランメレクとシヤレゼルと劍をもて彼をころし而してアララテの地ににげゆけり かれが子エサルハドンつぎて王となりぬ
Chapter 38
Isai JapBungo 38:1  そのころヒゼキヤやみて死んとせしにアモツの子預言者イザヤきたりて彼にいふ ヱホバ如此いひたまはく なんぢ家に遺言をとどめよ 汝しにて活ることあたはざればなり
Isai JapBungo 38:2  爰にヒゼキヤ面を壁にむけてヱホバに祈りいひけるは
Isai JapBungo 38:3  ああヱホバよ 願くはわがなんぢの前に眞實をもて一心をもてあゆみ なんぢの目によきことを行ひたるをおもひいでたまへ 斯てヒゼキヤ甚くなきぬ
Isai JapBungo 38:5  なんぢ往てヒゼキヤにいへ なんぢの祖ダビデの神ヱホバかくいひ給はく 我なんぢの禱告をききなんぢの涙をみたり 我なんぢの齢を十五年ましくはへ
Isai JapBungo 38:6  且なんぢとこの城とを救ひてアツスリヤわうの手をのがれしめん又われこの城をまもるべし
Isai JapBungo 38:7  ヱホバ語りたまひたる此事を成たまふ證にこの徴をなんぢに賜ふ
Isai JapBungo 38:8  視よわれアハズの日晷にすすみたる日影を十度しりぞかしめんといひければ乃ちひばかりにすすみたる日影十度しりぞきぬ
Isai JapBungo 38:9  ユダの王ヒゼキヤ病にかかりてその病のいえしのち記しし書は左のごとし
Isai JapBungo 38:10  我いへり わが齢ひの全盛のとき陰府の門にいりわが餘年をうしなはんと
Isai JapBungo 38:11  我いへり われ再びヱホバを見奉ることあらじ再びいけるものの地にてヱホバを見奉ることあらじ われは無ものの中にいりてふたたび人を見ることあらじ
Isai JapBungo 38:12  わが住所はうつされて牧人の幕屋をとりさるごとくに我をはなる わがいのちは織工の布をまきをはりて機より翦はなすごとくならん なんぢ朝夕のあひだに我をたえしめたまはん
Isai JapBungo 38:13  われは天明におよぶまで己をおさへてしづめたり 主は獅のごとくに我もろもろの骨を碎きたまふ なんぢ朝夕の間にわれを絶しめたまはん
Isai JapBungo 38:14  われは燕のごとく鶴のごとくに哀みなき鳩のごとくにうめき わが眼はうへを視ておとろふ ヱホバよわれは迫りくるしめらる 願くはわが中保となりたまへ
Isai JapBungo 38:15  主はわれとものいひ且そのごとくみづから成たまへり われ何をいふべきか わが世にある間わが靈魂の苦しめる故によりて愼みてゆかん
Isai JapBungo 38:16  主よこれらの事によりて人は活るなり わが靈魂のいのちも全くこれらの事によるなり 願くはわれを醫しわれを活したまへ
Isai JapBungo 38:17  視よわれに甚しき艱苦をあたへたまへるは我に平安をえしめんがためなり 汝わがたましひを愛して滅亡の穴をまぬかれしめ給へり そはわが罪をことごとく背後にすてたまへり
Isai JapBungo 38:18  陰府はなんぢに感謝せず 死はなんぢを讃美せず 墓にくだる者はなんぢの誠實をのぞまず
Isai JapBungo 38:19  唯いけるもののみ活るものこそ汝にかんしやするなれ わが今日かんしやするが如し 父はなんぢの誠實をその子にしらしめん
Isai JapBungo 38:20  ヱホバ我を救ひたまはん われら世にあらんかぎりヱホバのいへにて琴をひきわが歌をうたはん
Isai JapBungo 38:21  イザヤいへらく無花果の一團をとりきたりて腫物のうへにつけよ 王かならずいえん
Isai JapBungo 38:22  ヒゼキヤも亦いへらく わがヱホバの家にのぼることにつきては何の兆あらんか
Chapter 39
Isai JapBungo 39:1  そのころバラダンの子バビロン王メロダクバラダン、ヒゼキヤが病をうれへて愈しことをききければ書と禮物とをおくれり
Isai JapBungo 39:2  ヒゼキヤその使者のきたるによりて喜びこれに財物 金銀 香料 たふとき油ををさめたる家およびすべての軍器ををさめたる家また庫のなかなる物をことごとく見す おほよそヒゼキヤのいへの裏にあるものと全國のうちにあるものと 見せざるものは一もあらざりき
Isai JapBungo 39:3  ここに預言者イザヤ、ヒゼキヤ王のもとに來りていひけるは この人々はなにをいひしや何處よりなんぢのもとに來りしや ヒゼキヤ曰けるは かれらはとほき國よりバビロンより我にきたれり
Isai JapBungo 39:4  イザヤいふ 彼等はなんぢの家にてなにを見たりしや ヒゼキヤ答ふ かれらはわが家にあるものを皆みたり又わが庫のなかにあるものは一つをもかれらに見せざるものなかりき
Isai JapBungo 39:5  イザヤ、ヒゼキヤにいふ なんぢ萬軍のヱホバの言をきけ
Isai JapBungo 39:6  みよ日きたらん なんぢの家のものなんぢの列祖がけふまで蓄へたるものは皆バビロンにたづさへゆかれて遺るもの一もなかるべし 是はヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 39:7  なんぢの身より生れいでん者もとらはれ寺人とせられてバビロン王の宮のうちにあらん
Isai JapBungo 39:8  ヒゼキヤ、イザヤにいひけるは 汝がかたるヱホバのみことばは善し また云 わが世にあるほどは太平と眞理とあるべしと
Chapter 40
Isai JapBungo 40:1  なんぢらの神いひたまはく なぐさめよ汝等わが民をなぐさめよ
Isai JapBungo 40:2  懇ろにヱルサレムに語り之によばはり告よ その服役の期すでに終り その咎すでに赦されたり そのもろもろの罪によりてヱホバの手よりうけしところは倍したりと
Isai JapBungo 40:3  よばはるものの聲きこゆ云く なんぢら野にてヱホバの途をそなへ沙漠にわれらの神の大路をなほくせよと
Isai JapBungo 40:4  もろもろの谷はたかくもろもろの山と岡とはひくくせられ 曲りたるはなほく崎嶇はたひらかにせらるべし
Isai JapBungo 40:5  斯てヱホバの榮光あらはれ人みな共にこれを見ん こはヱホバの口より語りたまへるなり
Isai JapBungo 40:6  聲きこゆ云く よばはれ答へていふ何とよばはるべきか いはく人はみな草なり その榮華はすべて野の花のごとし
Isai JapBungo 40:7  草はかれ花はしぼむ ヱホバの息そのうへに吹ければなり 實に民はくさなり
Isai JapBungo 40:8  草はかれ花はしぼむ 然どわれらの神のことばは永遠にたたん
Isai JapBungo 40:9  よき音信をシオンにつたふる者よ なんぢ高山にのぼれ 嘉おとづれをヱルサレムにつたふる者よ なんぢ強く聲をあげよ こゑを揚ておそるるなかれ ユダのもろもろの邑につけよ なんぢらの神きたり給へりと
Isai JapBungo 40:10  みよ主ヱホバ能力をもちて來りたまはん その臂は統治めたまはん 賞賜はその手にあり はたらきの値はその前にあり
Isai JapBungo 40:11  主は牧者のごとくその群をやしなひ その臂にて小羊をいだき之をその懷中にいれてたづさへ乳をふくまする者をやはらかに導きたまはん
Isai JapBungo 40:12  たれか掌心をもてもろもろの水をはかり指をのばして天をはかり また地の塵を量器にもり天秤をもてもろもろの山をはかり權衡をもてもろもろの岡をはかりしや
Isai JapBungo 40:13  誰かヱホバの靈をみちびきその議士となりて敎しや
Isai JapBungo 40:14  ヱホバは誰とともに議りたまひしや たれかヱホバを聰くしこれに公平の道をまなばせ知識をあたへ明通のみちを示したりしや
Isai JapBungo 40:15  視よもろもろの國民は桶のひとしづくのごとく 權衡のちりのごとくに思ひたまふ島々はたちのぼる塵埃のごとし
Isai JapBungo 40:16  レバノンは柴にたらずそのなかの獸は燔祭にたらず
Isai JapBungo 40:17  ヱホバの前にはもろもろの國民みななきにひとし ヱホバはかれらを無もののごとく空きもののごとく思ひたまふ
Isai JapBungo 40:18  然ばなんぢら誰をもて神にくらべ いかなる肖像をもて神にたぐふか
Isai JapBungo 40:19  偶像はたくみ鑄てつくり 金工こがねをもて之をおほひ白銀をもて之がために鏈をつくれり
Isai JapBungo 40:20  かかる寳物をそなへえざる貧しきものは朽まじき木をえらみ良匠をもとめてうごくことなき像をたたしむ
Isai JapBungo 40:21  なんぢら知ざるか なんぢら聞ざるか 始よりなんぢらに傳へざりしか なんぢらは地の基をおきしときより悟らざりしか
Isai JapBungo 40:22  ヱホバは地のはるか上にすわり地にすむものを蝗のごとく視たまふ おほぞらを薄絹のごとく布き これを住ふべき幕屋のごとくはり給ふ
Isai JapBungo 40:23  又もろもろの君をなくならしめ地の審士をむなしくせしむ
Isai JapBungo 40:24  かれらは僅かに植られ僅かに播れ その幹わづかに地に根ざししに 神そのうへを吹たまへば即ちかれて藁のごとく暴風にまきさらるべし
Isai JapBungo 40:25  聖者いひ給はく さらばなんぢら誰をもて我にくらべ我にたぐふか
Isai JapBungo 40:26  なんぢら眼をあげて高をみよ たれか此等のものを創造せしやをおもへ 主は數をしらべてその萬象をひきいだしおのおのの名をよびたまふ 主のいきほひ大なり その力のつよきがゆゑに一も缺ることなし
Isai JapBungo 40:27  ヤコブよなんぢ何故にわが途はヱホバにかくれたりといふや イスラエルよ汝なにゆゑにわが訟はわが神の前をすぎされりとかたるや
Isai JapBungo 40:28  汝しらざるか聞ざるかヱホバはとこしへの神地のはての創造者にして倦たまふことなく また疲れたまふことなく その聰明こと測りがたし
Isai JapBungo 40:29  疲れたるものには力をあたへ勢力なきものには強きをまし加へたまふ
Isai JapBungo 40:30  年少きものもつかれてうみ壯んなるものも衰へおとろふ
Isai JapBungo 40:31  然はあれどヱホバを俟望むものは新なる力をえん また鷲のごとく翼をはりてのぼらん 走れどもつかれず歩めども倦ざるべし
Chapter 41
Isai JapBungo 41:1  もろもろの島よわがまへに默せ もろもろの民よあらたなる力をえて近づききたれ 而して語れ われら寄集ひて諭らはん
Isai JapBungo 41:2  たれか東より人をおこししや われは公義をもて之をわが足下に召し その前にもろもろの國を服せしめ また之にもろもろの王ををさめしめ かれらの劍をちりのごとくかれらの弓をふきさらるる藁のごとくならしむ
Isai JapBungo 41:3  斯て彼はこれらのものを追 その足いまだ行ざる道をやすらかに過ゆけり
Isai JapBungo 41:4  このことは誰がおこなひしや たが成しや たが太初より世々の人をよびいだししや われヱホバなり 我ははじめなり終なり
Isai JapBungo 41:5  もろもろの島はこれを見ておそれ地の極はをののきて寄集ひきたれり
Isai JapBungo 41:6  かれら互にその隣をたすけ その兄弟にいひけるは なんぢ雄々しかれ
Isai JapBungo 41:7  木匠は鐵工をはげまし鎚をもて平らぐるものは鐵碪をうつものを勵ましていふ 接合せいとよしと また釘をもて堅うして搖くことなからしむ
Isai JapBungo 41:8  然どわが僕イスラエルよ わが選めるヤコブわが友アブラハムの裔よ
Isai JapBungo 41:9  われ地のはてより汝をたづさへきたり地のはしよりなんぢを召 かくて汝にいへり 汝はわが僕われ汝をえらみて棄ざりきと
Isai JapBungo 41:10  おそるるなかれ 我なんぢとともにあり 驚くなかれ我なんぢの神なり われなんぢを強くせん 誠になんぢを助けん 誠にわがただしき右手なんぢを支へん
Isai JapBungo 41:11  視よなんぢにむかひて怒るものはみな恥をえて惶てふためかん なんぢと爭ふものは無もののごとくなりて滅亡せん
Isai JapBungo 41:12  なんぢ尋ぬるとも汝とたたかふ人々にあはざるべし 汝といくさする者はなきものの如くなりて虚しくなるべし
Isai JapBungo 41:13  そは我ヱホバなんぢの神はなんぢの右手をとりて汝にいふ 懼るるなかれ我なんぢを助けんと
Isai JapBungo 41:14  またヱホバ宣給ふ なんぢ虫にひとしきヤコブよイスラエルの人よ おそるるなかれ我なんぢをたすけん汝をあがなふものはイスラエルの聖者なり
Isai JapBungo 41:15  視よわれ汝をおほくの鋭歯ある新しき打麥の器となさん なんぢ山をうちて細微にし岡を粃糠のごとくにすべし
Isai JapBungo 41:16  なんぢ簸げば風これを巻さり 狂風これを吹ちらさん 汝はヱホバによりて喜びイスラエルの聖者によりて誇らん
Isai JapBungo 41:17  貧しきものと乏しきものと水を求めて水なくその舌かわきて衰ふるとき われヱホバ聽てこたへん 我イスラエルの神かれらを棄ざるなり
Isai JapBungo 41:18  われ河をかぶろの山にひらき泉を谷のなかにいだし また荒野を池となし乾ける地を水の源と變ん
Isai JapBungo 41:19  我あれのに香柏 合歎樹 もちの樹 および油の樹をうゑ沙漠に松 杉 及び黄楊をともに置ん
Isai JapBungo 41:20  かくて彼等これを見てヱホバの手の作たまふところイスラエルの聖者の造り給ふ所なるをしり且こころをとめ且ともどもにさとらん
Isai JapBungo 41:21  ヱホバ言給く なんぢらの道理をとり出せ ヤコブの王いひたまはく 汝等のかたき證をもちきたれ
Isai JapBungo 41:22  これを持來りてわれらに後ならんとする事をしめせ そのいやさきに成るべきことを示せ われら心をとめてその終をしらん 或はきたらんとする事をわれらに聞すべし
Isai JapBungo 41:23  なんぢら後ならんとすることをしめせ我儕なんぢらが神なることを知らん なんぢら或はさいはひし或はわざはひせよ 我儕ともに見ておどろかん
Isai JapBungo 41:24  視よなんぢらは無もののごとし なんぢらの事はむなし なんぢらを撰ぶものは憎むべきものなり
Isai JapBungo 41:25  われ一人を起して北よりきたらせ我が名をよぶものを東よりきたらしむ 彼きたりもろもろの長をふみて泥のごとくにし陶工のつちくれを踐がごとくにせん
Isai JapBungo 41:26  たれか初よりこれらの事をわれらに告てしらしめたりや たれか上古よりわれらに告てこは是なりといはしめたりや 一人だに告るものなし一人だに聞するものなし 一人だになんぢらの言をきくものなし
Isai JapBungo 41:27  われ豫じめシオンにいはん なんぢ視よ かれらを見よと われ又よきおとづれを告るものをヱルサレムに予へん
Isai JapBungo 41:28  われ見るに一人だになし かれらのなかに謀略をまうくるもの一人だになし 我かれらに問どこたふるもの一人だになし
Isai JapBungo 41:29  かれらの爲はみな徒然にして無もののごとし その偶像は風なりまた空しきなり
Chapter 42
Isai JapBungo 42:1  わが扶くるわが僕わが心よろこぶわが撰人をみよ 我わが靈をかれにあたへたり かれ異邦人に道をしめすべし
Isai JapBungo 42:2  かれは叫ぶことなく聲をあぐることなくその聲を街頭にきこえしめず
Isai JapBungo 42:3  また傷める蘆ををることなくほのくらき燈火をけすことなく 眞理をもて道をしめさん
Isai JapBungo 42:4  かれは衰へず喪膽せずして道を地にたてをはらん もろもろの島はその法言をまちのぞむべし
Isai JapBungo 42:5  天をつくりてこれをのべ 地とそのうへの產物とをひらき そのうへの民に息をあたへ その中をあゆむものに靈をあたへたまふ神ヱホバかく言給ふ
Isai JapBungo 42:6  云くわれヱホバ公義をもてなんぢを召たり われなんぢの手をとり汝をまもり なんぢを民の契約とし異邦人のひかりとなし
Isai JapBungo 42:7  而して瞽の目を開き俘囚を獄よりいだし 暗にすめるものを檻のうちより出さしめん
Isai JapBungo 42:8  われはヱホバなり是わが名なり 我はわが榮光をほかの者にあたへず わがほまれを偶像にあたへざるなり
Isai JapBungo 42:9  さきに預言せるところはや成れり 我また新しきことをつげん 事いまだ兆さざるさきに我まづなんぢらに聞せんと
Isai JapBungo 42:10  海にうかぶもの 海のなかに充るもの もろもろの島およびその民よ ヱホバにむかひて新しき歌をうたひ 地の極よりその頌美をたたへまつれ
Isai JapBungo 42:11  荒野とその中のもろもろの邑とケダル人のすめるもろもろの村里はこゑをあげよ セラの民はうたひて山のいただきよりよばはれ
Isai JapBungo 42:12  榮光をヱホバにかうぶらせ その頌美をもろもろの島にて語りつげよ
Isai JapBungo 42:13  ヱホバ勇士のごとく出たまふ また戰士のごとく熱心をおこし 聲をあげてよばはり大能をあらはして仇をせめ給はん
Isai JapBungo 42:14  われ久しく聲をいださず默して己をおさへたり 今われ子をうまんとする婦人のごとく叫ばん 我いきづかしくかつ喘がん
Isai JapBungo 42:15  われ山と岡とをあらし且すべてその上の木草をからし もろもろの河を島としもろもろの池を涸さん
Isai JapBungo 42:16  われ瞽者をその未だしらざる大路にゆかしめ その未だしらざる徑をふましめ 暗をその前に光となし 曲れるをその前になほくすべし 我これらの事をおこなひて彼らをすてじ
Isai JapBungo 42:17  刻みたる偶像にたのみ鑄たる偶像にむかひて汝等はわれらの神なりといふものは退けられて大に恥をうけん
Isai JapBungo 42:18  聾者よきけ 瞽者よ眼をそそぎてみよ
Isai JapBungo 42:19  瞽者はたれぞ わが僕にあらずや 誰かわがつかはせる使者の如き瞽者あらんや 誰かわが友の如きめしひあらんや 誰かヱホバの僕のごときめしひあらんや
Isai JapBungo 42:20  汝おほくのことを見れども顧みず 耳をひらけども聞ざるなり
Isai JapBungo 42:21  ヱホバおのれ義なるがゆゑに大にしてたふとき律法をたまふをよろこび給へり
Isai JapBungo 42:22  然るにこの民はかすめられ奪はれて みな穴中にとらはれ獄のなかに閉こめらる 斯てその掠めらるるを助くる者なく その奪はれたるを償へといふ者なし
Isai JapBungo 42:23  なんぢらのうち誰かこのことに耳をかたぶけん たれか心をもちゐて後のために之をきかん
Isai JapBungo 42:24  ヤコブを奪はせしものは誰ぞ かすむる者にイスラエルをわたしし者はたれぞ 是ヱホバにあらずや われらヱホバに罪ををかし その道をあゆまず その律法にしたがふことを好まざりき
Isai JapBungo 42:25  この故にヱホバ烈しき怒をかたぶけ 猛きいくさをきたらせ その烈しきこと火の如く四圍にもゆれども彼しらず その身に焚せまれども心におかざりき
Chapter 43
Isai JapBungo 43:1  ヤコブよなんぢを創造せるヱホバいま如此いひ給ふ イスラエルよ汝をつくれるもの今かく言給ふ おそるるなかれ我なんぢを贖へり 我なんぢの名をよべり汝はわが有なり
Isai JapBungo 43:2  なんぢ水中をすぐるときは我ともにあらん河のなかを過るときは水なんぢの上にあふれじ なんぢ火中をゆくとき焚るることなく火焰もまた燃つかじ
Isai JapBungo 43:3  我はヱホバなんぢの神イスラエルの聖者 なんぢの救主なり われエジプトを予えてなんぢの贖代となし エテオピアとセバとをなんぢに代ふ
Isai JapBungo 43:4  われ看てなんぢを寶とし尊きものとして亦なんぢを愛す この故にわれ人をもてなんぢにかへ 民をなんぢの命にかへん
Isai JapBungo 43:5  懼るるなかれ我なんぢとともにあり 我なんぢの裔を東よりきたらせ西より汝をあつむべし
Isai JapBungo 43:6  われ北にむかひて釋せといひ南にむかひて留るなかれといはん わが子輩を遠きよりきたらせ わが女らを地の極よりきたらせよ
Isai JapBungo 43:7  すべてわが名をもて稱へらるる者をきたらせよ 我かれらをわが榮光のために創造せり われ曩にこれを造りかつ成をはれり
Isai JapBungo 43:8  目あれども瞽者のごとく耳あれど聾者のごとき民をたづさへ出よ
Isai JapBungo 43:9  國々はみな相集ひもろもろの民はあつまるべし 彼等のうち誰かいやさきに成るべきことをつげ之をわれらに聞することを得んや その證人をいだして己の是なるをあらはすべし 彼等ききて此はまことなりといはん
Isai JapBungo 43:10  ヱホバ宣給くなんぢらはわが證人わがえらみし僕なり 然ばなんぢら知てわれを信じわが主なるをさとりうべし 我よりまへにつくられし神なく我よりのちにもあることなからん
Isai JapBungo 43:11  ただ我のみ我はヱホバなり われの外にすくふ者あることなし
Isai JapBungo 43:12  われ前につげまた救をほどこし また此事をきかせたり 汝等のうちには他神なかりき なんぢらはわが證人なり 我は神なり これヱホバ宣給るなり
Isai JapBungo 43:13  今よりわれは主なりわが手より救ひいだし得るものなし われ行はば誰かとどむることを得んや
Isai JapBungo 43:14  なんぢらを贖ふものイスラエルの聖者ヱホバかく言たまふ なんぢらの爲にわれ人をバビロンにつかはし彼處にあるカルデヤ人をことごとく下らせ その宴樂の船にのりてのがれしむ
Isai JapBungo 43:15  われはヱホバなんぢらの聖者イスラエルを創造せしもの又なんぢらの王なり
Isai JapBungo 43:16  ヱホバは海のなかに大路をまうけ大なる水のなかに徑をつくり
Isai JapBungo 43:17  戰車および馬 軍兵 武士をいできたらせ ことごとく仆れて起ることあたはず 皆ほろびて燈火のきえうするが如くならしめ給へり
Isai JapBungo 43:18  ヱホバ言給く なんぢら往昔のことを思ひいづるなかれ また上古のことをかんがふるなかれ
Isai JapBungo 43:19  視よわれ新しき事をなさん頓ておこるべし なんぢら知ざるべけんや われ荒野に道をまうけ沙漠に河をつくらん
Isai JapBungo 43:20  野の獸われを崇むべし 野犬および駝鳥もまた然り われ水を荒野にいだし河を沙漠にまうけてわが民わがえらびたる者にのましむべければなり
Isai JapBungo 43:21  この民はわが頌美をのべしめんとて我おのれのために造れるなり
Isai JapBungo 43:22  然るにヤコブよ汝われを呼たのまざりき イスラエルよ汝われを厭ひたり
Isai JapBungo 43:23  なんぢ燔祭のひつじを我にもちきたらず犠牲をもて我をあがめざりき われ汝にそなへものの荷をおはせざりき また乳香をもて汝をわづらはせざりき
Isai JapBungo 43:24  なんぢは銀貨をもて我がために菖蒲をかはず 犠牲のあぶらをもて我をあかしめず 反てなんぢの罪の荷をわれに負せ なんぢの邪曲にて我をわづらはせたり
Isai JapBungo 43:25  われこそ我みづからの故によりてなんぢの咎をけし汝のつみを心にとめざるなれ
Isai JapBungo 43:26  なんぢその是なるをあらはさんがために己が事をのべて我に記念せしめよ われら相共にあげつらふべし
Isai JapBungo 43:27  なんぢの遠祖つみををかし汝のをしへの師われにそむけり
Isai JapBungo 43:28  この故にわれ聖所の長たちを汚さしめヤコブを詛はしめイスラエルをののしらしめん
Chapter 44
Isai JapBungo 44:1  されどわが僕ヤコブよわが撰みたるイスラエルよ今きけ
Isai JapBungo 44:2  なんぢを創造し なんぢを胎内につくり又なんぢを助くるヱホバ如此いひたまふ わがしもベヤコブよわが撰みたるヱシュルンよおそるるなかれ
Isai JapBungo 44:3  われ渇けるものに水をそそぎ乾たる地に流をそそぎ わが靈をなんぢの子輩にそそぎ わが恩惠をなんぢの裔にあたふべければなり
Isai JapBungo 44:4  斯てかれらは草のなかにて川のほとりの柳のごとく生そだつべし
Isai JapBungo 44:5  ある人はいふ我はヱホバのものなりと ある人はヤコブの名をとなへん ある人はヱホバの有なりと手にしるしてイスラエルの名をなのらん
Isai JapBungo 44:6  ヱホバ、イスラエルの王イスラエルをあがなふもの萬軍のヱホバ如此いひたまふ われは始なりわれは終なり われの外に神あることなし
Isai JapBungo 44:7  我いにしへの民をまうけしより以來 たれかわれのごとく後事をしめし又つげ又わが前にいひつらねんや 試みに成んとすること來らんとすることを告よ
Isai JapBungo 44:8  なんぢら懼るるなかれ慴くなかれ 我いにしへより聞せたるにあらずや告しにあらずや なんぢらはわが證人なり われのほか神あらんや 我のほかには磐あらず われその一つだに知ことなし
Isai JapBungo 44:9  偶像をつくる者はみな空しく かれらが慕ふところのものは益なし その證を見るものは見ことなく知ことなし 斯るがゆゑに恥をうくべし
Isai JapBungo 44:10  たれか神をつくり又えきなき偶像を鑄たりしや
Isai JapBungo 44:11  視よその伴侶はみなはぢん その匠工らは人なり かれら皆あつまりて立ときはおそれてもろともに恥るなるべし
Isai JapBungo 44:12  鐵匠は斧をつくるに炭の火をもてこれをやき鎚もてこれを鍛へつよき碗をもてこれをうちかたむ 饑れば力おとろへ水をのまざればつかれはつべし
Isai JapBungo 44:13  木匠はすみなはをひきはり朱にてゑがき鐁にてけづり文回をもて畫き 之を人の形にかたどり人の美しき容にしたがひて造り 而して家のうちに安置す
Isai JapBungo 44:14  あるひは香柏をきりあるひは槲をとり あるひは橿をとり 或ははやしの樹のなかにて一をえらび あるひは杉をうゑ雨をえて長たしむ
Isai JapBungo 44:15  而して人これを薪となし之をもておのが身をあたため又これを燃してパンをやき又これを神につくりてをがみ偶像につくりてその前にひれふす
Isai JapBungo 44:16  その半は火にもやしその半は肉をにて食ひ あるひは肉をあぶりてくひあき また身をあたためていふ ああ我あたたまれり われ熱きをおぼゆ
Isai JapBungo 44:17  斯てその餘をもて神につくり偶像につくりてその前にひれふし之ををがみ之にいのりていふ なんぢは吾神なり我をすくへと
Isai JapBungo 44:18  これらの人は知ことなく悟ることなし その眼ふさがりて見えず その心とぢてあきらかならず
Isai JapBungo 44:19  心のうちに思ふことをせず智識なく明悟なきがゆゑに我そのなかばを火にもやしその炭火のうへにパンをやき肉をあぶりて食ひ その木のあまりをもて我いかで憎むべきものを作るべけんや 我いかで木のはしくれに俯伏すことをせんやといふ者もなし
Isai JapBungo 44:20  かかる人は灰をくらひ 迷へる心にまどはされて己がたましひを救ふあたはず またわが右手にいつはりあるにあらずやとおもはざるなり
Isai JapBungo 44:21  ヤコブよ イスラエルよ 此等のことを心にとめよ 汝はわが僕なり 我なんぢを造れり なんぢわが僕なり イスラエルよ我はなんぢを忘れじ
Isai JapBungo 44:22  我なんぢの愆を雲のごとくに消し なんぢの罪を霧のごとくにちらせり なんぢ我にかへれ我なんぢを贖ひたればなり
Isai JapBungo 44:23  天よ うたうたへヱホバこのことを成たまへり 下なる地よよばはれ もろもろの山よ林およびその中のもろもろの木よ こゑを發ちてうたふべし ヱホバはヤコブを贖へり イスラエルのうちに榮光をあらはし給はん
Isai JapBungo 44:24  なんぢを贖ひなんぢを胎内につくれるヱホバかく言たまふ 我はヱホバなり我よろづのものを創造し ただ我のみ天をのべ みづから地をひらき
Isai JapBungo 44:25  いつはるものの豫兆をむなしくし卜者をくるはせ智者をうしろに退けてその知識をおろかならしむ
Isai JapBungo 44:26  われわが僕のことばを遂しめ わが使者のはかりごとを成しめ ヱルサレムについては民また住はんといひ ユダのもろもろの邑については重ねて建らるべし我その荒廢たるところを舊にかへさんといふ
Isai JapBungo 44:27  また淵に命ず かわけ我なんぢのもろもろの川をほさんと
Isai JapBungo 44:28  又クロスについては彼はわが牧者すべてわが好むところを成しむる者なりといひ ヱルサレムについてはかさねて建られその宮の基すゑられんといふ
Chapter 45
Isai JapBungo 45:1  われヱホバわが受膏者クロスの右手をとりてもろもろの國をそのまへに降らしめ もろもろの王の腰をとき扉をその前にひらかせて門をとづるものなからしめん
Isai JapBungo 45:2  われ汝のまへにゆきて崎嶇をたひらかにし 銅の門をこぼち くろがねの關木をたちきるべし
Isai JapBungo 45:3  われなんぢに暗ところの財貨とひそかなるところに藏せるたからとを予へ なんぢに我はヱホバなんぢの名をよべるイスラエルの神なるを知しめん
Isai JapBungo 45:4  わが僕ヤコブわが撰みたるイスラエルのために我なんぢの名をよべり 汝われを知ずといへどわれ名をなんぢに賜ひたり
Isai JapBungo 45:5  われはヱホバなり 我のほかに神なし 一人もなし 汝われをしらずといへども我なんぢを固うせん
Isai JapBungo 45:6  而して日のいづるところより西のかたまで人々我のほかに神なしと知べし 我はヱホバなり他にひとりもなし
Isai JapBungo 45:7  われは光をつくり又くらきを創造す われは平和をつくりまた禍害をさうざうす 我はヱホバなり 我すべてこれらの事をなすなり
Isai JapBungo 45:8  天ようへより滴らすべし 雲よ義をふらすべし 地はひらけて救を生じ義をもともに萌いだすべし われヱホバ之を創造せり
Isai JapBungo 45:9  世人はすゑものの中のひとつの陶器なるに己をつくれる者とあらそふはわざはひなるかな 泥塊はすゑものつくりにむかひて汝なにを作るかといふべけんや 又なんぢの造りたる者なんぢを手なしといふべけんや
Isai JapBungo 45:10  父にむかひて汝なにゆゑに生むことをせしやといひ 婦にむかひて汝なにゆゑに產のくるしみをなししやといふ者はわざはひなるかな
Isai JapBungo 45:11  ヱホバ、イスラエルの聖者イスラエルを造れるもの如此いひたまふ 後きたらんとすることを我にとへ またわが子女とわが手の工とにつきて汝等われに言せよ
Isai JapBungo 45:12  われ地をつくりてそのうへに人を創造せり われ自らの手をもて天をのべ その萬象をさだめたり
Isai JapBungo 45:13  われ義をもて彼のクロスを起せり われそのすべての道をなほくせん 彼はわが邑をたてわが俘囚を價のためならず報のためならずして釋すべし これ萬軍のヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 45:14  ヱホバ如此いひたまふ エジプトがはたらきて得しものとエテオピアがあきなひて得しものとはなんぢの有とならん また身のたけ高きセバ人きたりくだりて汝にしたがひ繩につながれて降り なんぢのまへに伏しなんぢに祈りていはん まことに神はなんぢの中にいませり このほかに神なし一人もなしと
Isai JapBungo 45:15  救をほどこし給ふイスラエルの神よ まことに汝はかくれています神なり
Isai JapBungo 45:16  偶像をつくる者はみな恥をいだき辱かしめをうけ諸共にはぢあわてて退かん
Isai JapBungo 45:17  されどイスラエルはヱホバにすくはれて永遠の救をえん なんぢらは世々かぎりなく恥をいだかず辱かしめをうけじ
Isai JapBungo 45:18  ヱホバは天を創造したまへる者にしてすなはち神なり また地をもつくり成てこれを堅くし徒然にこれを創造し給はず これを人の住所につくり給へり ヱホバかく宣給ふ われはヱホバなり我のほかに神あることなしと
Isai JapBungo 45:19  われは隱れたるところ地のくらき所にてかたらず 我はヤコブの裔になんぢらが我をたづぬるは徒然なりといはず 我ヱホバはただしき事をかたり直きことを告ぐ
Isai JapBungo 45:20  汝等もろもろの國より脱れきたれる者よ つどひあつまり共にすすみききたれ 木の像をになひ救ふことあたはざる神にいのりするものは無智なるなり
Isai JapBungo 45:21  なんぢらその道理をもちきたりて述よ また共にはかれ 此事をたれか上古より示したりや 誰かむかしより告たりしや 此はわれヱホバならずや 我のほかに神あることなし われは義をおこなひ救をほどこす神にして我のほかに神あることなし
Isai JapBungo 45:22  地の極なるもろもろの人よ なんぢら我をあふぎのぞめ然ばすくはれん われは神にして他に神なければなり
Isai JapBungo 45:23  われは己をさして誓ひたり この言はただしき口よりいでたれば反ることなし すべての膝はわがまへに屈み すべての舌はわれに誓をたてん
Isai JapBungo 45:24  人われに就ていはん正義と力とはヱホバにのみありと 人々ヱホバにきたらん すべてヱホバにむかひて怒るものは恥をいだくべし
Isai JapBungo 45:25  イスラエルの裔はヱホバによりて義とせられ且ほこらん
Chapter 46
Isai JapBungo 46:1  ベルは伏しネボは屈む かれらの像はけものと家畜とのうへにあり なんぢらが擡げあるきしものは荷となりて疲れおとろへたるけものの負ところとなりぬ
Isai JapBungo 46:2  かれらは屈みかれらは共にふし その荷となれる者をすくふこと能はずして己とらはれゆく
Isai JapBungo 46:3  ヤコブの家よイスラエルのいへの遺れるものよ 腹をいでしより我におはれ胎をいでしより我にもたげられしものよ 皆われにきくべし
Isai JapBungo 46:4  なんぢらの年老るまで我はかはらず白髮となるまで我なんぢらを負ん 我つくりたれば擡ぐべし我また負ひかつ救はん
Isai JapBungo 46:5  なんぢら我をたれに比べ たれに配ひ たれに擬らへ かつ相くらぶべきか
Isai JapBungo 46:6  人々ふくろより黄金をかたぶけいだし權衡をもて白銀をはかり金工をやとひてこれを神につくらせ之にひれふして拜む
Isai JapBungo 46:7  彼等はこれをもたげて肩にのせ 負ひゆきてその處に安置す すなはち立てその處をはなれず 人これにむかひて呼はれども答ふること能はず 又これをすくひて苦難のうちより出すことあたはず
Isai JapBungo 46:8  なんぢら此事をおもひいでて堅くたつべし 悖逆者よこのことを心にとめよ
Isai JapBungo 46:9  汝等いにしへより以來のことをおもひいでよ われは神なり我のほかに神なし われは神なり我のごとき者なし
Isai JapBungo 46:10  われは終のことを始よりつげ いまだ成ざることを昔よりつげ わが謀畧はかならず立つといひ すべて我がよろこぶことを成んといへり
Isai JapBungo 46:11  われ東より鷲をまねき遠國よりわが定めおける人をまねかん 我このことを語りたれば必らず來らすべし 我このことを謀りたればかならず成すべし
Isai JapBungo 46:12  なんぢら心かたくなにして義にとほざかるものよ我にきけ
Isai JapBungo 46:13  われわが義をちかづかしむ可ればその來ること遠からず わが救おそからず 我すくひをシオンにあたへ わが榮光をイスラエルにあたへん
Chapter 47
Isai JapBungo 47:1  バビロンの處女よ くだりて塵のなかにすわれ カルデヤ人のむすめよ座にすわらずして地にすわれ 汝ふたたび婀娜にして嬌なりととなへらるることなからん
Isai JapBungo 47:2  礱をとりて粉をひけ 面帕をとりさり袿をぬぎ髓をあらはして河をわたれ
Isai JapBungo 47:3  なんぢの肌はあらはれなんぢの恥はみゆべし われ仇をむくいて人をかへりみず
Isai JapBungo 47:4  われらを贖ひたまふ者はその名を萬軍のヱホバ、イスラエルの聖者といふ
Isai JapBungo 47:5  カルデヤ人のむすめよ なんぢ口をつぐみてすわれ 又くらき所にいりてをれ 汝ふたたびもろもろの國の主母ととなへらるることなからん
Isai JapBungo 47:6  われわが民をいきどほりわが產業をけがして之をなんぢの手にあたへたり 汝これに憐憫をほどこさず年老たるもののうへに甚だおもき軛をおきたり
Isai JapBungo 47:7  汝いへらく我とこしへに主母たらんと 斯てこれらのことを心にとめず亦その終をおもはざりき
Isai JapBungo 47:8  なんぢ歡樂にふけり安らかにをり 心のうちにただ我のみにして我のほかに誰もなく我はやもめとなりてをらず また子をうしなふことを知まじとおもへる者よなんぢ今きけ
Isai JapBungo 47:9  子をうしなひ寡婦となるこの二つのこと一日のうちに俄になんぢに來らん汝おほく魔術をおこなひひろく呪詛をほどこすと雖もみちみちて汝にきたるべし
Isai JapBungo 47:10  汝おのれの惡によりたのみていふ 我をみるものなしと なんぢの智慧となんぢの聰明とはなんぢを惑せたり なんぢ心のうちにおもへらくただ我のみにして我のほかに誰もなしと
Isai JapBungo 47:11  この故にわざはひ汝にきたらん なんぢ呪ひてこれを除くことをしらず 艱難なんぢに落きたらん 汝これをはらふこと能はず なんぢの思ひよらざる荒廢にはかに汝にきたるべし
Isai JapBungo 47:12  今なんぢわかきときより勤めおこなひたる呪詛とおほくの魔術とをもて立むかふべしあるひは益をうることあらん あるひは敵をおそれしむることあらん
Isai JapBungo 47:13  なんぢは謀畧おほきによりて倦つかれたり かの天をうらなふもの星をみるもの新月をうらなふ者もし能はば いざたちて汝をきたらんとする事よりまぬかれしむることをせよ
Isai JapBungo 47:14  彼らは藁のごとくなりて火にやかれん おのれの身をほのほの勢力よりすくひいだすこと能はず その火は身をあたたむべき炭火にあらず又その前にすわるべき火にもあらず
Isai JapBungo 47:15  汝がつとめて行ひたる事は終にかくのごとくならん 汝のわかきときより汝とうりかひしたる者おのおのその所にさすらひゆきて一人だになんぢを救ふものなかるべし
Chapter 48
Isai JapBungo 48:1  ヤコブの家よなんぢら之をきけ 汝らはイスラエルの名をもて稱へられ ユダの根源よりいでヱホバの名によりて誓ひイスラエルの神をかたりつぐれども 眞實をもてせず正義をもてせざるなり
Isai JapBungo 48:2  かれらはみづから聖京のものととなへイスラエルの神によりたのめり その名は萬軍のヱホバといふ
Isai JapBungo 48:3  われ今よりさきに成しことを旣にいにしへより告たり われ口よりいだして旣にのべつたへたり 我にはかにこの事をおこなひ而して成ぬ
Isai JapBungo 48:4  われ汝がかたくなにして項の筋はくろがねその額はあかがねなるを知れり
Isai JapBungo 48:5  このゆゑに我はやくよりかの事をなんぢにつげ その成ざるさきに之をなんぢに聞しめたり 恐くはなんぢ云ん わが偶像これを成せり刻みたるざう鑄たる像これを命じたりと
Isai JapBungo 48:6  なんぢ旣にきけり 凡てこれを視よ 汝ら之をのべつたへざるか われ今より新なる事なんぢが未だしらざりし秘事をなんぢに示さん
Isai JapBungo 48:7  これらの事はいま創造せられしにて上古よりありしにあらず この日よりさきに汝これを聞ざりき 然らずば汝いはん視よわれこれを知れりと
Isai JapBungo 48:8  汝これを聞こともなく知こともなく なんぢの耳はいにしへより開けざりき 我なんぢが欺きあざむきて生れながら悖逆者ととなへられしを知ればなり
Isai JapBungo 48:9  わが名のゆゑによりて我いかりを遲くせん わが頌美のゆゑにより我しのびてなんぢを絶滅すことをせじ
Isai JapBungo 48:10  視よわれなんぢを煉たり されど白銀の如くせずして患難の爐をもてこころみたり
Isai JapBungo 48:11  われ己のため我おのれの爲にこれを成ん われ何でわが名をけがさしむべき 我わが榮光をほかの者にあたることをせじ
Isai JapBungo 48:12  ヤコブよわが召たるイスラエルよ われにきけ われは是なり われは始また終なり
Isai JapBungo 48:13  わが手は地のもとゐを置わが右の手は天をのべたり 我よべば彼等はもろともに立なり
Isai JapBungo 48:14  汝ら皆あつまりてきけ ヱホバの愛するものヱホバの好みたまふ所をバビロンに成し その腎はカルデヤ人のうへにのぞまん 彼等のうち誰かこれらの事をのべつげしや
Isai JapBungo 48:15  ただ我のみ我かたれり 我かれをめし我かれをきたらせたり その道さかゆべし
Isai JapBungo 48:16  なんぢら我にちかよりて之をきけ 我はじめより之をひそかに語りしにあらず その成しときより我はかしこに在り いま主ヱホバわれとその靈とをつかはしたまへり
Isai JapBungo 48:17  なんぢの贖主イスラエルの聖者ヱホバかく言給く われはなんぢの神ヱホバなり 我なんぢに益することを敎へ なんぢを導きてそのゆくべき道にゆかしむ
Isai JapBungo 48:18  願くはなんぢわが命令にききしたがはんことを もし然らばなんぢの平安は河のごとく 汝の義はうみの波のごとく
Isai JapBungo 48:19  なんぢの裔はすなのごとく 汝の體よりいづる者は細沙のごとくになりて その名はわがまへより絶るることなく亡さるることなからん
Isai JapBungo 48:20  なんぢらバビロンより出てカルデヤ人よりのがれよ なんらぢ歡の聲をもてのべきかせ地のはてにいたるまで語りつたへ ヱホバはその僕ヤコブをあがなひ給へりといへ
Isai JapBungo 48:21  ヱホバかれらをして沙漠をゆかしめ給へるとき彼等はかわきたることなかりき ヱホバ彼等のために磐より水をながれしめ また磐をさきたまへば水ほどばしりいでたり
Isai JapBungo 48:22  ヱホバいひたまはく惡きものには平安あることなし
Chapter 49
Isai JapBungo 49:1  もろもろの島よ我にきけ 遠きところのもろもろの民よ耳をかたむけよ 我うまれいづるよりヱホバ我を召し われ母の胎をいづるよりヱホバわが名をかたりつげたまへり
Isai JapBungo 49:2  ヱホバわが口を利劍となし我をその手のかげにかくし 我をとぎすましたる矢となして箙にをさめ給へり
Isai JapBungo 49:3  また我にいひ給はく 汝はわが僕なり わが榮光のあらはるべきイスラエルなりと
Isai JapBungo 49:4  されど我いへり われは徒然にはたらき益なくむなしく力をつひやしぬと 然はあれど誠にわが審判はヱホバにあり わが報はわが神にあり
Isai JapBungo 49:5  ヤコブをふたたび己にかへらしめイスラエルを己のもとにあつまらせんとて 我をうまれいでしより立ておのれの僕となし給へるヱホバいひ給ふ(我はヱホバの前にたふとくせらる 又わが神はわが力となりたまへり)
Isai JapBungo 49:6  その聖言にいはく なんぢわが僕となりてヤコブのもろもろの支派をおこし イスラエルのうちののこりて全うせしものを歸らしむることはいと輕し 我また汝をたてて異邦人の光となし 我がすくひを地のはてにまで到らしむ
Isai JapBungo 49:7  ヱホバ、イスラエルの贖主イスラエルの聖者は人にあなどらるるもの 民にいみきらはるるもの 長たちに役せらるる者にむかひて如此いひたまふ もろもろの王は見てたちもろもろの君はみて拜すべし これ信實あるヱホバ、イスラエルの聖者なんぢを選びたまへるが故なり
Isai JapBungo 49:8  ヱホバ如此いひたまふ われ惠のときに汝にこたへ救の日になんぢを助けたり われ汝をまもりて民の契約とし國をおこし荒すたれたる地をまた產業としてかれらにつがしめん
Isai JapBungo 49:9  われ縛しめられたる者にいでよといひ暗にをるものに顯れよといはん かれら途すがら食ふことをなし もろもろの禿なる山にも牧草をうべし
Isai JapBungo 49:10  かれらは饑ずかわかず 又やけたる砂もあつき日もうつことなし 彼等をあはれむもの之をみちびきて泉のほとりに和かにみちびき給ければなり
Isai JapBungo 49:11  我わがもろもろの山を路とし わが大路をたかくせん
Isai JapBungo 49:12  視よ人々あるひは遠きよりきたり あるひは北また西よりきたらん 或はまたシニムの地よりきたるべし
Isai JapBungo 49:13  天ようたへ地よよろこべ もろもろの山よ聲をはなちてうたへ ヱホバはその民をなぐさめその苦むものを憐みたまへばなり
Isai JapBungo 49:14  然どシオンはいへりヱホバ我をすて主われをわすれたまへりと
Isai JapBungo 49:15  婦その乳兒をわすれて己がはらの子をあはれまざることあらんや 縦ひかれら忘るることありとも我はなんぢを忘るることなし
Isai JapBungo 49:16  われ掌になんぢを彫刻めり なんぢの石垣はつねにわが前にあり
Isai JapBungo 49:17  なんぢの子輩はいそぎ來り なんぢを毀つもの汝をあらす者は汝より出さらん
Isai JapBungo 49:18  なんぢ目をあげて環視せよ これらのもの皆あひあつまりて汝がもとに來るべし ヱホバ宣給く われは活なんぢ此等をみな身によそほひて飾となし 新婦の帶のごとくに之をまとふべし
Isai JapBungo 49:19  なんぢの荒かつ廢れたるところ毀たれたる地は こののち住ふもの多くして狹きをおぼえん なんぢを呑つくししもの遙にはなれ去るべし
Isai JapBungo 49:20  むかし別れたりしなんぢの子輩はのちの日なんぢの耳のあたりにて語りあはん云く ここは我がために狹し なんぢ外にゆきて我にすむべき所をえしめよと
Isai JapBungo 49:21  その時なんぢ心裏にいはん 誰かわがために此等のものを生しや われ子をうしなひて獨居りかつ俘れ且さすらひたり 誰かこれを育てしや 視よわれ一人のこされたり 此等はいづこに居しや
Isai JapBungo 49:22  主ヱホバいひたまはく 視よわれ手をもろもろの國にむかひてあげ 旗をもろもろの民にむかひてたてん 斯てかれらはその懷中になんぢの子輩をたづさへ その肩になんぢの女輩をのせきたらん
Isai JapBungo 49:23  もろもろの王はなんぢの養父となり その后妃はなんぢの乳母となり かれらはその面を地につけて汝にひれふし なんぢの足の塵をなめん 而して汝わがヱホバなるをしり われを俟望むものの恥をかうぶることなきを知るならん
Isai JapBungo 49:24  勇士がうばひたる掠物をいかでとりかへし 強暴者がかすめたる虜をいかで救いだすことを得んや
Isai JapBungo 49:25  されどヱホバ如此いひたまふ云く ますらをが掠めたる虜もとりかへされ 強暴者がうばひたる掠物もすくひいださるべし そは我なんぢを攻るものをせめてなんぢの子輩をすくふべければなり
Isai JapBungo 49:26  我なんぢを虐ぐるものにその肉をくらはせ またその血をあたらしき酒のごとくにのませて酔しめん 而して萬民はわがヱホバにして汝をすくふ者なんぢを贖ふものヤコブの全能者なることを知るべし
Chapter 50
Isai JapBungo 50:1  ヱホバかくいひ給ふ わがなんぢらの母をさりたる離書はいづこにありや 我いづれの債主になんぢらを賣わたししや 視よなんぢらはその不義のために賣られ なんぢらの母は汝らの咎戻のために去られたり
Isai JapBungo 50:2  わがきたりし時なにゆゑ一人もをらざりしや 我よびしとき何故ひとりも答ふるものなかりしや わが手みぢかくして贖ひえざるか われ救ふべき力なからんや 視よわれ叱咤すれば海はかれ河はあれのとなりそのなかの魚は水なきによりかわき死て臭氣をいだすなり
Isai JapBungo 50:3  われ黑きころもを天にきせ麁布をもて蔽となす
Isai JapBungo 50:4  主ヱホバは敎をうけしものの舌をわれにあたへ言をもて疲れたるものを扶支ふることを知得しめたまふ また朝ごとに醒しわが耳をさまして敎をうけし者のごとく聞ことを得しめたまふ
Isai JapBungo 50:5  主ヱホバわが耳をひらき給へり われは逆ふことをせず退くことをせざりき
Isai JapBungo 50:6  われを撻つものにわが背をまかせわが鬚をぬくものにわが頬をまかせ 恥と唾とをさくるために面をおほふことをせざりき
Isai JapBungo 50:7  主ヱホバわれを助けたまはん この故にわれ恥ることなかるべし 我わが面を石の如くして恥しめらるることなきを知る
Isai JapBungo 50:8  われを義とするもの近きにあり たれか我とあらそはんや われら相共にたつべし わが仇はたれぞや近づききたれ
Isai JapBungo 50:9  主ヱホバわれを助け給はん 誰かわれを罪せんや 視よかれらはみな衣のごとくふるび蠧のためにくひつくされん
Isai JapBungo 50:10  汝等のうちヱホバをおそれその僕の聲をきくものは誰ぞや 暗をあゆみて光をえざるともヱホバの名をたのみおのれの神にたよれ
Isai JapBungo 50:11  火をおこし火把を帶るものよ汝等みなその火のほのほのなかをあゆめ 又なんぢらの燃したる火把のなかをあゆめ なんぢら斯のごとき事をわが手よりうけて悲みのうちに臥べし
Chapter 51
Isai JapBungo 51:1  義をおひ求めヱホバを尋ねもとむるものよ我にきけ なんぢらが斫出されたる磐となんぢらの掘出されたる穴とをおもひ見よ
Isai JapBungo 51:2  なんぢらの父アブラハム及びなんぢらを生たるサラをおもひ見よ われ彼をその唯一人なりしときに召しこれを祝してその子孫をまし加へたり
Isai JapBungo 51:3  そはヱホバ、シオンを慰め またその凡てあれたる所をなぐさめて その荒野をエデンのごとくその沙漠をヱホバの園のごとくなしたまへり 斯てその中によろこびと歡樂とあり感謝とうたうたふ聲とありてきこゆ
Isai JapBungo 51:4  わが民よわが言にこころをとめよ わが國人よわれに耳をかたぶけよ 律法はわれより出づ われわが途をかたく定めてもろもろの民の光となさん
Isai JapBungo 51:5  わが義はちかづきわが救はすでに出たり わが臂はもろもろの民をさばかん もろもろの島はわれを俟望み わがかひなに依賴ん
Isai JapBungo 51:6  なんぢら目をあげて天を觀また下なる地をみよ 天は烟のごとくきえ地は衣のごとくふるびその中にすむ者これとひとしく死ん されどわが救はとこしへにながらへ わが義はくだくることなし
Isai JapBungo 51:7  義をしるものよ心のうちにわが律法をたもつ民よ われにきけ 人のそしりをおそるるなかれ人のののしりに慴くなかれ
Isai JapBungo 51:8  そはかれら衣のごとく蠧にはまれ羊の毛のごとく蟲にはまれん されどわが義はとこしへに存らへ わがすくひ萬代におよぶべし
Isai JapBungo 51:9  さめよ醒よヱホバの臂よちからを着よ さめて古への時むかしの代にありし如くなれ ラハブをきりころし鱷をさしつらぬきたるは汝にあらずや
Isai JapBungo 51:10  海をかわかし大なる淵の水をかわかし また海のふかきところを贖はれたる人のすぐべき路となししは汝にあらずや
Isai JapBungo 51:11  ヱホバに贖ひすくはれしもの歌うたひつつ歸りてシオンにきたり その首にとこしへの歡喜をいただきて快樂とよろこびとをえん 而してかなしみと歎息とはにげさるべし
Isai JapBungo 51:12  我こそ我なんぢらを慰むれ 汝いかなる者なれば死べき人をおそれ草の如くなるべき人の子をおそるるか
Isai JapBungo 51:13  いかなれば天をのべ地の基をすゑ汝をつくりたまへるヱホバを忘れしや 何なれば汝をほろぼさんとて豫備する虐ぐるものの憤れるをみて常にひねもす懼るるか 虐ぐるものの忿恚はいづこにありや
Isai JapBungo 51:14  身をかがめゐる俘囚はすみやかに解れて 死ることなく穴にくだることなく その食はつくること無るべし
Isai JapBungo 51:15  我は海をふるはせ波をなりどよめかする汝の神ヱホバなり その御名を萬軍のヱホバといふ
Isai JapBungo 51:16  我わが言をなんぢの口におきわが手のかげにて汝をおほへり かくてわれ天をうゑ地の基をすゑ シオンにむかひて汝はわが民なりといはん
Isai JapBungo 51:17  ヱルサレムよさめよさめよ起よ なんぢ前にヱホバの手よりその忿恚のさかづきをうけて飮み よろめかす大杯をのみ且すひほしたり
Isai JapBungo 51:18  なんぢの生るもろもろの子のなかに汝をみちびく者なく 汝のそだてたるもろもろの子の中にてなんぢの手をたづさふる者なし
Isai JapBungo 51:19  この二のこと汝にのぞめり誰かなんぢのために歎んや 荒廢の饑饉ほろびの劍なんぢに及べり我いかにして汝をなぐさめんや
Isai JapBungo 51:20  なんぢの子らは息たえだえにして網にかかれる羚羊のごとくし街衢の口にふす ヱホバの忿恚となんぢの神のせめとはかれらに滿たり
Isai JapBungo 51:21  このゆゑに苦しめるもの酒にあらで酔たるものよ之をきけ
Isai JapBungo 51:22  なんぢの主ヱホバおのが民の訟をあげつらひ給ふ なんぢの神かくいひ給ふ 我よろめかす酒杯をなんぢの手より取除き わがいきどほりの大杯をとりのぞきたり 汝ふたたびこれを飮ことあらじ
Isai JapBungo 51:23  我これを汝をなやますものの手にわたさん 彼らは曩になんぢの靈魂にむかひて云らく なんぢ伏せよわれら越ゆかんと 而してなんぢその背を地のごとくし衢のごとくし彼等のこえゆくに任せたり
Chapter 52
Isai JapBungo 52:1  シオンよ醒よさめよ汝の力を衣よ 聖都ヱルサレムよなんぢの美しき衣をつけよ 今より割禮をうけざる者および潔からざるものふたたび汝にいること無るべければなり
Isai JapBungo 52:2  なんぢ身の塵をふりおとせ ヱルサレムよ起よすわれ 俘れたるシオンのむすめよ汝がうなじの繩をときすてよ
Isai JapBungo 52:3  そはヱホバかく言給ふ なんぢらは價なくして賣られたり 金なくして贖はるべし
Isai JapBungo 52:4  主ヱホバ如此いひ給ふ 曩にわが民エジプトにくだりゆきて彼處にとどまれり アツスリヤ人ゆゑなくして彼等をしへたげたり
Isai JapBungo 52:5  ヱホバ宣給く わが民はゆゑなくして俘れたり されば我ここに何をなさん ヱホバのたまはく 彼等をつかさどる者さけびよばはり わが名はつねに終日けがさるるなり
Isai JapBungo 52:6  この故にわが民はわが名をしらん このゆゑにその日には彼らこの言をかたるものの我なるをしらん 我ここに在り
Isai JapBungo 52:7  よろこびの音信をつたへ平和をつげ 善おとづれをつたへ救をつげ シオンに向ひてなんぢの神はすべ治めたまふといふものの足は山上にありていかに美しきかな
Isai JapBungo 52:8  なんぢが斥候の聲きこゆ かれらはヱホバのシオンに歸り給ふを目と目とあひあはせて視るが故にみな聲をあげてもろともにうたへり
Isai JapBungo 52:9  ヱルサレムの荒廢れたるところよ聲をはなちて共にうたふべし ヱホバその民をなぐさめヱルサレムを贖ひたまひたればなり
Isai JapBungo 52:10  ヱホバそのきよき手をもろもろの國人の目のまへにあらはしたまへり 地のもろもろの極までもわれらの神のすくひを見ん
Isai JapBungo 52:11  なんぢら去よされよ 彼處をいでて汚れたるものに觸るなかれ その中をいでよ ヱホバの器をになふ者よ なんぢら潔くあれ
Isai JapBungo 52:12  なんぢら急ぎいづるにあらず趨りゆくにあらず ヱホバはなんぢらの前にゆきイスラエルの神はなんぢらの軍後となり給ふべければなり
Isai JapBungo 52:13  視よわがしもべ智慧をもておこなはん 上りのぼりて甚だたかくならん
Isai JapBungo 52:14  曩にはおほくの人かれを見ておどろきたり(その面貌はそこなはれて人と異なりその形容はおとろへて人の子とことなれり)
Isai JapBungo 52:15  後には彼おほく國民にそそがん 王たち彼によりて口を緘まん そはかれら未だつたへられざることを見いまだ聞ざることを悟るべければなり
Chapter 53
Isai JapBungo 53:1  われらが宣るところを信ぜしものは誰ぞや ヱホバの手はたれにあらはれしや
Isai JapBungo 53:2  かれは主のまへに芽えのごとく 燥きたる土よりいづる樹株のごとくそだちたり われらが見るべきうるはしき容なく うつくしき貌はなく われらがしたふべき艶色なし
Isai JapBungo 53:3  かれは侮られて人にすてられ 悲哀の人にして病患をしれり また面をおほひて避ることをせらるる者のごとく侮られたり われらも彼をたふとまざりき
Isai JapBungo 53:4  まことに彼はわれらの病患をおひ我儕のかなしみを擔へり 然るにわれら思へらく彼はせめられ神にうたれ苦しめらるるなりと
Isai JapBungo 53:5  彼はわれらの愆のために傷けられ われらの不義のために碎かれ みづから懲罰をうけてわれらに平安をあたふ そのうたれし痍によりてわれらは癒されたり
Isai JapBungo 53:6  われらはみな羊のごとく迷ひておのおの己が道にむかひゆけり 然るにヱホバはわれら凡てのものの不義をかれのうへに置たまへり
Isai JapBungo 53:7  彼はくるしめらるれどもみづから謙だりて口をひらかず 屠場にひかるる羔羊の如く毛をきる者のまへにもだす羊の如くしてその口をひらかざりき
Isai JapBungo 53:8  かれは虐待と審判とによりて取去れたり その代の人のうち誰か彼が活るものの地より絶れしことを思ひたりしや 彼はわが民のとがの爲にうたれしなり
Isai JapBungo 53:9  その墓はあしき者とともに設けられたれど 死るときは富るものとともになれり かれは暴をおこなはずその口には虚僞なかりき
Isai JapBungo 53:10  されどヱホバはかれを碎くことをよろこびて之をなやましたまへり 斯てかれの靈魂とがの献物をなすにいたらば彼その末をみるを得その日は永からん かつヱホバの悦び給ふことは彼の手によりて榮ゆべし
Isai JapBungo 53:11  かれは己がたましひの煩勞をみて心たらはん わが義しき僕はその知識によりておほくの人を義とし又かれらの不義をおはん
Isai JapBungo 53:12  このゆゑに我かれをして大なるものとともに物をわかち取しめん かれは強きものとともに掠物をわかちとるべし 彼はおのが靈魂をかたぶけて死にいたらしめ愆あるものとともに數へられたればなり 彼はおほくの人の罪をおひ愆あるものの爲にとりなしをなせり
Chapter 54
Isai JapBungo 54:1  なんぢ孕まず子をうまざるものよ歌うたふべし 產のくるしみなきものよ聲をはなちて謳ひよばはれ 夫なきものの子はとつげるものの子よりおほしと 此はヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 54:2  汝が幕屋のうちを廣くし なんぢが住居のまくをはりひろげて吝むなかれ 汝の綱をながくしなんぢの杙をかたくせよ
Isai JapBungo 54:3  そはなんぢが右に左にひろごり なんぢの裔はもろもろの國をえ 荒廢れたる邑をもすむべき所となさしむべし
Isai JapBungo 54:4  懼るるなかれなんぢ恥ることなからん 惶てためくことなかれ汝はぢしめらるることなからん 若きときの恥をわすれ寡婦たりしときの恥辱をふたたび覺ることなからん
Isai JapBungo 54:5  なんぢを造り給へる者はなんぢの夫なり その名は萬軍のヱホバ なんぢを贖ひ給ふものはイスラエルの聖者なり 全世界の神ととなへられ給ふべし
Isai JapBungo 54:6  ヱホバ汝をまねきたまふ 棄られて心うれふる妻また若きとき嫁てさられたる妻をまねくがごとしと 此はなんぢの神のみことばなり
Isai JapBungo 54:7  我しばし汝をすてたれど大なる憐憫をもて汝をあつめん
Isai JapBungo 54:8  わが忿恚あふれて暫くわが面をなんぢに隱したれど 永遠のめぐみをもて汝をあはれまんと 此はなんぢをあがなひ給ふヱホバの聖言なり
Isai JapBungo 54:9  このこと我にはノアの洪水のときのごとし 我むかしノアの洪水をふたたび地にあふれ流るることなからしめんと誓ひしが そのごとく我ふたたび汝をいきどほらず 再びなんぢを責じとちかひたり
Isai JapBungo 54:10  山はうつり岡はうごくとも わが仁慈はなんぢよりうつらず 平安をあたふるわが契約はうごくことなからんと 此はなんぢを憐みたまふヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 54:11  なんぢ苦しみをうけ暴風にひるがへされ 安慰をえざるものよ 我うるはしき彩色をなしてなんぢの石をすゑ 靑き玉をもてなんぢの基をおき
Isai JapBungo 54:12  くれなゐの玉をもてなんぢの櫓をつくり むらさきの玉をもてなんぢの門をつくり なんぢの境内はあまねく寳石にてつくるべし
Isai JapBungo 54:13  又なんぢの子輩はみなヱホバに敎をうけ なんぢの子輩のやすきは大ならん
Isai JapBungo 54:14  なんぢ義をもて堅くたち 虐待よりとほざかりて慴ることなく また恐懼よりとほざかるべし そは恐懼なんぢに近づくことなければなり
Isai JapBungo 54:15  縦ひかれら群集ふとも我によるにあらず 凡てむれつどひて汝をせむる者はなんぢの故にたふるべし
Isai JapBungo 54:16  みよ炭火をふきおこして用ゐべき器をいだす鐵工はわが創造するところ 又あらし滅ぼす者もわが創造するところなり
Isai JapBungo 54:17  すべてなんぢを攻んとてつくられしうつはものは利あることなし 興起ちてなんぢとあらそひ訴ふる舌はなんぢに罪せらるべし これヱホバの僕等のうくる產業なり 是かれらが我よりうくる義なりとヱホバのたまへり
Chapter 55
Isai JapBungo 55:1  噫なんぢら渇ける者ことごとく水にきたれ 金なき者もきたるべし 汝等きたりてかひ求めてくらへ きたれ金なく價なくして葡萄酒と乳とをかへ
Isai JapBungo 55:2  なにゆゑ糧にもあらぬ者のために金をいだし 飽ことを得ざるもののために勞するや われに聽從へ さらばなんぢら美物をくらふをえ脂をもてその靈魂をたのしまするを得ん
Isai JapBungo 55:3  耳をかたぶけ我にきたりてきけ 汝等のたましひは活べし われ亦なんぢらととこしへの契約をなしてダビデに約せし變らざる惠をあたへん
Isai JapBungo 55:4  視よわれ彼をたててもろもろの民の證とし又もろもろの民の君となし命令する者となせり
Isai JapBungo 55:5  なんぢは知ざる國民をまねかん 汝をしらざる國民はなんぢのもとに走りきたらん 此はなんぢの神ヱホバ、イスラエルの聖者のゆゑによりてなり ヱホバなんぢを尊くしたまへり
Isai JapBungo 55:6  なんぢら遇ことをうる間にヱホバを尋ねよ 近くゐたまふ間によびもとめよ
Isai JapBungo 55:7  惡きものはその途をすて よこしまなる人はその思念をすててヱホバに反れ さらば憐憫をほどこしたまはん 我等の神にかへれ豐に赦をあたへ給はん
Isai JapBungo 55:8  ヱホバ宣給くわが思はなんぢらの思とことなり わが道はなんぢらのみちと異なれり
Isai JapBungo 55:9  天の地よりたかきがごとく わが道はなんぢらの道よりも高く わが思はなんぢらの思よりもたかし
Isai JapBungo 55:10  天より雨くだり雪おちて復かへらず 地をうるほして物をはえしめ 萌をいださしめて播ものに種をあたへ 食ふものに糧をあたふ
Isai JapBungo 55:11  如此わが口よりいづる言もむなしくは我にかへらず わが喜ぶところを成し わが命じ遣りし事をはたさん
Isai JapBungo 55:12  なんぢらは喜びて出きたり平穩にみちびかれゆくべし山と岡とは聲をはなちて前にうたひ野にある樹はみな手をうたん
Isai JapBungo 55:13  松樹はいばらにかはりてはえ岡拈樹は棘にかはりてはゆべし 此はヱホバの頌美となり並とこしへの徴となりて絶ることなからん
Chapter 56
Isai JapBungo 56:1  ヱホバ如此いひ給ふ なんぢら公平をまもり正義をおこなふべし わが救のきたるはちかく わが義のあらはるるは近ければなり
Isai JapBungo 56:2  安息日をまもりて汚さず その手をおさへて惡きことをなさず 斯おこなふ人かく堅くまもる人の子はさいはひなり
Isai JapBungo 56:3  ヱホバにつらなれる異邦人はいふなかれ ヱホバ必ず我をその民より分ち給はんと 寺人もまたいふなかれ われは枯たる樹なりと
Isai JapBungo 56:4  ヱホバ如此いひたまふ わが安息日をまもり わが悦ぶことをえらみて我が契約を堅くまもる寺人には
Isai JapBungo 56:5  我わが家のうちにてわが垣のうちにて子にも女にもまさる記念のしるしと名とをあたへ 並とこしへの名をたまふて絶ることなからしめん
Isai JapBungo 56:6  またヱホバにつらなりこれに事へ ヱホバの名を愛しその僕となり 安息日をまもりて汚すことなく凡てわが契約をかたくまもる異邦人は
Isai JapBungo 56:7  我これをわが聖山にきたらせ わが祈の家のうちにて樂ましめん かれらの燔祭と犠牲とはわが祭壇のうへに納めらるべし わが家はすべての民のいのりの家ととなへらるべければなり
Isai JapBungo 56:8  イスラエルの放逐れたるものを集めたまふ主ヱホバのたまはく 我さらに人をあつめて旣にあつめられたる者にくはへん
Isai JapBungo 56:9  野獸よみなきたりてくらへ 林にをるけものよ皆きたりてくらへ
Isai JapBungo 56:10  斥候はみな瞽者にしてしることなし みな唖なる犬にして吠ることあたはず みな夢みるもの臥ゐるもの眠ることをこのむ者なり
Isai JapBungo 56:11  この犬はむさぼること甚だしくして飽ことをしらず かれらは悟ることを得ざる牧者にして皆おのが道にむかひゆき 何れにをる者もおのおの己の利をおもふ
Isai JapBungo 56:12  かれら互にいふ請われ酒をたづさへきたらん われら濃酒にのみあかん かくて明日もなほ今日のごとく大にみち足はせんと
Chapter 57
Isai JapBungo 57:1  義者ほろぶれども心にとむる人なく 愛しみ深き人々とりさらるれども義きものの禍害のまへより取去るるなるを悟るものなし
Isai JapBungo 57:2  かれは平安にいり 直きをおこなふ者はその寐床にやすめり
Isai JapBungo 57:3  なんぢら巫女の子 淫人また妓女の裔よ 近ききたれ
Isai JapBungo 57:4  なんぢら誰にむかひて戯れをなすや 誰にむかひて口をひらき舌をのばすや なんぢらは悖逆の子輩いつはりの黨類にあらずや
Isai JapBungo 57:5  なんぢらは橿樹のあひだ緑りなる木々のしたに心をこがし 谷のなか岩の狹間に子をころせり
Isai JapBungo 57:6  なんぢは谷のなかの滑かなる石をうくべき嗣業とし これをなんぢが所有とす なんぢ亦これに灌祭をなし之にそなへものを献げたり われ之によりていかで心をなだむべしや
Isai JapBungo 57:7  なんぢは高くそびえたる山の上になんぢの床をまうけ かつ其處にのぼりゆきて犠牲をささげたり
Isai JapBungo 57:8  また戸および柱のうしろに汝の記念をおけり なんぢ我をはなれて他人に身をあらはし 登りゆきてその床をひろくし かれらと誓をなし 又かれらの床を愛し これがためにその所をえらびたり
Isai JapBungo 57:9  なんぢ香膏とおほくの薫物とをたづさへて王にゆき 又なんぢの使者をとほきにつかはし陰府にまで己をひくくせり
Isai JapBungo 57:10  なんぢ途のながきに疲れたれどなほ望なしといはず なんぢ力をいきかへされしによりて衰弱ざりき
Isai JapBungo 57:11  なんぢ誰をおそれ誰のゆゑに慴きていつはりをいひ 我をおもはず亦そのことを心におかざりしや われ久しく默したれど汝かへりて我をおそれざりしにあらずや
Isai JapBungo 57:12  我なんぢの義をつげしめさん なんぢの作はなんぢに益せじ
Isai JapBungo 57:13  なんぢ呼るときその集めおきたるもの汝をすくへ 風はかれらを悉くあげさり 息はかれらを吹さらん 然どわれに依賴むものは地をつぎわが聖山をうべし
Isai JapBungo 57:14  また人いはん 土をもり土をもりて途をそなへよ わが民のみちより躓礙をとりされと
Isai JapBungo 57:15  至高く至上なる永遠にすめるもの聖者となづくるもの如此いひ給ふ 我はたかき所きよき所にすみ 亦こころ碎けてへりくだる者とともにすみ 謙だるものの靈をいかし碎けたるものの心をいかす
Isai JapBungo 57:16  われ限なくは爭はじ我たえずは怒らじ 然らずば人のこころ我がまへにおとろへん わが造りたる靈はみな然らん
Isai JapBungo 57:17  彼のむさぼりの罪により我いかりて之をうちまた面をおほひて怒りたり 然るになほ悖りて己がこころの途にゆけり
Isai JapBungo 57:18  されど我その途をみたり 我かれを愈すべし 又かれを導きてふたたび安慰をかれとその中のかなしめる者とにかへすべし
Isai JapBungo 57:19  我くちびるの果をつくれり 遠きものにも近きものにも平安あれ平安あれ 我かれをいやさん 此はヱホバのみことばなり
Isai JapBungo 57:20  然はあれど惡者はなみだつ海のごとし 靜かなること能はずしてその水つねに濁と泥とをいだせり
Isai JapBungo 57:21  わが神いひたまはく惡きものには平安あることなしと
Chapter 58
Isai JapBungo 58:1  大によばはりて聲ををしむなかれ 汝のこゑをラッパのごとくあげ わが民にその愆をつげヤコブの家にその罪をつげしめせ
Isai JapBungo 58:2  かれらは日々われを尋求めわが途をしらんことをこのむ 義をおこなひ神の法をすてざる國のごとく義しき法をわれにもとめ神と相近づくことをこのめり
Isai JapBungo 58:3  かれらはいふ われら斷食するになんぢ見たまはず われら心をくるしむるになんぢ知たまはざるは何ぞやと 視よなんぢらの斷食の日にはおのがこのむ作をなし その工人をことごとく惱めつかふ
Isai JapBungo 58:4  視よなんぢら斷食するときは相あらそひ相きそひ惡の拳をもて人をうつ なんぢらの今のだんじきはその聲をうへに聞えしめんとにあらざるなり
Isai JapBungo 58:5  斯のごとき斷食はわが悦ぶところのものならんや かくのごときは人その靈魂をなやますの日ならんや その首を葦のごとくにふし麁服と灰とをその下にしくをもて斷食の日またヱホバに納らるる日ととなふべけんや
Isai JapBungo 58:6  わが悦ぶところの斷食はあくの繩をほどき 軛のつなをとき虐げらるるものを放ちさらしめ すべての軛ををるなどの事にあらずや
Isai JapBungo 58:7  また饑たる者になんぢのパンを分ちあたへ さすらへる貧民をなんぢの家にいれ裸かなるものを見てこれに衣せ おのが骨肉に身をかくさざるなどの事にあらずや
Isai JapBungo 58:8  しかる時はなんぢのひかり暁の如くにあらはれいで 汝すみやかに愈さるることを得 なんぢの義はなんぢの前にゆき ヱホバの榮光はなんぢの軍後となるべし
Isai JapBungo 58:9  また汝よぶときはヱホバ答へたまはん なんぢ叫ぶときは我ここに在りといひ給はん/もし汝のなかより軛をのぞき指點をのぞき惡きことをかたるを除き
Isai JapBungo 58:10  なんぢの靈魂の欲するものをも饑たる者にほどこし 苦しむものの心を滿足しめば なんぢの光くらきにてりいで なんぢの闇は晝のごとくならん
Isai JapBungo 58:11  ヱホバは常になんぢをみちびき 乾けるところにても汝のこころを滿足しめ なんぢの骨をかたうし給はん なんぢは潤ひたる園のごとく水のたえざる泉のごとくなるべし
Isai JapBungo 58:12  汝よりいづる者はひさしく荒廢れたる所をおこし なんぢは累代やぶれたる基をたてん 人なんぢをよびて破隙をおぎなふ者といひ 市街をつくろひてすむべき所となす者といふべし
Isai JapBungo 58:13  もし安息日になんぢの歩行をとどめ 我聖日になんぢの好むわざをおこなはず 安息日をとなへて樂日となし ヱホバの聖日をとなへて尊むべき日となし 之をたふとみて己が道をおこなはず おのが好むわざをなさず おのが言をかたらずば
Isai JapBungo 58:14  その時なんぢヱホバを樂しむべし ヱホバなんぢを地のたかき處にのらしめ なんぢが先祖ヤコブの產業をもて汝をやしなひ給はん こはヱホバ口より語りたまへるなり
Chapter 59
Isai JapBungo 59:1  ヱホバの手はみぢかくして救ひえざるにあらず その耳はにぶくして聞えざるにあらず
Isai JapBungo 59:2  惟なんぢらの邪曲なる業なんぢらとなんぢらの神との間をへだてたり 又なんぢらの罪その面をおほひて聞えざらしめたり
Isai JapBungo 59:3  そはなんぢらの手は血にてけがれ なんぢらの指はよこしまにて汚れ なんぢらのくちびるは虚僞をかたり なんぢらの舌は惡をささやき
Isai JapBungo 59:4  その一人だに正義をもてうつたへ眞實をもて論らふものなし 彼らは虚浮をたのみ虚僞をかたり 惡しきくはだてをはらみ不義をうむ
Isai JapBungo 59:5  かれらは蝮の卵をかへし蛛網をおる その卵をくらふものは死るなり 卵もし踐るればやぶれて毒蛇をいだす
Isai JapBungo 59:6  その織るところは衣になすあたはず その工をもて身をおほふこと能はず かれらの工はよこしまの工なり かれらの手には暴虐のおこなひあり
Isai JapBungo 59:7  かれらの足はあくにはしり罪なき血をながすに速し かれらの思念はよこしまの思念なり 殘害と滅亡とその路徑にのこれり
Isai JapBungo 59:8  彼らは平穩なる道をしらず その過るところに公平なく又まがれる小徑をつくる 凡てこれを踐ものは平穩をしらず
Isai JapBungo 59:9  このゆゑに公平はとほくわれらをはなれ正義はわれらに追及ず われら光をのぞめど暗をみ 光輝をのぞめど闇をゆく
Isai JapBungo 59:10  われらは瞽者のごとく牆をさぐりゆき目なき者のごとく模りゆき正午にても日暮のごとくにつまづき 強壯なる者のなかにありても死るもののごとし
Isai JapBungo 59:11  我儕はみな熊のごとくにほえ鴿のごとくに甚くうめき 審判をのぞめどもあることなく 救をのぞめども遠くわれらを離る
Isai JapBungo 59:12  われらの愆はなんぢの前におほく われらのつみは證してわれらを訟へ われらのとがは我らとともに在り われらの邪曲なる業はわれら自らしれり
Isai JapBungo 59:13  われら罪ををかしてヱホバを棄われらの神にはなれてしたがはず 暴虐と悖逆とをかたり虚僞のことばを心にはらみて説出すなり
Isai JapBungo 59:14  公平はうしろに退けられ正義ははるかに立り そは 眞實は衢間にたふれ 正直はいることを得ざればなり
Isai JapBungo 59:15  眞實はかけてなく惡をはなるるものは掠めうばはる/ヱホバこれを見てその公平のなかりしを悦びたまはざりき
Isai JapBungo 59:16  ヱホバは人なきをみ中保なきを奇しみたまへり 斯てその臂をもてみづから助け その義をもてみづから支たまへり
Isai JapBungo 59:17  ヱホバ義をまとひて護胸とし救をその頭にいただきて兜となし 仇をまとひて衣となし 熱心をきて外服となしたまへり
Isai JapBungo 59:18  かれらの作にしたがひて報をなし敵にむかひていかり仇にむかひて報をなし また島々にむくいをなし給はん
Isai JapBungo 59:19  西方にてヱホバの名をおそれ 日のいづる所にてその榮光をおそるべし ヱホバは堰ぎとめたる河のその氣息にふき潰えたるがごとくに來りたまふ可ればなり
Isai JapBungo 59:20  ヱホバのたまはく贖者シオンにきたりヤコブのなかの愆をはなるる者につかんと
Isai JapBungo 59:21  ヱホバいひ給く なんぢの上にあるわが靈なんぢの口におきたるわがことばは 今よりのち永遠になんぢの口よりなんぢの裔の口より汝のすゑの裔の口よりはなれざるべし わがかれらにたつる契約はこれなりと此はヱホバのみことばなり
Chapter 60
Isai JapBungo 60:1  起よひかりを發て なんぢの光きたりヱホバの榮光なんぢのうへに照出たればなり
Isai JapBungo 60:2  視よくらきは地をおほひ闇はもろもろの民をおほはん されど汝の上にはヱホバ照出たまひてその榮光なんぢのうへに顯はるべし
Isai JapBungo 60:3  もろもろの國はなんぢの光にゆき もろもろの王はてり出るなんぢが光輝にゆかん
Isai JapBungo 60:4  なんぢの目をあげて環視せ かれらは皆つどひて汝にきたり 汝の子輩はとほきより來り なんぢの女輩はいだかれて來らん
Isai JapBungo 60:5  そのときなんぢ視てよろこびの光をあらはし なんぢの心おどろきあやしみ且ひろらかになるべし そは海の富はうつりて汝につき もろもろの國の貨財はなんぢに來るべければなり
Isai JapBungo 60:6  おほくの駱駝ミデアンおよびエバのわかき駱駝なんぢの中にあまねくみち シバのもろもろの人こがね乳香をたづさへきたりてヱホバの譽をのべつたへん
Isai JapBungo 60:7  ケダルのひつじの群はみな汝にあつまりきたり ネバヨテの牡羊はなんぢに事へ わが祭壇のうへにのぼりて受納られん 斯てわれわが榮光の家をかがやかすべし
Isai JapBungo 60:8  雲のごとくにとび鳩のその窠にとびかへるが如くしてきたる者はたれぞ
Isai JapBungo 60:9  もろもろの島はわれを俟望み タルシシのふねは首先になんぢの子輩をとほきより載きたり 並かれらの金銀をともにのせきたりてなんぢの神ヱホバの名にささげ イスラエルの聖者にささげん ヱホバなんぢを輝かせたまひたればなり
Isai JapBungo 60:10  異邦人はなんぢの石垣をきづき かれらの王等はなんぢに事へん そは我いかりて汝をうちしかどまた惠をもて汝を憐みたればなり
Isai JapBungo 60:11  なんぢの門はつねに開きて夜も日もとざすことなし こは人もろもろの國の貨財をなんぢに携へきたり その王等をひきゐ來らんがためなり
Isai JapBungo 60:12  なんぢに事へざる國と民とはほろび そのくにぐには全くあれすたるべし
Isai JapBungo 60:13  レバノンの榮はなんぢにきたり 松 杉 黄楊はみな共にきたりて我が聖所をかがやかさん われ亦わが足をおく所をたふとくすべし
Isai JapBungo 60:14  汝を苦しめたるものの子輩はかがみて汝にきたり 汝をさげしめたる者はことごとくなんぢの足下にふし 斯て汝をヱホバの都イスラエルの聖者のシオンととなへん
Isai JapBungo 60:15  なんぢ前にはすてられ憎まれてその中をすぐる者もなかりしが 今はわれ汝をとこしへの華美よよの歡喜となさん
Isai JapBungo 60:16  なんぢ亦もろもろの國の乳をすひ王たちの乳房をすひ 而して我ヱホバなんぢの救主なんぢの贖主ヤコブの全能者なるを知るべし
Isai JapBungo 60:17  われ黄金をたづさへきたりて赤銅にかへ 白銀をたづさへきたりて鐵にかへ 赤銅を木にかへ鐵を石にかへ なんぢの施政者をおだやかにし なんぢを役するものを義うせん
Isai JapBungo 60:18  強暴のこと再びなんぢの地にきこえず 殘害と敗壞とはふたたびなんぢの境にきこえず 汝その石垣をすくひととなへ その門を譽ととなへん
Isai JapBungo 60:19  晝は日ふたたびなんぢの光とならず 月もまた輝きてなんぢを照さず ヱホバ永遠になんぢの光となり なんぢの神はなんぢの榮となり給はん
Isai JapBungo 60:20  なんぢの日はふたたび落ず なんぢの月はかくることなかるべし そはヱホバ永遠になんぢの光となり 汝のかなしみの日畢るべければなり
Isai JapBungo 60:21  汝の民はことごとく義者となりてとこしへに地を嗣ん かれはわが植たる樹株わが手の工わが榮光をあらはす者となるべし
Isai JapBungo 60:22  その小きものは千となり その弱きものは強國となるべし われヱホバその時いたらば速かにこの事をなさん
Chapter 61
Isai JapBungo 61:1  主ヱホバの靈われに臨めり こはヱホバわれに膏をそそぎて貧きものに福音をのべ傳ふることをゆだね 我をつかはして心の傷める者をいやし俘囚にゆるしをつげ 縛められたるものに解放をつげ
Isai JapBungo 61:2  ヱホバのめぐみの年とわれらの神の刑罰の日とを告しめ 又すべて哀むものをなぐさめ
Isai JapBungo 61:3  灰にかへ冠をたまひてシオンの中のかなしむ者にあたへ 悲哀にかへて歡喜のあぶらを予へ うれひの心にかへて讃美の衣をかたへしめたまふなり かれらは義の樹 ヱホバの植たまふ者 その榮光をあらはす者ととなへられん
Isai JapBungo 61:4  彼等はひさしく荒たる處をつくろひ 上古より廢れたる處をおこし 荒たる邑々をかされて新にし世々すたれたる處をふたたび建べし
Isai JapBungo 61:5  外人はたちてなんぢらの群をかひ 異邦人はなんぢらの畑をたがへす者となり 葡萄をつくる者とならん
Isai JapBungo 61:6  然どなんぢらはヱホバの祭司ととなへられ われらの神の役者とよばれ もろもろの國の富をくらひ かれらの榮をえて自らほこるべし
Isai JapBungo 61:7  曩にうけし恥にかへ倍して賞賜をうけ凌辱にかへ嗣業をえて樂むべし 而してその地にありて倍したる賞賜をたもち永遠によろこびを得ん
Isai JapBungo 61:8  われヱホバは公平をこのみ邪曲なるかすめごとをにくみ 眞實をもて彼等にむくいをあたへ 彼等ととこしへの契約をたつべければなり
Isai JapBungo 61:9  かれらの裔はもろもろの國のなかに知れ かれらの子輩はもろもろの民のなかに知れん すべてこれを見るものはそのヱホバの祝したまへる裔なるを辨ふべし
Isai JapBungo 61:10  われヱホバを大によろこび わが靈魂はわが神をたのしまん そは我にすくひの衣をきせ義の外服をまとはせて 新郎が冠をいただき新婦が玉こがねの飾をつくるが如くなしたまへばなり
Isai JapBungo 61:11  地は芽をいだし畑はまけるものを生ずるがごとく 主ヱホバは義と譽とをもろもろの國のまへに生ぜしめ給ふべし
Chapter 62
Isai JapBungo 62:1  われシオンの義あさ日の光輝のごとくにいで ヱルサレムの救もゆる松火のごとくになるまではシオンのために默さずヱルサレムのために休まざるべし
Isai JapBungo 62:2  もろもろの國はなんぢの義を見 もろもろの王はみななんぢの榮をみん 斯てなんぢはヱホバの口にて定め給ふ新しき名をもて稱へらるべし
Isai JapBungo 62:3  また汝はうるはしき冠のごとくヱホバの手にあり 王の冕のごとくなんぢの神のたなごころにあらん
Isai JapBungo 62:4  人ふたたび汝をすてられたる者といはず 再びなんぢの地をあれたる者といはじ 却てなんぢをヘフジバ(わが悦ぶところ)ととなへ なんぢの地をベウラ(配偶)ととなふべし そはヱホバなんぢをよろこびたまふ なんぢの地は配偶をえん
Isai JapBungo 62:5  わかきものの處女をめとる如くなんぢの子輩はなんぢを娶らん 新郎の新婦をよろこぶごとくなんぢの神なんぢを喜びたまふべし
Isai JapBungo 62:6  ヱルサレムよ我なんぢの石垣のうへに斥候をおきて終日終夜たえず默すことなからしむ なんぢらヱホバに記念したまはんことを求むるものよ 自らやすむなかれ
Isai JapBungo 62:7  ヱホバ、ヱルサレムをたてて全地に譽をえしめ給ふまでは息め奉るなかれ
Isai JapBungo 62:8  ヱホバその右手をさしその大能の臂をさし誓ひて宣給く われ再びなんぢの五穀をなんぢの敵にあたへて食はせず 異邦人はなんぢが勞したる酒をのまざるべし
Isai JapBungo 62:9  収穫せしものは之をくらひてヱホバを讃たたへ 葡萄をあつめし者はわが聖所の庭にて之をのむべし
Isai JapBungo 62:10  門よりすすみゆけ進みゆけ 民の途をそなへ土をもり土をもりて大路をまうけよ 石をとりのぞけ もろもろの民に旗をあげて示せ
Isai JapBungo 62:11  ヱホバ地の極にまで告てのたまはく 汝等シオンの女にいへ 視よなんぢらの救きたる 視よ主の手にその恩賜あり はたらきの價はその前にあり
Isai JapBungo 62:12  而してかれらはきよき民またヱホバにあがなはれたる者ととなへられん なんぢは人にもとめ尋らるるもの棄られざる邑ととなへらるべし
Chapter 63
Isai JapBungo 63:1  このエドムよりきたり緋衣をきてボヅラよりきたる者はたれぞ その服飾はなやかに大なる能力をもて嚴しく歩みきたる者はたれぞ これは義をもてかたり大にすくひをほどこす我なり
Isai JapBungo 63:2  なんぢの服飾はなにゆゑに赤くなんぢの衣はなにゆゑに酒榨をふむ者とひとしきや
Isai JapBungo 63:3  我はひとりにて酒榨をふめり もろもろの民のなかに我とともにする者なし われ怒によりて彼等をふみ忿恚によりてかれらを蹈にじりたれば かれらの血わが衣にそそぎわが服飾をことごとく汚したり
Isai JapBungo 63:4  そは刑罰の日わが心の中にあり 救贖の歳すでにきたれり
Isai JapBungo 63:5  われ見てたすくる者なく扶る者なきを奇しめり この故にわが臂われをすくひ我いきどほり我をささへたり
Isai JapBungo 63:6  われ怒によりてもろもろの民をふみおさへ 忿恚によりてかれらを酔しめ かれらの血を地に流れしめたり
Isai JapBungo 63:7  われはヱホバのわれらに施したまへる各種のめぐみとその譽とをかたりつげ 又その憐憫にしたがひ其おほくの恩惠にしたがひてイスラエルの家にほどこし給ひたる大なる恩寵をかたり告ん
Isai JapBungo 63:8  ヱホバいひたまへり 誠にかれらはわが民なり 虚僞をせざる子輩なりと 斯てヱホバはかれらのために救主となりたまへり
Isai JapBungo 63:9  かれらの艱難のときはヱホバもなやみ給ひてその面前の使をもて彼等をすくひ その愛とその憐憫とによりて彼等をあがなひ彼等をもたげ昔時の日つねに彼等をいだきたまへり
Isai JapBungo 63:10  然るにかれらは悖りてその聖靈をうれへしめたる故にヱホバ翻然かれらの仇となりて自らこれを攻たまへり
Isai JapBungo 63:11  爰にその民いにしへのモーセの日をおもひいでて曰けるは かれらとその群の牧者とを海より携へあげし者はいづこにありや 彼等のなかに聖靈をおきしものは何處にありや
Isai JapBungo 63:12  榮光のかひなをモーセの右にゆかしめ 彼等のまへに水をさきて自らとこしへの名をつくり
Isai JapBungo 63:13  彼等をみちびきて馬の野をはしるがごとく躓かで淵をすぎしめたりし者はいづこに在りや
Isai JapBungo 63:14  谷にくだる家畜の如くにヱホバの靈かれらをいこはせ給へり 主よなんぢは斯おのれの民をみちびきて榮光の名をつくり給へり
Isai JapBungo 63:15  ねがはくは天より俯觀なはし その榮光あるきよき居所より見たまへ なんぢの熱心となんぢの大能あるみわざとは今いづこにありや なんぢの切なる仁慈と憐憫とはおさへられて我にあらはれず
Isai JapBungo 63:16  汝はわれらの父なり アブラハムわれらを知ず イスラエルわれらを認めず されどヱホバよ汝はわれらの父なり 上古よりなんぢの名をわれらの贖主といへり
Isai JapBungo 63:17  ヱホバよ何故にわれらをなんぢの道より離れまどはしめ我儕のこころを頑固にして汝を畏れざらしめたまふや 願くはなんぢの僕等のためになんぢの產業なる支派のために歸りたまへ
Isai JapBungo 63:18  汝のきよきたみ地をえて久しからざるにわれらの敵なんぢの聖所をふみにじれり
Isai JapBungo 63:19  我儕はなんぢに上古より治められざる者のごとく なんぢの名をもて稱られざる者のごとくなりぬ
Chapter 64
Isai JapBungo 64:1  願くはなんぢ天を裂てくだり給へ なんぢのみまへに山々ふるひ動かんことを
Isai JapBungo 64:2  火の柴をもやし火の水を沸すがごとくして降りたまへ かくて名をなんぢの敵にあらはし もろもろの國をなんぢのみまへに戰慄かしめたまへ
Isai JapBungo 64:3  汝われらが逆料あたはざる懼るべき事をおこなひ給ひしときに降りたまへり 山々はその前にふるひうごけり
Isai JapBungo 64:4  上古よりこのかた汝のほかに何なる神ありて俟望みたる者にかかる事をおこなひしや いまだ聽ず いまだ耳にいらず いまだ目にみしことなし
Isai JapBungo 64:5  汝はよろこびて義をおこなひなんぢの途にありてなんぢを紀念するものを迎へたまふ 視よなんぢ怒りたまへり われらは罪ををかせり かかる狀なること旣にひさし 我儕いかで救はるるを得んや
Isai JapBungo 64:6  我儕はみな潔からざる物のごとくなり われらの義はことごとく汚れたる衣のごとし 我儕はみな木葉のごとく枯れ われらのよこしまは暴風のごとく我らを吹去れり
Isai JapBungo 64:7  なんぢの名をよぶ者なく みづから勵みて汝によりすがる者なし なんぢ面をおほひてわれらを顧みたまはず われらが邪曲をもてわれらを消失せしめたまへり
Isai JapBungo 64:8  されどヱホバよ汝はわれらの父なり われらは泥塊にしてなんぢは陶工なり 我らは皆なんぢの御手のわざなり
Isai JapBungo 64:9  ヱホバよいたく怒りたまふなかれ 永くよこしまを記念したまふなかれ 願くは顧みたまへ 我儕はみななんぢの民なり
Isai JapBungo 64:10  汝のきよき諸邑は野となりシオンは野となりヱルサレムは荒廢れたり
Isai JapBungo 64:11  我らの先祖が汝を讃たたへたる榮光ある我儕のきよき宮は火にやかれ 我儕のしたひたる處はことごとく荒はてたり
Isai JapBungo 64:12  ヱホバよこれらの事あれども汝なほみづから制へたまふや なんぢなほ默してわれらに深くくるしみを受しめたまふや
Chapter 65
Isai JapBungo 65:1  我はわれを求めざりしものに問もとめられ 我をたづねざりしものに見出され わが名をよばざりし國にわれ曰らく われは此にあり我はここに在と
Isai JapBungo 65:2  善らぬ途をあゆみおのが思念にしたがふ悖れる民をひねもす手をのべて招けり
Isai JapBungo 65:3  この民はまのあたり恒にわが怒をひき 園のうちにて犠牲をささげ 瓦の壇にて香をたき
Isai JapBungo 65:4  墓のあひだにすわり隱密なる處にやどり 猪の肉をくらひ憎むべきものの羹をその器皿にもりて
Isai JapBungo 65:5  人にいふなんぢ其處にたちて我にちかづくなかれ そは我なんぢよりも聖しと 彼らはわが鼻のけぶり終日もゆる火なり
Isai JapBungo 65:6  視よこの事わが前にしるされたり われ默さずして報いかへすべし 必ずかれらの懷中に報いかへすべし
Isai JapBungo 65:7  ヱホバいひ給く なんぢらの邪曲となんぢらが列祖のよこしまとはともに報いかへすべし かれらは山上にて香をたき岡のうへにて我を汚ししがゆゑに 我まづその作をはかりてその懷中にかへすべし
Isai JapBungo 65:8  ヱホバ如此いひたまふ 人ぶだうのなかに汁あるを見ばいはん これを壞るなかれ福祉その中にあればなりと 我わが僕等のために如此おこなひてことごとくは壞らじ
Isai JapBungo 65:9  ヤコブより一裔をいだしユダよりわれ山々をうけつぐべき者をいださん わが撰みたる者はこれをうけつぎ我がしもべらは彼處にすむべし
Isai JapBungo 65:10  シヤロンは羊のむれの牧場となりアコルの谷はうしの群のふす所となりて我をたづねもとめたるわが民の有とならん
Isai JapBungo 65:11  然どなんぢらヱホバを棄わがきよき山をわすれ 机をガド(禍福の神)にそなへ雜合せたる酒をもりてメニ(運命の神)にささぐる者よ
Isai JapBungo 65:12  われ汝らを劍にわたすべく定めたり なんぢらは皆かがみて屠らるべし 汝等はわが呼しときこたへず わが語りしとききかず わが目にあしき事をおこなひ わが好まざりし事をえらみたればなり
Isai JapBungo 65:13  このゆゑに主ヱホバかく言給ふ わが僕等はくらへども汝等はうゑ わが僕等はのめども汝等はかわき 我しもべらは喜べどもなんぢらははぢ
Isai JapBungo 65:14  わが僕等はこころ樂きによりて歌うたへども汝等はこころ哀きによりて叫び また靈魂うれふるによりて泣嗁ぶべし
Isai JapBungo 65:15  なんぢらが遺名はわが撰みたるものの呪詛の料とならん 主ヱホバなんぢらを殺したまはん 然どおのれの僕等をほかの名をもて呼たまふべし
Isai JapBungo 65:16  斯るがゆゑに地にありて己のために福祉をねがふものは眞實の神にむかひて福祉をもとめ 地にありて誓ふものは眞實の神をさして誓ふべし さきの困難は忘れられてわが目よりかくれ失たるに因る
Isai JapBungo 65:17  視よわれ新しき天とあたらしき地とを創造す 人さきのものを記念することなく之をその心におもひ出ることなし
Isai JapBungo 65:18  然どなんぢらわが創造する者によりて永遠にたのしみよろこべ 視よわれはヱルサレムを造りてよろこびとしその民を快樂とす
Isai JapBungo 65:19  われヱルサレムを喜びわが民をたのしまん 而して泣聲とさけぶ聲とはふたたびその中にきこえざるべし
Isai JapBungo 65:20  日數わづかにして死る嬰兒といのちの日をみたさざる老人とはその中にまたあることなかるべし 百歳にて死るものも尚わかしとせられ 百歳にて死るものを詛れたる罪人とすべし
Isai JapBungo 65:21  かれら家をたてて之にすみ葡萄園をつくりてその果をくらふべし
Isai JapBungo 65:22  かれらが建るところにほかの人すまず かれらが造るところの果はほかの人くらはず そはわが民のいのちは樹の命の如く 我がえらみたる者はその手の工ふるびうするとも存ふべければなり
Isai JapBungo 65:23  かれらの勤勞はむなしからず その生ところの者はわざはひにかからず 彼等はヱホバの福祉をたまひしものの裔にしてその子輩もあひ共にをる可ればなり
Isai JapBungo 65:24  かれらが呼ざるさきにわれこたへ 彼らが語りをへざるに我きかん
Isai JapBungo 65:25  豺狼とこひつじと食物をともにし 獅は牛のごとく藁をくらひ 蛇はちりを糧とすべし 斯てわが聖山のいづこにても害ふことなく傷ることなからん これヱホバの聖言なり
Chapter 66
Isai JapBungo 66:1  ヱホバ如此いひたまふ 天はわが位地はわが足臺なり なんぢら我がために如何なる家をたてんとするか 又いかなる處かわが休憩の場とならん
Isai JapBungo 66:2  ヱホバ宣給く 我手はあらゆる此等のものを造りてこれらの物ことごとく成れり 我はただ苦しみまた心をいため我がことばを畏れをののくものを顧みるなりと
Isai JapBungo 66:3  牛をほふるものは人をころす者のごとく 羔を犠牲とするものは狗をくびりころす者のごとく 祭物をささぐるものは豕の血をささぐる者のごとく 香をたくものは偶像をほむる者のごとし 彼等はおのが途をえらみその心ににくむべき者をたのしみとせり
Isai JapBungo 66:4  我もまた災禍をえらびて彼等にあたへ その懼るるところの事を彼らに臨ましめん そは我よびしとき應ふるものなく我かたりしとき聽ことをせざりき わが目にあしき事をおこなひわが好まざる事をえらみたればなり
Isai JapBungo 66:5  なんぢらヱホバの言をおそれをののく者よヱホバの言をきけ なんぢらの兄弟なんぢらを憎みなんぢらをわが名のために逐出していふ 願くはヱホバその榮光をあらはして我儕になんぢらの歡喜を見せしめよと 然どかれらは恥をうけん
Isai JapBungo 66:6  騒亂るこゑ邑よりきこえ聲ありて宮よりきこゆ 此はヱホバその仇にむくいをなしたまふ聲なり
Isai JapBungo 66:7  シオンは產のなやみを知ざるさきに生 その劬勞きたらざるさきに男子をうみいだせり
Isai JapBungo 66:8  誰がかかる事をききしや誰がかかる類をみしや 一の國はただ一日のくるしみにて成べけんや 一つの國民は一時にうまるべけんや 然どシオンはくるしむ間もなく直にその子輩をうめり
Isai JapBungo 66:9  ヱホバ言給く われ產にのぞましめしに何でうまざらしめんや なんぢの神いひたまはく 我はうましむる者なるにいかで胎をとざさんや
Isai JapBungo 66:10  ヱルサレムを愛するものよ皆かれとともに喜べ かれの故をもてたのしめ 彼のために悲めるものよ皆かれとともに喜びたのしめ
Isai JapBungo 66:11  そはなんぢら乳をすふ如くヱルサレムの安慰をうけて飽ことを得ん また乳をしぼるごとくその豐なる榮をうけておのづから心さわやかならん
Isai JapBungo 66:12  ヱホバ如此いひたまふ 視よわれ河のごとく彼に平康をあたへ 漲ぎる流のごとく彼にもろもろの國の榮をあたへん 而して汝等これをすひ背におはれ膝におかれて樂しむべし
Isai JapBungo 66:13  母のその子をなぐさむるごとく我もなんぢらを慰めん なんぢらはヱルサレムにて安慰をうべし
Isai JapBungo 66:14  なんぢら見て心よろこばん なんぢらの骨は若草のさかゆるごとくだるべし ヱホバの手はその僕等にあらはれ又その仇をはげしく怒りたまはん
Isai JapBungo 66:15  視よヱホバは火中にあらはれて來りたまふその 車輦ははやちのごとし 烈しき威勢をもてその怒をもらし火のほのほをもてその譴をほどこし給はん
Isai JapBungo 66:16  ヱホバは火をもて劍をもてよろづの人を刑ひたまはん ヱホバに刺殺さるるもの多かるべし
Isai JapBungo 66:17  ヱホバ宣給く みづからを潔くしみづからを別ちて園にゆき その中にある木の像にしたがひ 豕の肉けがれたる物および鼠をくらふ者はみな共にたえうせん
Isai JapBungo 66:18  我かれらの作爲とかれらの思念とをしれり 時きたらばもろもろの國民ともろもろの族とをあつめん 彼等きたりてわが榮光をみるべし
Isai JapBungo 66:19  我かれらのなかに一つの休徴をたてて逃れたる者をもろもろの國すなはちタルシシよく弓をひくブル、ルデおよびトバル、ヤワン又わが聲名をきかずわが榮光をみざる遙かなる諸島につかはさん 彼等はわが榮光をもろもろの國にのべつたふべし
Isai JapBungo 66:20  ヱホバいひ給ふ かれらはイスラエルの子輩がきよき器にそなへものをもりてヱホバの家にたづさへきたるが如く なんぢらの兄弟をもろもろの國の中よりたづさへて馬 車 轎 騾 駱駝にのらしめ わが聖山ヱルサレムにきたらせてヱホバの祭物とすべし
Isai JapBungo 66:21  ヱホバいひ給ふ 我また彼等のうちより人をえらびて祭司としレビ人とせんと
Isai JapBungo 66:22  ヱホバ宣給く わが造らんとする新しき天とあたらしき地とわが前にながくとどまる如く なんちの裔となんぢの名はながくとどまらん
Isai JapBungo 66:23  ヱホバいひ給ふ新月ごとに安息日ごとによろづの人わが前にきたりて崇拜をなさん
Isai JapBungo 66:24  かれら出てわれに逆きたる人の屍をみん その蛆しなずその火きえず よろづの人にいみきらはるべし