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Chapter 1
Job JapKougo 1:1  ウヅの地にヨブという名の人があった。そのひととなりは全く、かつ正しく、神を恐れ、悪に遠ざかった。
Job JapKougo 1:2  彼に男の子七人と女の子三人があり、
Job JapKougo 1:3  その家畜は羊七千頭、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭で、しもべも非常に多く、この人は東の人々のうちで最も大いなる者であった。
Job JapKougo 1:4  そのむすこたちは、めいめい自分の日に、自分の家でふるまいを設け、その三人の姉妹をも招いて一緒に食い飲みするのを常とした。
Job JapKougo 1:5  そのふるまいの日がひとめぐり終るごとに、ヨブは彼らを呼び寄せて聖別し、朝早く起きて、彼らすべての数にしたがって燔祭をささげた。これはヨブが「わたしのむすこたちは、ことによったら罪を犯し、その心に神をのろったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつも、このように行った。
Job JapKougo 1:6  ある日、神の子たちが来て、主の前に立った。サタンも来てその中にいた。
Job JapKougo 1:7  主は言われた、「あなたはどこから来たか」。サタンは主に答えて言った、「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました」。
Job JapKougo 1:8  主はサタンに言われた、「あなたはわたしのしもべヨブのように全く、かつ正しく、神を恐れ、悪に遠ざかる者の世にないことを気づいたか」。
Job JapKougo 1:9  サタンは主に答えて言った、「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。
Job JapKougo 1:10  あなたは彼とその家およびすべての所有物のまわりにくまなく、まがきを設けられたではありませんか。あなたは彼の勤労を祝福されたので、その家畜は地にふえたのです。
Job JapKougo 1:11  しかし今あなたの手を伸べて、彼のすべての所有物を撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう」。
Job JapKougo 1:12  主はサタンに言われた、「見よ、彼のすべての所有物をあなたの手にまかせる。ただ彼の身に手をつけてはならない」。サタンは主の前から出て行った。
Job JapKougo 1:13  ある日ヨブのむすこ、娘たちが第一の兄の家で食事をし、酒を飲んでいたとき、
Job JapKougo 1:14  使者がヨブのもとに来て言った、「牛が耕し、ろばがそのかたわらで草を食っていると、
Job JapKougo 1:15  シバびとが襲ってきて、これを奪い、つるぎをもってしもべたちを打ち殺しました。わたしはただひとりのがれて、あなたに告げるために来ました」。
Job JapKougo 1:16  彼がなお語っているうちに、またひとりが来て言った、「神の火が天から下って、羊およびしもべたちを焼き滅ぼしました。わたしはただひとりのがれて、あなたに告げるために来ました」。
Job JapKougo 1:17  彼がなお語っているうちに、またひとりが来て言った、「カルデヤびとが三組に分れて来て、らくだを襲ってこれを奪い、つるぎをもってしもべたちを打ち殺しました。わたしはただひとりのがれて、あなたに告げるために来ました」。
Job JapKougo 1:18  彼がなお語っているうちに、またひとりが来て言った、「あなたのむすこ、娘たちが第一の兄の家で食事をし、酒を飲んでいると、
Job JapKougo 1:19  荒野の方から大風が吹いてきて、家の四すみを撃ったので、あの若い人たちの上につぶれ落ちて、皆死にました。わたしはただひとりのがれて、あなたに告げるために来ました」。
Job JapKougo 1:20  このときヨブは起き上がり、上着を裂き、頭をそり、地に伏して拝し、
Job JapKougo 1:21  そして言った、「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう。主が与え、主が取られたのだ。主のみ名はほむべきかな」。
Job JapKougo 1:22  すべてこの事においてヨブは罪を犯さず、また神に向かって愚かなことを言わなかった。
Chapter 2
Job JapKougo 2:1  ある日、また神の子たちが来て、主の前に立った。サタンもまたその中に来て、主の前に立った。
Job JapKougo 2:2  主はサタンに言われた、「あなたはどこから来たか」。サタンは主に答えて言った、「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました」。
Job JapKougo 2:3  主はサタンに言われた、「あなたは、わたしのしもべヨブのように全く、かつ正しく、神を恐れ、悪に遠ざかる者の世にないことを気づいたか。あなたは、わたしを勧めて、ゆえなく彼を滅ぼそうとしたが、彼はなお堅く保って、おのれを全うした」。
Job JapKougo 2:4  サタンは主に答えて言った、「皮には皮をもってします。人は自分の命のために、その持っているすべての物をも与えます。
Job JapKougo 2:5  しかしいま、あなたの手を伸べて、彼の骨と肉とを撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう」。
Job JapKougo 2:6  主はサタンに言われた、「見よ、彼はあなたの手にある。ただ彼の命を助けよ」。
Job JapKougo 2:7  サタンは主の前から出て行って、ヨブを撃ち、その足の裏から頭の頂まで、いやな腫物をもって彼を悩ました。
Job JapKougo 2:8  ヨブは陶器の破片を取り、それで自分の身をかき、灰の中にすわった。
Job JapKougo 2:9  時にその妻は彼に言った、「あなたはなおも堅く保って、自分を全うするのですか。神をのろって死になさい」。
Job JapKougo 2:10  しかしヨブは彼女に言った、「あなたの語ることは愚かな女の語るのと同じだ。われわれは神から幸をうけるのだから、災をも、うけるべきではないか」。すべてこの事においてヨブはそのくちびるをもって罪を犯さなかった。
Job JapKougo 2:11  時に、ヨブの三人の友がこのすべての災のヨブに臨んだのを聞いて、めいめい自分の所から尋ねて来た。すなわちテマンびとエリパズ、シュヒびとビルダデ、ナアマびとゾパルである。彼らはヨブをいたわり、慰めようとして、たがいに約束してきたのである。
Job JapKougo 2:12  彼らは目をあげて遠方から見たが、彼のヨブであることを認めがたいほどであったので、声をあげて泣き、めいめい自分の上着を裂き、天に向かって、ちりをうちあげ、自分たちの頭の上にまき散らした。
Job JapKougo 2:13  こうして七日七夜、彼と共に地に座していて、ひと言も彼に話しかける者がなかった。彼の苦しみの非常に大きいのを見たからである。
Chapter 3
Job JapKougo 3:1  この後、ヨブは口を開いて、自分の生れた日をのろった。
Job JapKougo 3:3  「わたしの生れた日は滅びうせよ。『男の子が、胎にやどった』と言った夜もそのようになれ。
Job JapKougo 3:4  その日は暗くなるように。神が上からこれを顧みられないように。光がこれを照さないように。
Job JapKougo 3:5  やみと暗黒がこれを取りもどすように。雲が、その上にとどまるように。日を暗くする者が、これを脅かすように。
Job JapKougo 3:6  その夜は、暗やみが、これを捕えるように。年の日のうちに加わらないように。月の数にもはいらないように。
Job JapKougo 3:7  また、その夜は、はらむことのないように。喜びの声がそのうちに聞かれないように。
Job JapKougo 3:8  日をのろう者が、これをのろうように。レビヤタンを奮い起すに巧みな者が、これをのろうように。
Job JapKougo 3:9  その明けの星は暗くなるように。光を望んでも、得られないように。また、あけぼののまぶたを見ることのないように。
Job JapKougo 3:10  これは、わたしの母の胎の戸を閉じず、また悩みをわたしの目に隠さなかったからである。
Job JapKougo 3:11  なにゆえ、わたしは胎から出て、死ななかったのか。腹から出たとき息が絶えなかったのか。
Job JapKougo 3:12  なにゆえ、ひざが、わたしを受けたのか。なにゆえ、乳ぶさがあって、わたしはそれを吸ったのか。
Job JapKougo 3:13  そうしなかったならば、わたしは伏して休み、眠ったであろう。そうすればわたしは安んじており、
Job JapKougo 3:14  自分のために荒れ跡を築き直した地の王たち、参議たち、
Job JapKougo 3:15  あるいは、こがねを持ち、しろがねを家に満たした君たちと一緒にいたであろう。
Job JapKougo 3:16  なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、光を見ないみどりごのようでなかったのか。
Job JapKougo 3:17  かしこでは悪人も、あばれることをやめ、うみ疲れた者も、休みを得、
Job JapKougo 3:18  捕われ人も共に安らかにおり、追い使う者の声を聞かない。
Job JapKougo 3:19  小さい者も大きい者もそこにおり、奴隷も、その主人から解き放される。
Job JapKougo 3:20  なにゆえ、悩む者に光を賜い、心の苦しむ者に命を賜わったのか。
Job JapKougo 3:21  このような人は死を望んでも来ない、これを求めることは隠れた宝を掘るよりも、はなはだしい。
Job JapKougo 3:22  彼らは墓を見いだすとき、非常に喜び楽しむのだ。
Job JapKougo 3:23  なにゆえ、その道の隠された人に、神が、まがきをめぐらされた人に、光を賜わるのか。
Job JapKougo 3:24  わたしの嘆きはわが食物に代って来り、わたしのうめきは水のように流れ出る。
Job JapKougo 3:25  わたしの恐れるものが、わたしに臨み、わたしの恐れおののくものが、わが身に及ぶ。
Job JapKougo 3:26  わたしは安らかでなく、またおだやかでない。わたしは休みを得ない、ただ悩みのみが来る」。
Chapter 4
Job JapKougo 4:1  その時、テマンびとエリパズが答えて言った、
Job JapKougo 4:2  「もし人があなたにむかって意見を述べるならば、あなたは腹を立てるでしょうか。しかしだれが黙っておれましょう。
Job JapKougo 4:3  見よ、あなたは多くの人を教えさとし、衰えた手を強くした。
Job JapKougo 4:4  あなたの言葉はつまずく者をたすけ起し、かよわいひざを強くした。
Job JapKougo 4:5  ところが今、この事があなたに臨むと、あなたは耐え得ない。この事があなたに触れると、あなたはおじ惑う。
Job JapKougo 4:6  あなたが神を恐れていることは、あなたのよりどころではないか。あなたの道の全きことは、あなたの望みではないか。
Job JapKougo 4:7  考えてみよ、だれが罪のないのに、滅ぼされた者があるか。どこに正しい者で、断ち滅ぼされた者があるか。
Job JapKougo 4:8  わたしの見た所によれば、不義を耕し、害悪をまく者は、それを刈り取っている。
Job JapKougo 4:9  彼らは神のいぶきによって滅び、その怒りの息によって消えうせる。
Job JapKougo 4:10  ししのほえる声、たけきししの声はともにやみ、若きししのきばは折られ、
Job JapKougo 4:11  雄じしは獲物を得ずに滅び、雌じしの子は散らされる。
Job JapKougo 4:12  さて、わたしに、言葉がひそかに臨んだ、わたしの耳はそのささやきを聞いた。
Job JapKougo 4:13  すなわち人の熟睡するころ、夜の幻によって思い乱れている時、
Job JapKougo 4:14  恐れがわたしに臨んだので、おののき、わたしの骨はことごとく震えた。
Job JapKougo 4:15  時に、霊があって、わたしの顔の前を過ぎたので、わたしの身の毛はよだった。
Job JapKougo 4:16  そのものは立ちどまったが、わたしはその姿を見わけることができなかった。一つのかたちが、わたしの目の前にあった。わたしは静かな声を聞いた、
Job JapKougo 4:17  『人は神の前に正しくありえようか。人はその造り主の前に清くありえようか。
Job JapKougo 4:18  見よ、彼はそのしもべをさえ頼みとせず、その天使をも誤れる者とみなされる。
Job JapKougo 4:19  まして、泥の家に住む者、ちりをその基とする者、しみのようにつぶされる者。
Job JapKougo 4:20  彼らは朝から夕までの間に打ち砕かれ、顧みる者もなく、永遠に滅びる。
Job JapKougo 4:21  もしその天幕の綱が彼らのうちに取り去られるなら、ついに悟ることもなく、死にうせるではないか』。
Chapter 5
Job JapKougo 5:1  試みに呼んでみよ、だれかあなたに答える者があるか。どの聖者にあなたは頼もうとするのか。
Job JapKougo 5:2  確かに、憤りは愚かな者を殺し、ねたみはあさはかな者を死なせる。
Job JapKougo 5:3  わたしは愚かな者の根を張るのを見た、しかしわたしは、にわかにそのすみかをのろった。
Job JapKougo 5:4  その子らは安きを得ず、町の門でしえたげられても、これを救う者がない。
Job JapKougo 5:5  その収穫は飢えた人が食べ、いばらの中からさえ、これを奪う。また、かわいた者はその財産をあえぎ求める。
Job JapKougo 5:6  苦しみは、ちりから起るものでなく、悩みは土から生じるものでない。
Job JapKougo 5:7  人が生れて悩みを受けるのは、火の子が上に飛ぶにひとしい。
Job JapKougo 5:8  しかし、わたしであるならば、神に求め、神に、わたしの事をまかせる。
Job JapKougo 5:9  彼は大いなる事をされるかたで、測り知れない、その不思議なみわざは数えがたい。
Job JapKougo 5:10  彼は地に雨を降らせ、野に水を送られる。
Job JapKougo 5:11  彼は低い者を高くあげ、悲しむ者を引き上げて、安全にされる。
Job JapKougo 5:12  彼は悪賢い者の計りごとを敗られる。それで何事もその手になし遂げることはできない。
Job JapKougo 5:13  彼は賢い者を、彼ら自身の悪巧みによって捕え、曲った者の計りごとをくつがえされる。
Job JapKougo 5:14  彼らは昼も、やみに会い、真昼にも、夜のように手探りする。
Job JapKougo 5:15  彼は貧しい者を彼らの口のつるぎから救い、また強い者の手から救われる。
Job JapKougo 5:16  それゆえ乏しい者に望みがあり、不義はその口を閉じる。
Job JapKougo 5:17  見よ、神に戒められる人はさいわいだ。それゆえ全能者の懲しめを軽んじてはならない。
Job JapKougo 5:18  彼は傷つけ、また包み、撃ち、またその手をもっていやされる。
Job JapKougo 5:19  彼はあなたを六つの悩みから救い、七つのうちでも、災はあなたに触れることがない。
Job JapKougo 5:20  ききんの時には、あなたをあがなって、死を免れさせ、いくさの時には、つるぎの力を免れさせられる。
Job JapKougo 5:21  あなたは舌をもってむち打たれる時にも、おおい隠され、滅びが来る時でも、恐れることはない。
Job JapKougo 5:22  あなたは滅びと、ききんとを笑い、地の獣をも恐れることはない。
Job JapKougo 5:23  あなたは野の石と契約を結び、野の獣はあなたと和らぐからである。
Job JapKougo 5:24  あなたは自分の天幕の安全なことを知り、自分の家畜のおりを見回っても、欠けた物がなく、
Job JapKougo 5:25  また、あなたの子孫の多くなり、そのすえが地の草のようになるのを知るであろう。
Job JapKougo 5:26  あなたは高齢に達して墓に入る、あたかも麦束をその季節になって打ち場に運びあげるようになるであろう。
Job JapKougo 5:27  見よ、われわれの尋ねきわめた所はこのとおりだ。あなたはこれを聞いて、みずから知るがよい」。
Chapter 6
Job JapKougo 6:2  「どうかわたしの憤りが正しく量られ、同時にわたしの災も、はかりにかけられるように。
Job JapKougo 6:3  そうすれば、これは海の砂よりも重いに相違ない。それゆえ、わたしの言葉が軽率であったのだ。
Job JapKougo 6:4  全能者の矢が、わたしのうちにあり、わたしの霊はその毒を飲み、神の恐るべき軍勢が、わたしを襲い攻めている。
Job JapKougo 6:5  野ろばは、青草のあるのに鳴くであろうか。牛は飼葉の上でうなるであろうか。
Job JapKougo 6:6  味のない物は塩がなくて食べられようか。すべりひゆのしるは味があろうか。
Job JapKougo 6:7  わたしの食欲はこれに触れることを拒む。これは、わたしのきらう食物のようだ。
Job JapKougo 6:8  どうかわたしの求めるものが獲られるように。どうか神がわたしの望むものをくださるように。
Job JapKougo 6:9  どうか神がわたしを打ち滅ぼすことをよしとし、み手を伸べてわたしを断たれるように。
Job JapKougo 6:10  そうすれば、わたしはなお慰めを得、激しい苦しみの中にあっても喜ぶであろう。わたしは聖なる者の言葉を否んだことがないからだ。
Job JapKougo 6:11  わたしにどんな力があって、なお待たねばならないのか。わたしにどんな終りがあるので、なお耐え忍ばねばならないのか。
Job JapKougo 6:12  わたしの力は石の力のようであるのか。わたしの肉は青銅のようであるのか。
Job JapKougo 6:13  まことに、わたしのうちに助けはなく、救われる望みは、わたしから追いやられた。
Job JapKougo 6:14  その友に対するいつくしみをさし控える者は、全能者を恐れることをすてる。
Job JapKougo 6:15  わが兄弟たちは谷川のように、過ぎ去る出水のように欺く。
Job JapKougo 6:16  これは氷のために黒くなり、そのうちに雪が隠れる。
Job JapKougo 6:17  これは暖かになると消え去り、暑くなるとその所からなくなる。
Job JapKougo 6:18  隊商はその道を転じ、むなしい所へ行って滅びる。
Job JapKougo 6:19  テマの隊商はこれを望み、シバの旅びとはこれを慕う。
Job JapKougo 6:20  彼らはこれにたよったために失望し、そこに来てみて、あわてる。
Job JapKougo 6:21  あなたがたは今わたしにはこのような者となった。あなたがたはわたしの災難を見て恐れた。
Job JapKougo 6:22  わたしは言ったことがあるか、『わたしに与えよ』と、あるいは『あなたがたの財産のうちからわたしのために、まいないを贈れ』と、
Job JapKougo 6:23  あるいは『あだの手からわたしを救い出せ』と、あるいは『しえたげる者の手からわたしをあがなえ』と。
Job JapKougo 6:24  わたしに教えよ、そうすればわたしは黙るであろう。わたしの誤っている所をわたしに悟らせよ。
Job JapKougo 6:25  正しい言葉はいかに力のあるものか。しかしあなたがたの戒めは何を戒めるのか。
Job JapKougo 6:26  あなたがたは言葉を戒めうると思うのか。望みの絶えた者の語ることは風のようなものだ。
Job JapKougo 6:27  あなたがたは、みなしごのためにくじをひき、あなたがたの友をさえ売り買いするであろう。
Job JapKougo 6:28  今、どうぞわたしを見られよ、わたしはあなたがたの顔に向かって偽らない。
Job JapKougo 6:29  どうぞ、思いなおせ、まちがってはならない。さらに思いなおせ、わたしの義は、なおわたしのうちにある。
Job JapKougo 6:30  わたしの舌に不義があるか。わたしの口は災をわきまえることができぬであろうか。
Chapter 7
Job JapKougo 7:1  地上の人には、激しい労務があるではないか。またその日は雇人の日のようではないか。
Job JapKougo 7:2  奴隷が夕暮を慕うように、雇人がその賃銀を望むように、
Job JapKougo 7:3  わたしは、むなしい月を持たせられ、悩みの夜を与えられる。
Job JapKougo 7:4  わたしは寝るときに言う、『いつ起きるだろうか』と。しかし夜は長く、暁までころびまわる。
Job JapKougo 7:5  わたしの肉はうじと土くれとをまとい、わたしの皮は固まっては、またくずれる。
Job JapKougo 7:6  わたしの日は機のひよりも速く、望みをもたずに消え去る。
Job JapKougo 7:7  記憶せよ、わたしの命は息にすぎないことを。わたしの目は再び幸を見ることがない。
Job JapKougo 7:8  わたしを見る者の目は、かさねてわたしを見ることがなく、あなたがわたしに目を向けられても、わたしはいない。
Job JapKougo 7:9  雲が消えて、なくなるように、陰府に下る者は上がって来ることがない。
Job JapKougo 7:10  彼は再びその家に帰らず、彼の所も、もはや彼を認めない。
Job JapKougo 7:11  それゆえ、わたしはわが口をおさえず、わたしの霊のもだえによって語り、わたしの魂の苦しさによって嘆く。
Job JapKougo 7:12  わたしは海であるのか、龍であるのか、あなたはわたしの上に見張りを置かれる。
Job JapKougo 7:13  『わたしの床はわたしを慰め、わたしの寝床はわが嘆きを軽くする』とわたしが言うとき、
Job JapKougo 7:14  あなたは夢をもってわたしを驚かし、幻をもってわたしを恐れさせられる。
Job JapKougo 7:15  それゆえ、わたしは息の止まることを願い、わが骨よりもむしろ死を選ぶ。
Job JapKougo 7:16  わたしは命をいとう。わたしは長く生きることを望まない。わたしに構わないでください。わたしの日は息にすぎないのだから。
Job JapKougo 7:17  人は何者なので、あなたはこれを大きなものとし、これにみ心をとめ、
Job JapKougo 7:18  朝ごとに、これを尋ね、絶え間なく、これを試みられるのか。
Job JapKougo 7:19  いつまで、あなたはわたしに目を離さず、つばをのむまも、わたしを捨てておかれないのか。
Job JapKougo 7:20  人を監視される者よ、わたしが罪を犯したとて、あなたに何をなしえようか。なにゆえ、わたしをあなたの的とし、わたしをあなたの重荷とされるのか。
Job JapKougo 7:21  なにゆえ、わたしのとがをゆるさず、わたしの不義を除かれないのか。わたしはいま土の中に横たわる。あなたがわたしを尋ねられても、わたしはいないでしょう」。
Chapter 8
Job JapKougo 8:1  時にシュヒびとビルダデが答えて言った、
Job JapKougo 8:2  「いつまであなたは、そのような事を言うのか。あなたの口の言葉は荒い風ではないか。
Job JapKougo 8:3  神は公義を曲げられるであろうか。全能者は正義を曲げられるであろうか。
Job JapKougo 8:4  あなたの子たちが彼に罪を犯したので、彼らをそのとがの手に渡されたのだ。
Job JapKougo 8:5  あなたがもし神に求め、全能者に祈るならば、
Job JapKougo 8:6  あなたがもし清く、正しくあるならば、彼は必ずあなたのために立って、あなたの正しいすみかを栄えさせられる。
Job JapKougo 8:7  あなたの初めは小さくあっても、あなたの終りは非常に大きくなるであろう。
Job JapKougo 8:8  先の代の人に問うてみよ、先祖たちの尋ねきわめた事を学べ。
Job JapKougo 8:9  われわれはただ、きのうからあった者で、何も知らない、われわれの世にある日は、影のようなものである。
Job JapKougo 8:10  彼らはあなたに教え、あなたに語り、その悟りから言葉を出さないであろうか。
Job JapKougo 8:11  紙草は泥のない所に生長することができようか。葦は水のない所におい茂ることができようか。
Job JapKougo 8:12  これはなお青くて、まだ刈られないのに、すべての草に先だって枯れる。
Job JapKougo 8:13  すべて神を忘れる者の道はこのとおりだ。神を信じない者の望みは滅びる。
Job JapKougo 8:14  その頼むところは断たれ、その寄るところは、くもの巣のようだ。
Job JapKougo 8:15  その家によりかかろうとすれば、家は立たず、それにすがろうとしても、それは耐えない。
Job JapKougo 8:16  彼は日の前に青々と茂り、その若枝を園にはびこらせ、
Job JapKougo 8:17  その根を石塚にからませ、岩の間に生きていても、
Job JapKougo 8:18  もしその所から取り除かれれば、その所は彼を拒んで言うであろう、『わたしはあなたを見たことがない』と。
Job JapKougo 8:19  見よ、これこそ彼の道の喜びである、そしてほかの者が地から生じるであろう。
Job JapKougo 8:20  見よ、神は全き人を捨てられない。また悪を行う者の手を支持されない。
Job JapKougo 8:21  彼は笑いをもってあなたの口を満たし、喜びの声をもってあなたのくちびるを満たされる。
Job JapKougo 8:22  あなたを憎む者は恥を着せられ、悪しき者の天幕はなくなる」。
Chapter 9
Job JapKougo 9:2  「まことにわたしは、その事のそのとおりであることを知っている。しかし人はどうして神の前に正しくありえようか。
Job JapKougo 9:3  よし彼と争おうとしても、千に一つも答えることができない。
Job JapKougo 9:4  彼は心賢く、力強くあられる。だれが彼にむかい、おのれをかたくなにして、栄えた者があるか。
Job JapKougo 9:5  彼は、山を移されるが、山は知らない。彼は怒りをもって、これらをくつがえされる。
Job JapKougo 9:6  彼が、地を震い動かしてその所を離れさせられると、その柱はゆらぐ。
Job JapKougo 9:7  彼が日に命じられると、日は出ない。彼はまた星を閉じこめられる。
Job JapKougo 9:8  彼はただひとり天を張り、海の波を踏まれた。
Job JapKougo 9:9  彼は北斗、オリオン、プレアデスおよび南の密室を造られた。
Job JapKougo 9:10  彼が大いなる事をされることは測りがたく、不思議な事をされることは数知れない。
Job JapKougo 9:11  見よ、彼がわたしのかたわらを通られても、わたしは彼を見ない。彼は進み行かれるが、わたしは彼を認めない。
Job JapKougo 9:12  見よ、彼が奪い去られるのに、だれが彼をはばむことができるか。だれが彼にむかって『あなたは何をするのか』と言うことができるか。
Job JapKougo 9:13  神はその怒りをやめられない。ラハブを助ける者どもは彼のもとにかがんだ。
Job JapKougo 9:14  どうしてわたしは彼に答え、言葉を選んで、彼と議論することができよう。
Job JapKougo 9:15  たといわたしは正しくても答えることができない。わたしを責められる者にあわれみを請わなければならない。
Job JapKougo 9:16  たといわたしが呼ばわり、彼がわたしに答えられても、わたしの声に耳を傾けられたとは信じない。
Job JapKougo 9:17  彼は大風をもってわたしを撃ち砕き、ゆえなく、わたしに多くの傷を負わせ、
Job JapKougo 9:18  わたしに息をつかせず、苦い物をもってわたしを満たされる。
Job JapKougo 9:19  力の争いであるならば、彼を見よ、さばきの事であるならば、だれが彼を呼び出すことができよう。
Job JapKougo 9:20  たといわたしは正しくても、わたしの口はわたしを罪ある者とする。たといわたしは罪がなくても、彼はわたしを曲った者とする。
Job JapKougo 9:21  わたしは罪がない、しかしわたしは自分を知らない。わたしは自分の命をいとう。
Job JapKougo 9:22  皆同一である。それゆえ、わたしは言う、『彼は罪のない者と、悪しき者とを共に滅ぼされるのだ』と。
Job JapKougo 9:23  災がにわかに人を殺すような事があると、彼は罪のない者の苦難をあざ笑われる。
Job JapKougo 9:24  世は悪人の手に渡されてある。彼はその裁判人の顔をおおわれる。もし彼でなければ、これはだれのしわざか。
Job JapKougo 9:25  わたしの日は飛脚よりも速く、飛び去って幸を見ない。
Job JapKougo 9:26  これは走ること葦舟のごとく、えじきに襲いかかる、わしのようだ。
Job JapKougo 9:27  たといわたしは『わが嘆きを忘れ、憂い顔をかえて元気よくなろう』と言っても、
Job JapKougo 9:28  わたしはわがもろもろの苦しみを恐れる。あなたがわたしを罪なき者とされないことをわたしは知っているからだ。
Job JapKougo 9:29  わたしは罪ある者とされている。どうして、いたずらに労する必要があるか。
Job JapKougo 9:30  たといわたしは雪で身を洗い、灰汁で手を清めても、
Job JapKougo 9:31  あなたはわたしを、みぞの中に投げ込まれるので、わたしの着物も、わたしをいとうようになる。
Job JapKougo 9:32  神はわたしのように人ではないゆえ、わたしは彼に答えることができない。われわれは共にさばきに臨むことができない。
Job JapKougo 9:33  われわれの間には、われわれふたりの上に手を置くべき仲裁者がない。
Job JapKougo 9:34  どうか彼がそのつえをわたしから取り離し、その怒りをもって、わたしを恐れさせられないように。
Job JapKougo 9:35  そうすれば、わたしは語って、彼を恐れることはない。わたしはみずからそのような者ではないからだ。
Chapter 10
Job JapKougo 10:1  わたしは自分の命をいとう。わたしは自分の嘆きを包まず言いあらわし、わが魂の苦しみによって語ろう。
Job JapKougo 10:2  わたしは神に申そう、わたしを罪ある者とされないように。なぜわたしと争われるかを知らせてほしい。
Job JapKougo 10:3  あなたはしえたげをなし、み手のわざを捨て、悪人の計画を照すことを良しとされるのか。
Job JapKougo 10:4  あなたの持っておられるのは肉の目か、あなたは人が見るように見られるのか。
Job JapKougo 10:5  あなたの日は人の日のごとく、あなたの年は人の年のようであるのか。
Job JapKougo 10:6  あなたはなにゆえわたしのとがを尋ね、わたしの罪を調べられるのか。
Job JapKougo 10:7  あなたはわたしの罪のないことを知っておられる。またあなたの手から救い出しうる者はない。
Job JapKougo 10:8  あなたの手はわたしをかたどり、わたしを作った。ところが今あなたはかえって、わたしを滅ぼされる。
Job JapKougo 10:9  どうぞ覚えてください、あなたは土くれをもってわたしを作られた事を。ところが、わたしをちりに返そうとされるのか。
Job JapKougo 10:10  あなたはわたしを乳のように注ぎ、乾酪のように凝り固まらせたではないか。
Job JapKougo 10:11  あなたは肉と皮とをわたしに着せ、骨と筋とをもってわたしを編み、
Job JapKougo 10:12  命といつくしみとをわたしに授け、わたしを顧みてわが霊を守られた。
Job JapKougo 10:13  しかしあなたはこれらの事をみ心に秘めおかれた。この事があなたの心のうちにあった事をわたしは知っている。
Job JapKougo 10:14  わたしがもし罪を犯せば、あなたはわたしに目をつけて、わたしを罪から解き放されない。
Job JapKougo 10:15  わたしがもし悪ければわたしはわざわいだ。たといわたしが正しくても、わたしは頭を上げることができない。わたしは恥に満ち、悩みを見ているからだ。
Job JapKougo 10:16  もし頭をあげれば、あなたは、ししのようにわたしを追い、わたしにむかって再びくすしき力をあらわされる。
Job JapKougo 10:17  あなたは証人を入れ替えてわたしを攻め、わたしにむかってあなたの怒りを増し、新たに軍勢を出してわたしを攻められる。
Job JapKougo 10:18  なにゆえあなたはわたしを胎から出されたか、わたしは息絶えて目に見られることなく、
Job JapKougo 10:19  胎から墓に運ばれて、初めからなかった者のようであったなら、よかったのに。
Job JapKougo 10:20  わたしの命の日はいくばくもないではないか。どうぞ、しばしわたしを離れて、少しく慰めを得させられるように。
Job JapKougo 10:21  わたしが行って、帰ることのないその前に、これを得させられるように。わたしは暗き地、暗黒の地へ行く。
Job JapKougo 10:22  これは暗き地で、やみにひとしく、暗黒で秩序なく、光もやみのようだ」。
Chapter 11
Job JapKougo 11:1  そこでナアマびとゾパルは答えて言った、
Job JapKougo 11:2  「言葉が多ければ、答なしにすまされるだろうか。口の達者な人は義とされるだろうか。
Job JapKougo 11:3  あなたのむなしい言葉は人を沈黙させるだろうか。あなたがあざけるとき、人はあなたを恥じさせないだろうか。
Job JapKougo 11:4  あなたは言う、『わたしの教は正しい、わたしは神の目に潔い』と。
Job JapKougo 11:5  どうぞ神が言葉を出し、あなたにむかってくちびるを開き、
Job JapKougo 11:6  知恵の秘密をあなたに示されるように。神はさまざまの知識をもたれるからである。それであなたは知るがよい、神はあなたの罪よりも軽くあなたを罰せられることを。
Job JapKougo 11:7  あなたは神の深い事を窮めることができるか。全能者の限界を窮めることができるか。
Job JapKougo 11:8  それは天よりも高い、あなたは何をなしうるか。それは陰府よりも深い、あなたは何を知りうるか。
Job JapKougo 11:9  その量は地よりも長く、海よりも広い。
Job JapKougo 11:10  彼がもし行きめぐって人を捕え、さばきに召し集められるとき、だれが彼をはばむことができよう。
Job JapKougo 11:11  彼は卑しい人間を知っておられるからだ。彼は不義を見る時、これに心をとめられぬであろうか。
Job JapKougo 11:12  しかし野ろばの子が人として生れるとき、愚かな者も悟りを得るであろう。
Job JapKougo 11:13  もしあなたが心を正しくするならば、神に向かって手を伸べるであろう。
Job JapKougo 11:14  もしあなたの手に不義があるなら、それを遠く去れ、あなたの天幕に悪を住まわせてはならない。
Job JapKougo 11:15  そうすれば、あなたは恥じることなく顔をあげることができ、堅く立って、恐れることはない。
Job JapKougo 11:16  あなたは苦しみを忘れ、あなたのこれを覚えることは、流れ去った水のようになる。
Job JapKougo 11:17  そしてあなたの命は真昼よりも光り輝き、たとい暗くても朝のようになる。
Job JapKougo 11:18  あなたは望みがあるゆえに安んじ、保護されて安らかにいこうことができる。
Job JapKougo 11:19  あなたは伏してやすみ、あなたを恐れさせるものはない。多くの者はあなたの好意を求めるであろう。
Job JapKougo 11:20  しかし悪しき者の目は衰える。彼らは逃げ場を失い、その望みは息の絶えるにひとしい」。
Chapter 12
Job JapKougo 12:2  「まことに、あなたがたのみ、人である、知恵はあなたがたと共に死ぬであろう。
Job JapKougo 12:3  しかしわたしも、あなたがたと同様に悟りをもつ。わたしはあなたがたに劣らない。だれがこのような事を知らないだろうか。
Job JapKougo 12:4  わたしは神に呼ばわって、聞かれた者であるのに、その友の物笑いとなっている。正しく全き人は物笑いとなる。
Job JapKougo 12:5  安らかな者の思いには、不幸な者に対する侮りがあって、足のすべる者を待っている。
Job JapKougo 12:6  かすめ奪う者の天幕は栄え、神を怒らす者は安らかである。自分の手に神を携えている者も同様だ。
Job JapKougo 12:7  しかし獣に問うてみよ、それはあなたに教える。空の鳥に問うてみよ、それはあなたに告げる。
Job JapKougo 12:8  あるいは地の草や木に問うてみよ、彼らはあなたに教える。海の魚もまたあなたに示す。
Job JapKougo 12:9  これらすべてのもののうち、いずれか主の手がこれをなしたことを知らぬ者があろうか。
Job JapKougo 12:10  すべての生き物の命、およびすべての人の息は彼の手のうちにある。
Job JapKougo 12:11  口が食物を味わうように、耳は言葉をわきまえないであろうか。
Job JapKougo 12:12  老いた者には知恵があり、命の長い者には悟りがある。
Job JapKougo 12:13  知恵と力は神と共にあり、深慮と悟りも彼のものである。
Job JapKougo 12:14  彼が破壊すれば、再び建てることができない。彼が人を閉じ込めれば、開き出すことができない。
Job JapKougo 12:15  彼が水を止めれば、それはかれ、彼が水を出せば、地をくつがえす。
Job JapKougo 12:16  力と深き知恵は彼と共にあり、惑わされる者も惑わす者も彼のものである。
Job JapKougo 12:17  彼は議士たちを裸にして連れ行き、さばきびとらを愚かにし、
Job JapKougo 12:18  王たちのきずなを解き、彼らの腰に腰帯を巻き、
Job JapKougo 12:19  祭司たちを裸にして連れ行き、力ある者を滅ぼし、
Job JapKougo 12:20  みずから頼む者たちの言葉を奪い、長老たちの分別を取り去り、
Job JapKougo 12:21  君たちの上に侮りを注ぎ、強い者たちの帯を解き、
Job JapKougo 12:22  暗やみの中から隠れた事どもをあらわし、暗黒を光に引き出し、
Job JapKougo 12:23  国々を大きくし、またこれを滅ぼし、国々を広くし、また捕え行き、
Job JapKougo 12:24  地の民の長たちの悟りを奪い、彼らを道なき荒野にさまよわせ、
Job JapKougo 12:25  光なき暗やみに手探りさせ、酔うた者のようによろめかせる。
Chapter 13
Job JapKougo 13:1  見よ、わたしの目は、これをことごとく見た。わたしの耳はこれを聞いて悟った。
Job JapKougo 13:2  あなたがたの知っている事は、わたしも知っている。わたしはあなたがたに劣らない。
Job JapKougo 13:3  しかしわたしは全能者に物を言おう、わたしは神と論ずることを望む。
Job JapKougo 13:4  あなたがたは偽りをもってうわべを繕う者、皆、無用の医師だ。
Job JapKougo 13:5  どうか、あなたがたは全く沈黙するように。これがあなたがたの知恵であろう。
Job JapKougo 13:6  今、わたしの論ずることを聞くがよい。わたしの口で言い争うことに耳を傾けるがよい。
Job JapKougo 13:7  あなたがたは神のために不義を言おうとするのか。また彼のために偽りを述べるのか。
Job JapKougo 13:8  あなたがたは彼にひいきしようとするのか。神のために争おうとするのか。
Job JapKougo 13:9  神があなたがたを調べられるとき、あなたがたは無事だろうか。あなたがたは人を欺くように彼を欺くことができるか。
Job JapKougo 13:10  あなたがたがもし、ひそかにひいきするならば、彼は必ずあなたがたを責められる。
Job JapKougo 13:11  その威厳はあなたがたを恐れさせないであろうか。彼をおそれる恐れがあなたがたに臨まないであろうか。
Job JapKougo 13:12  あなたがたの格言は灰のことわざだ。あなたがたの盾は土の盾だ。
Job JapKougo 13:13  黙して、わたしにかかわるな、わたしは話そう。何事でもわたしに来るなら、来るがよい。
Job JapKougo 13:14  わたしはわが肉をわが歯に取り、わが命をわが手のうちに置く。
Job JapKougo 13:15  見よ、彼はわたしを殺すであろう。わたしは絶望だ。しかしなおわたしはわたしの道を彼の前に守り抜こう。
Job JapKougo 13:16  これこそわたしの救となる。神を信じない者は、神の前に出ることができないからだ。
Job JapKougo 13:17  あなたがたはよくわたしの言葉を聞き、わたしの述べる所を耳に入れよ。
Job JapKougo 13:18  見よ、わたしはすでにわたしの立ち場を言い並べた。わたしは義とされることをみずから知っている。
Job JapKougo 13:19  だれかわたしと言い争う事のできる者があろうか。もしあるならば、わたしは黙して死ぬであろう。
Job JapKougo 13:20  ただわたしに二つの事を許してください。そうすれば、わたしはあなたの顔をさけて隠れることはないでしょう。
Job JapKougo 13:21  あなたの手をわたしから離してください。あなたの恐るべき事をもってわたしを恐れさせないでください。
Job JapKougo 13:22  そしてお呼びください、わたしは答えます。わたしに物を言わせて、あなたご自身、わたしにお答えください。
Job JapKougo 13:23  わたしのよこしまと、わたしの罪がどれほどあるか。わたしのとがと罪とをわたしに知らせてください。
Job JapKougo 13:24  なにゆえ、あなたはみ顔をかくし、わたしをあなたの敵とされるのか。
Job JapKougo 13:25  あなたは吹き回される木の葉をおどし、干あがったもみがらを追われるのか。
Job JapKougo 13:26  あなたはわたしについて苦き事どもを書きしるし、わたしに若い時の罪を継がせ、
Job JapKougo 13:27  わたしの足を足かせにはめ、わたしのすべての道をうかがい、わたしの足の周囲に限りをつけられる。
Job JapKougo 13:28  このような人は腐れた物のように朽ち果て、虫に食われた衣服のようにすたれる。
Chapter 14
Job JapKougo 14:1  女から生れる人は日が短く、悩みに満ちている。
Job JapKougo 14:2  彼は花のように咲き出て枯れ、影のように飛び去って、とどまらない。
Job JapKougo 14:3  あなたはこのような者にさえ目を開き、あなたの前に引き出して、さばかれるであろうか。
Job JapKougo 14:4  だれが汚れたもののうちから清いものを出すことができようか、ひとりもない。
Job JapKougo 14:5  その日は定められ、その月の数もあなたと共にあり、あなたがその限りを定めて、越えることのできないようにされたのだから、
Job JapKougo 14:6  彼から目をはなし、手をひいてください。そうすれば彼は雇人のように、その日を楽しむことができるでしょう。
Job JapKougo 14:7  木には望みがある。たとい切られてもまた芽をだし、その若枝は絶えることがない。
Job JapKougo 14:8  たといその根が地の中に老い、その幹が土の中に枯れても、
Job JapKougo 14:9  なお水の潤いにあえば芽をふき、若木のように枝を出す。
Job JapKougo 14:10  しかし人は死ねば消えうせる。息が絶えれば、どこにおるか。
Job JapKougo 14:11  水が湖から消え、川がかれて、かわくように、
Job JapKougo 14:12  人は伏して寝、また起きず、天のつきるまで、目ざめず、その眠りからさまされない。
Job JapKougo 14:13  どうぞ、わたしを陰府にかくし、あなたの怒りのやむまで、潜ませ、わたしのために時を定めて、わたしを覚えてください。
Job JapKougo 14:14  人がもし死ねば、また生きるでしょうか。わたしはわが服役の諸日の間、わが解放の来るまで待つでしょう。
Job JapKougo 14:15  あなたがお呼びになるとき、わたしは答えるでしょう。あなたはみ手のわざを顧みられるでしょう。
Job JapKougo 14:16  その時あなたはわたしの歩みを数え、わたしの罪を見のがされるでしょう。
Job JapKougo 14:17  わたしのとがは袋の中に封じられ、あなたはわたしの罪を塗りかくされるでしょう。
Job JapKougo 14:18  しかし山は倒れてくずれ、岩もその所から移される。
Job JapKougo 14:19  水は石をうがち、大水は地のちりを洗い去る。このようにあなたは人の望みを断たれる。
Job JapKougo 14:20  あなたはながく彼に勝って、彼を去り行かせ、彼の顔かたちを変らせて追いやられる。
Job JapKougo 14:21  彼の子らは尊くなっても、彼はそれを知らない、卑しくなっても、それを悟らない。
Job JapKougo 14:22  ただおのが身に痛みを覚え、おのれのために嘆くのみである」。
Chapter 15
Job JapKougo 15:1  そこでテマンびとエリパズは答えて言った、
Job JapKougo 15:2  「知者はむなしき知識をもって答えるであろうか。東風をもってその腹を満たすであろうか。
Job JapKougo 15:3  役に立たない談話をもって論じるであろうか。無益な言葉をもって争うであろうか。
Job JapKougo 15:4  ところがあなたは神を恐れることを捨て、神の前に祈る事をやめている。
Job JapKougo 15:5  あなたの罪はあなたの口を教え、あなたは悪賢い人の舌を選び用いる。
Job JapKougo 15:6  あなたの口みずからあなたの罪を定める、わたしではない。あなたのくちびるがあなたに逆らって証明する。
Job JapKougo 15:7  あなたは最初に生れた人であるのか。山よりも先に生れたのか。
Job JapKougo 15:8  あなたは神の会議にあずかったのか。あなたは知恵を独占しているのか。
Job JapKougo 15:9  あなたが知るものはわれわれも知るではないか。あなたが悟るものはわれわれも悟るではないか。
Job JapKougo 15:10  われわれの中にはしらがの人も、年老いた人もあって、あなたの父よりも年上だ。
Job JapKougo 15:11  神の慰めおよびあなたに対するやさしい言葉も、あなたにとって、あまりに小さいというのか。
Job JapKougo 15:12  どうしてあなたの心は狂うのか。どうしてあなたの目はしばたたくのか。
Job JapKougo 15:13  あなたが神にむかって気をいらだて、このような言葉をあなたの口から出すのはなぜか。
Job JapKougo 15:14  人はいかなる者か、どうしてこれは清くありえよう。女から生れた者は、どうして正しくありえよう。
Job JapKougo 15:15  見よ、神はその聖なる者にすら信を置かれない、もろもろの天も彼の目には清くない。
Job JapKougo 15:16  まして憎むべき汚れた者、また不義を水のように飲む人においては。
Job JapKougo 15:17  わたしはあなたに語ろう、聞くがよい。わたしは自分の見た事を述べよう。
Job JapKougo 15:18  これは知者たちがその先祖からうけて、隠す所なく語り伝えたものである。
Job JapKougo 15:19  彼らにのみこの地は授けられて、他国人はその中に行き来したことがなかった。
Job JapKougo 15:20  悪しき人は一生の間、もだえ苦しむ。残酷な人には年の数が定められている。
Job JapKougo 15:21  その耳には恐ろしい音が聞え、繁栄の時にも滅ぼす者が彼に臨む。
Job JapKougo 15:22  彼は、暗やみから帰りうるとは信ぜず、つるぎにねらわれる。
Job JapKougo 15:23  彼は食物はどこにあるかと言いつつさまよい、暗き日が手近に備えられてあるのを知る。
Job JapKougo 15:24  悩みと苦しみとが彼を恐れさせ、戦いの備えをした王のように彼に打ち勝つ。
Job JapKougo 15:25  これは彼が神に逆らってその手を伸べ、全能者に逆らって高慢にふるまい、
Job JapKougo 15:26  盾の厚い面をもって強情に、彼にはせ向かうからだ。
Job JapKougo 15:27  また彼は脂肪をもってその顔をおおい、その腰には脂肪の肉を集め、
Job JapKougo 15:28  滅ぼされた町々に住み、人の住まない家、荒塚となる所におるからだ。
Job JapKougo 15:29  彼は富める者とならず、その富はながく続かない、また地に根を張ることはない。
Job JapKougo 15:30  彼は暗やみからのがれることができない。炎はその若枝を枯らし、その花は風に吹き去られる。
Job JapKougo 15:31  彼をしてみずから欺いて、むなしい事にたよらせてはならない。その報いはむなしいからだ。
Job JapKougo 15:32  彼の時のこない前にその事がなし遂げられ、彼の枝は緑とならないであろう。
Job JapKougo 15:33  彼はぶどうの木のように、その熟さない実をふり落すであろう。またオリブの木のように、その花を落すであろう。
Job JapKougo 15:34  神を信じない者のやからは子なく、まいないによる天幕は火で焼き滅ぼされるからだ。
Job JapKougo 15:35  彼らは害悪をはらみ、不義を生み、その腹は偽りをつくる」。
Chapter 16
Job JapKougo 16:2  「わたしはこのような事を数多く聞いた。あなたがたは皆人を慰めようとして、かえって人を煩わす者だ。
Job JapKougo 16:3  むなしき言葉に、はてしがあろうか。あなたは何に激して答をするのか。
Job JapKougo 16:4  わたしもあなたがたのように語ることができる。もしあなたがたがわたしと代ったならば、わたしは言葉を練って、あなたがたを攻め、あなたがたに向かって頭を振ることができる。
Job JapKougo 16:5  また口をもって、あなたがたを強くし、くちびるの慰めをもって、あなたがたの苦しみを和らげることができる。
Job JapKougo 16:6  たといわたしは語っても、わたしの苦しみは和らげられない。たといわたしは忍んでも、どれほどそれがわたしを去るであろうか。
Job JapKougo 16:7  まことに神は今わたしを疲れさせた。彼はわたしのやからをことごとく荒した。
Job JapKougo 16:8  彼はわたしを、しわ寄らせた。これがわたしに対する証拠である。またわたしのやせ衰えた姿が立って、わたしを攻め、わたしの顔にむかって証明する。
Job JapKougo 16:9  彼は怒ってわたしをかき裂き、わたしを憎み、わたしに向かって歯をかみ鳴らした。わたしの敵は目を鋭くして、わたしを攻める。
Job JapKougo 16:10  人々はわたしに向かって口を張り、侮ってわたしのほおを打ち、ともに集まってわたしを攻める。
Job JapKougo 16:11  神はわたしをよこしまな者に渡し、悪人の手に投げいれられる。
Job JapKougo 16:12  わたしは安らかであったのに、彼はわたしを切り裂き、首を捕えて、わたしを打ち砕き、わたしを立てて的とされた。
Job JapKougo 16:13  その射手はわたしを囲む。彼は無慈悲にもわたしの腰を射通し、わたしの肝を地に流れ出させられる。
Job JapKougo 16:14  彼はわたしを打ち破って、破れに破れを加え、勇士のようにわたしに、はせかかられる。
Job JapKougo 16:15  わたしは荒布を膚に縫いつけ、わたしの角をちりに伏せた。
Job JapKougo 16:16  わたしの顔は泣いて赤くなり、わたしのまぶたには深いやみがある。
Job JapKougo 16:17  しかし、わたしの手には暴虐がなく、わたしの祈は清い。
Job JapKougo 16:18  地よ、わたしの血をおおってくれるな。わたしの叫びに、休む所を得させるな。
Job JapKougo 16:19  見よ、今でもわたしの証人は天にある。わたしのために保証してくれる者は高い所にある。
Job JapKougo 16:20  わたしの友はわたしをあざける、しかしわたしの目は神に向かって涙を注ぐ。
Job JapKougo 16:21  どうか彼が人のために神と弁論し、人とその友との間をさばいてくれるように。
Job JapKougo 16:22  数年過ぎ去れば、わたしは帰らぬ旅路に行くであろう。
Chapter 17
Job JapKougo 17:1  わが霊は破れ、わが日は尽き、墓はわたしを待っている。
Job JapKougo 17:2  まことにあざける者どもはわたしのまわりにあり、わが目は常に彼らの侮りを見る。
Job JapKougo 17:3  どうか、あなた自ら保証となられるように。ほかにだれがわたしのために保証となってくれる者があろうか。
Job JapKougo 17:4  あなたは彼らの心を閉じて、悟ることのないようにされた。それゆえ、彼らに勝利を得させられるはずはない。
Job JapKougo 17:5  分け前を得るために友を訴えるものは、その子らの目がつぶれるであろう。
Job JapKougo 17:6  彼はわたしを民の笑い草とされた。わたしは顔につばきされる者となる。
Job JapKougo 17:7  わが目は憂いによってかすみ、わがからだはすべて影のようだ。
Job JapKougo 17:8  正しい者はこれに驚き、罪なき者は神を信ぜぬ者に対して憤る。
Job JapKougo 17:9  それでもなお正しい者はその道を堅く保ち、潔い手をもつ者はますます力を得る。
Job JapKougo 17:10  しかし、あなたがたは皆再び来るがよい、わたしはあなたがたのうちに賢い者を見ないのだ。
Job JapKougo 17:11  わが日は過ぎ去り、わが計りごとは敗れ、わが心の願いも敗れた。
Job JapKougo 17:12  彼らは夜を昼に変える。彼らは言う、『光が暗やみに近づいている』と。
Job JapKougo 17:13  わたしがもし陰府をわたしの家として望み、暗やみに寝床をのべ、
Job JapKougo 17:14  穴に向かって『あなたはわたしの父である』と言い、うじに向かって『あなたはわたしの母、わたしの姉妹である』と言うならば、
Job JapKougo 17:15  わたしの望みはどこにあるか、だれがわたしの望みを見ることができようか。
Job JapKougo 17:16  これは下って陰府の関門にいたり、われわれは共にちりに下るであろうか」。
Chapter 18
Job JapKougo 18:1  そこでシュヒびとビルダデは答えて言った、
Job JapKougo 18:2  「あなたはいつまで言葉にわなを設けるのか。あなたはまず悟るがよい、それからわれわれは論じよう。
Job JapKougo 18:3  なぜ、われわれは獣のように思われるのか。なぜ、あなたの目に愚かな者と見えるのか。
Job JapKougo 18:4  怒っておのが身を裂く者よ、あなたのために地は捨てられるだろうか。岩はその所から移されるだろうか。
Job JapKougo 18:5  悪しき者の光は消え、その火の炎は光を放たず、
Job JapKougo 18:6  その天幕のうちの光は暗く、彼の上のともしびは消える。
Job JapKougo 18:7  その力ある歩みはせばめられ、その計りごとは彼を倒す。
Job JapKougo 18:8  彼は自分の足で網にかかり、また落し穴の上を歩む。
Job JapKougo 18:9  わなは彼のかかとを捕え、網わなは彼を捕える。
Job JapKougo 18:10  輪なわは彼を捕えるために地に隠され、張り網は彼を捕えるために道に設けられる。
Job JapKougo 18:11  恐ろしい事が四方にあって彼を恐れさせ、その歩みにしたがって彼を追う。
Job JapKougo 18:12  その力は飢え、災は彼をつまずかすために備わっている。
Job JapKougo 18:13  その皮膚は病によって食いつくされ、死のういごは彼の手足を食いつくす。
Job JapKougo 18:14  彼はその頼む所の天幕から引き離されて、恐れの王のもとに追いやられる。
Job JapKougo 18:15  彼に属さない者が彼の天幕に住み、硫黄が彼のすまいの上にまき散らされる。
Job JapKougo 18:16  下ではその根が枯れ、上ではその枝が切られる。
Job JapKougo 18:17  彼の形見は地から滅び、彼の名はちまたに消える。
Job JapKougo 18:18  彼は光からやみに追いやられ、世の中から追い出される。
Job JapKougo 18:19  彼はその民の中に子もなく、孫もなく、彼のすみかには、ひとりも生き残る者はない。
Job JapKougo 18:20  西の者は彼の日について驚き、東の者はおじ恐れる。
Job JapKougo 18:21  まことに、悪しき者のすまいはこのようであり、神を知らない者の所はこのようである」。
Chapter 19
Job JapKougo 19:2  「あなたがたはいつまでわたしを悩まし、言葉をもってわたしを打ち砕くのか。
Job JapKougo 19:3  あなたがたはすでに十度もわたしをはずかしめ、わたしを悪くあしらってもなお恥じないのか。
Job JapKougo 19:4  たといわたしが、まことにあやまったとしても、そのあやまちは、わたし自身にとどまる。
Job JapKougo 19:5  もしあなたがたが、まことにわたしに向かって高ぶり、わたしの恥を論じるならば、
Job JapKougo 19:6  『神がわたしをしえたげ、その網でわたしを囲まれたのだ』と知るべきだ。
Job JapKougo 19:7  見よ、わたしが『暴虐』と叫んでも答えられず、助けを呼び求めても、さばきはない。
Job JapKougo 19:8  彼はわたしの道にかきをめぐらして、越えることのできないようにし、わたしの行く道に暗やみを置かれた。
Job JapKougo 19:9  彼はわたしの栄えをわたしからはぎ取り、わたしのこうべから冠を奪い、
Job JapKougo 19:10  四方からわたしを取りこわして、うせさせ、わたしの望みを木のように抜き去り、
Job JapKougo 19:11  わたしに向かって怒りを燃やし、わたしを敵のひとりのように思われた。
Job JapKougo 19:12  その軍勢がいっせいに来て、塁を築いて攻め寄せ、わたしの天幕のまわりに陣を張った。
Job JapKougo 19:13  彼はわたしの兄弟たちをわたしから遠く離れさせられた。わたしを知る人々は全くわたしに疎遠になった。
Job JapKougo 19:14  わたしの親類および親しい友はわたしを見捨て、
Job JapKougo 19:15  わたしの家に宿る者はわたしを忘れ、わたしのはしためらはわたしを他人のように思い、わたしは彼らの目に他国人となった。
Job JapKougo 19:16  わたしがしもべを呼んでも、彼は答えず、わたしは口をもって彼に請わなければならない。
Job JapKougo 19:17  わたしの息はわが妻にいとわれ、わたしは同じ腹の子たちにきらわれる。
Job JapKougo 19:18  わらべたちさえもわたしを侮り、わたしが起き上がれば、わたしをあざける。
Job JapKougo 19:19  親しい人々は皆わたしをいみきらい、わたしの愛した人々はわたしにそむいた。
Job JapKougo 19:20  わたしの骨は皮と肉につき、わたしはわずかに歯の皮をもってのがれた。
Job JapKougo 19:21  わが友よ、わたしをあわれめ、わたしをあわれめ、神のみ手がわたしを打ったからである。
Job JapKougo 19:22  あなたがたは、なにゆえ神のようにわたしを責め、わたしの肉をもって満足しないのか。
Job JapKougo 19:23  どうか、わたしの言葉が、書きとめられるように。どうか、わたしの言葉が、書物にしるされるように。
Job JapKougo 19:24  鉄の筆と鉛とをもって、ながく岩に刻みつけられるように。
Job JapKougo 19:25  わたしは知る、わたしをあがなう者は生きておられる、後の日に彼は必ず地の上に立たれる。
Job JapKougo 19:26  わたしの皮がこのように滅ぼされたのち、わたしは肉を離れて神を見るであろう。
Job JapKougo 19:27  しかもわたしの味方として見るであろう。わたしの見る者はこれ以外のものではない。わたしの心はこれを望んでこがれる。
Job JapKougo 19:28  あなたがたがもし『われわれはどうして彼を責めようか』と言い、また『事の根源は彼のうちに見いだされる』と言うならば、
Job JapKougo 19:29  つるぎを恐れよ、怒りはつるぎの罰をきたらすからだ。これによって、あなたがたは、さばきのあることを知るであろう」。
Chapter 20
Job JapKougo 20:1  そこでナアマびとゾパルは答えて言った、
Job JapKougo 20:2  「これによって、わたしは答えようとの思いを起し、これがために心中しきりに騒ぎ立つ。
Job JapKougo 20:3  わたしはわたしをはずかしめる非難を聞く、しかし、わたしの悟りの霊がわたしに答えさせる。
Job JapKougo 20:4  あなたはこの事を知らないのか、昔から地の上に人の置かれてよりこのかた、
Job JapKougo 20:5  悪しき人の勝ち誇はしばらくであって、神を信じない者の楽しみはただつかのまであることを。
Job JapKougo 20:6  たといその高さが天に達し、その頭が雲におよんでも、
Job JapKougo 20:7  彼はおのれの糞のように、とこしえに滅び、彼を見た者は言うであろう、『彼はどこにおるか』と。
Job JapKougo 20:8  彼は夢のように飛び去って、再び見ることはない。彼は夜の幻のように追い払われるであろう。
Job JapKougo 20:9  彼を見た目はかさねて彼を見ることがなく、彼のいた所も再び彼を見ることがなかろう。
Job JapKougo 20:10  その子らは貧しい者に恵みを求め、その手は彼の貨財を償うであろう。
Job JapKougo 20:11  その骨には若い力が満ちている、しかしそれは彼と共にちりに伏すであろう。
Job JapKougo 20:12  たとい悪は彼の口に甘く、これを舌の裏にかくし、
Job JapKougo 20:13  これを惜しんで捨てることなく、口の中に含んでいても、
Job JapKougo 20:14  その食物は彼の腹の中で変り、彼の内で毒蛇の毒となる。
Job JapKougo 20:15  彼は貨財をのんでも、またそれを吐き出す、神がそれを彼の腹から押し出されるからだ。
Job JapKougo 20:16  彼は毒蛇の毒を吸い、まむしの舌は彼を殺すであろう。
Job JapKougo 20:17  彼は蜜と凝乳の流れる川々を見ることができない。
Job JapKougo 20:18  彼はほねおって獲たものを返して、それを食うことができない。その商いによって得た利益をもって楽しむことができない。
Job JapKougo 20:19  彼が貧しい者をしえたげ、これを捨てたからだ。彼は家を奪い取っても、それを建てることができない。
Job JapKougo 20:20  彼の欲張りは足ることを知らぬゆえ、その楽しむ何物をも救うことができないであろう。
Job JapKougo 20:21  彼が残して食べなかった物とては一つもない。それゆえ、その繁栄はながく続かないであろう。
Job JapKougo 20:22  その力の満ちている時、彼は窮境に陥り、悩みの手がことごとく彼の上に臨むであろう。
Job JapKougo 20:23  彼がその腹を満たそうとすれば、神はその激しい怒りを送って、それを彼の上に降り注ぎ、彼の食物とされる。
Job JapKougo 20:24  彼は鉄の武器を免れても、青銅の矢は彼を射通すであろう。
Job JapKougo 20:25  彼がこれをその身から引き抜けば、きらめく矢じりがその肝から出てきて、恐れが彼の上に臨む。
Job JapKougo 20:26  もろもろの暗黒が彼の宝物のためにたくわえられ、人が吹き起したものでない火が彼を焼きつくし、その天幕に残っている者を滅ぼすであろう。
Job JapKougo 20:27  天は彼の罪をあらわし、地は起って彼を攻めるであろう。
Job JapKougo 20:28  その家の財産は奪い去られ、神の怒りの日に消えうせるであろう。
Job JapKougo 20:29  これが悪しき人の神から受ける分、神によって定められた嗣業である」。
Chapter 21
Job JapKougo 21:2  「あなたがたはとくと、わたしの言葉を聞き、これをもって、あなたがたの慰めとするがよい。
Job JapKougo 21:3  まずわたしをゆるして語らせなさい。わたしが語ったのち、あざけるのもよかろう。
Job JapKougo 21:4  わたしのつぶやきは人に対してであろうか。わたしはどうして、いらだたないでいられようか。
Job JapKougo 21:5  あなたがたはわたしを見て、驚き、手を口にあてるがよい。
Job JapKougo 21:6  わたしはこれを思うと恐ろしくなって、からだがしきりに震えわななく。
Job JapKougo 21:7  なにゆえ悪しき人が生きながらえ、老齢に達し、かつ力強くなるのか。
Job JapKougo 21:8  その子らは彼らの前に堅く立ち、その子孫もその目の前に堅く立つ。
Job JapKougo 21:9  その家は安らかで、恐れがなく、神のつえは彼らの上に臨むことがない。
Job JapKougo 21:10  その雄牛は種を与えて、誤ることなく、その雌牛は子を産んで、そこなうことがない。
Job JapKougo 21:11  彼らはその小さい者どもを群れのように連れ出し、その子らは舞い踊る。
Job JapKougo 21:12  彼らは手鼓と琴に合わせて歌い、笛の音によって楽しみ、
Job JapKougo 21:13  その日をさいわいに過ごし、安らかに陰府にくだる。
Job JapKougo 21:14  彼らは神に言う、『われわれを離れよ、われわれはあなたの道を知ることを好まない。
Job JapKougo 21:15  全能者は何者なので、われわれはこれに仕えねばならないのか。われわれはこれに祈っても、なんの益があるか』と。
Job JapKougo 21:16  見よ、彼らの繁栄は彼らの手にあるではないか。悪人の計りごとは、わたしの遠く及ぶ所でない。
Job JapKougo 21:17  悪人のともしびの消されること、幾たびあるか。その災の彼らの上に臨むこと、神がその怒りをもって苦しみを与えられること、幾たびあるか。
Job JapKougo 21:18  彼らが風の前のわらのようになること、あらしに吹き去られるもみがらのようになること、幾たびあるか。
Job JapKougo 21:19  あなたがたは言う、『神は彼らの罪を積みたくわえて、その子らに報いられるのだ』と。どうかそれを彼ら自身に報いて、彼らにその罪を知らせられるように。
Job JapKougo 21:20  すなわち彼ら自身の目にその滅びを見させ、全能者の怒りを彼らに飲ませられるように。
Job JapKougo 21:21  その月の数のつきるとき、彼らはその後の家になんのかかわる所があろうか。
Job JapKougo 21:22  神は天にある者たちをさえ、さばかれるのに、だれが神に知識を教えることができようか。
Job JapKougo 21:23  ある者は繁栄をきわめ、全く安らかに、かつおだやかに死に、
Job JapKougo 21:24  そのからだには脂肪が満ち、その骨の髄は潤っている。
Job JapKougo 21:25  ある者は心を苦しめて死に、なんの幸をも味わうことがない。
Job JapKougo 21:26  彼らはひとしくちりに伏し、うじにおおわれる。
Job JapKougo 21:27  見よ、わたしはあなたがたの思いを知り、わたしを害しようとするたくらみを知る。
Job JapKougo 21:28  あなたがたは言う、『王侯の家はどこにあるか、悪人の住む天幕はどこにあるか』と。
Job JapKougo 21:29  あなたがたは道行く人々に問わなかったか、彼らの証言を受け入れないのか。
Job JapKougo 21:30  すなわち、災の日に悪人は免れ、激しい怒りの日に彼は救い出される。
Job JapKougo 21:31  だれが彼に向かって、その道を告げ知らせる者があるか、だれが彼のした事を彼に報いる者があるか。
Job JapKougo 21:32  彼はかかれて墓に行き、塚の上で見張りされ、
Job JapKougo 21:33  谷の土くれも彼には快く、すべての人はそのあとに従う。彼の前に行った者も数えきれない。
Job JapKougo 21:34  それで、あなたがたはどうしてむなしい事をもって、わたしを慰めようとするのか。あなたがたの答は偽り以外の何ものでもない」。
Chapter 22
Job JapKougo 22:1  そこでテマンびとエリパズは答えて言った、
Job JapKougo 22:2  「人は神を益することができるであろうか。賢い人も、ただ自身を益するのみである。
Job JapKougo 22:3  あなたが正しくても、全能者になんの喜びがあろう。あなたが自分の道を全うしても、彼になんの利益があろう。
Job JapKougo 22:4  神はあなたが神を恐れることのゆえに、あなたを責め、あなたをさばかれるであろうか。
Job JapKougo 22:5  あなたの悪は大きいではないか。あなたの罪は、はてしがない。
Job JapKougo 22:6  あなたはゆえなく兄弟のものを質にとり、裸な者の着物をはぎ取り、
Job JapKougo 22:7  疲れた者に水を飲ませず、飢えた者に食物を与えなかった。
Job JapKougo 22:8  力ある人は土地を得、名ある人はそのうちに住んだ。
Job JapKougo 22:9  あなたは、やもめをむなしく去らせた。みなしごの腕は折られた。
Job JapKougo 22:10  それゆえ、わなはあなたをめぐり、恐怖は、にわかにあなたを驚かす。
Job JapKougo 22:11  あなたの光は暗くされ、あなたは見ることができない。大水はあなたをおおうであろう。
Job JapKougo 22:12  神は天に高くおられるではないか。見よ、いと高き星を。いかに高いことよ。
Job JapKougo 22:13  それであなたは言う、『神は何を知っておられるか。彼は黒雲を通して、さばくことができるのか。
Job JapKougo 22:14  濃い雲が彼をおおい隠すと、彼は見ることができない。彼は天の大空を歩まれるのだ』と。
Job JapKougo 22:15  あなたは悪しき人々が踏んだいにしえの道を守ろうとするのか。
Job JapKougo 22:16  彼らは時がこないうちに取り去られ、その基は川のように押し流された。
Job JapKougo 22:17  彼らは神に言った、『われわれを離れてください』と、また『全能者はわれわれに何をなしえようか』と。
Job JapKougo 22:18  しかし神は彼らの家を良い物で満たされた。ただし悪人の計りごとはわたしのくみする所ではない。
Job JapKougo 22:19  正しい者はこれを見て喜び、罪なき者は彼らをあざ笑って言う、
Job JapKougo 22:20  『まことにわれわれのあだは滅ぼされ、その残した物は火で焼き滅ぼされた』と。
Job JapKougo 22:21  あなたは神と和らいで、平安を得るがよい。そうすれば幸福があなたに来るでしょう。
Job JapKougo 22:22  どうか、彼の口から教を受け、その言葉をあなたの心におさめるように。
Job JapKougo 22:23  あなたがもし全能者に立ち返って、おのれを低くし、あなたの天幕から不義を除き去り、
Job JapKougo 22:24  こがねをちりの中に置き、オフルのこがねを谷川の石の中に置き、
Job JapKougo 22:25  全能者があなたのこがねとなり、あなたの貴重なしろがねとなるならば、
Job JapKougo 22:26  その時、あなたは全能者を喜び、神に向かって顔をあげることができる。
Job JapKougo 22:27  あなたが彼に祈るならば、彼はあなたに聞かれる。そしてあなたは自分の誓いを果す。
Job JapKougo 22:28  あなたが事をなそうと定めるならば、あなたはその事を成就し、あなたの道には光が輝く。
Job JapKougo 22:29  彼は高ぶる者を低くされるが、へりくだる者を救われるからだ。
Job JapKougo 22:30  彼は罪のない者を救われる。あなたはその手の潔いことによって、救われるであろう」。
Chapter 23
Job JapKougo 23:2  「きょうもまた、わたしのつぶやきは激しく、彼の手はわたしの嘆きにかかわらず、重い。
Job JapKougo 23:3  どうか、彼を尋ねてどこで会えるかを知り、そのみ座に至ることができるように。
Job JapKougo 23:4  わたしは彼の前にわたしの訴えをならべ、口をきわめて論議するであろう。
Job JapKougo 23:5  わたしは、わたしに答えられるみ言葉を知り、わたしに言われる所を悟ろう。
Job JapKougo 23:6  彼は大いなる力をもって、わたしと争われるであろうか、いな、かえってわたしを顧みられるであろう。
Job JapKougo 23:7  かしこでは正しい人は彼と言い争うことができる。そうすれば、わたしはわたしをさばく者から永久に救われるであろう。
Job JapKougo 23:8  見よ、わたしが進んでも、彼を見ない。退いても、彼を認めることができない。
Job JapKougo 23:9  左の方に尋ねても、会うことができない。右の方に向かっても、見ることができない。
Job JapKougo 23:10  しかし彼はわたしの歩む道を知っておられる。彼がわたしを試みられるとき、わたしは金のように出て来るであろう。
Job JapKougo 23:11  わたしの足は彼の歩みに堅く従った。わたしは彼の道を守って離れなかった。
Job JapKougo 23:12  わたしは彼のくちびるの命令にそむかず、その口の言葉をわたしの胸にたくわえた。
Job JapKougo 23:13  しかし彼は変ることはない。だれが彼をひるがえすことができようか。彼はその心の欲するところを行われるのだ。
Job JapKougo 23:14  彼はわたしのために定めた事をなし遂げられる。そしてこのような事が多く彼の心にある。
Job JapKougo 23:15  それゆえ、わたしは彼の前におののく。わたしは考えるとき、彼を恐れる。
Job JapKougo 23:16  神はわたしの心を弱くされた。全能者はわたしを恐れさせられた。
Job JapKougo 23:17  わたしは、やみによって閉じこめられ、暗黒がわたしの顔をおおっている。
Chapter 24
Job JapKougo 24:1  なにゆえ、全能者はさばきの時を定めておかれないのか。なにゆえ、彼を知る者がその日を見ないのか。
Job JapKougo 24:2  世には地境を移す者、群れを奪ってそれを飼う者、
Job JapKougo 24:3  みなしごのろばを追いやる者、やもめの牛を質に取る者、
Job JapKougo 24:4  貧しい者を道から押しのける者がある。世の弱い者は皆彼らをさけて身をかくす。
Job JapKougo 24:5  見よ、彼らは荒野におる野ろばのように出て働き、野で獲物を求めて、その子らの食物とする。
Job JapKougo 24:6  彼らは畑でそのまぐさを刈り、また悪人のぶどう畑で拾い集める。
Job JapKougo 24:7  彼らは着る物がなく、裸で夜を過ごし、寒さに身をおおうべき物もない。
Job JapKougo 24:8  彼らは山の雨にぬれ、しのぎ場もなく岩にすがる。
Job JapKougo 24:9  (みなしごをその母のふところから奪い、貧しい者の幼な子を質にとる者がある。)
Job JapKougo 24:10  彼らは着る物がなく、裸で歩き、飢えつつ麦束を運び、
Job JapKougo 24:11  悪人のオリブ並み木の中で油をしぼり、酒ぶねを踏んでも、かわきを覚える。
Job JapKougo 24:12  町の中から死のうめきが起り、傷ついた者の魂が助けを呼び求める。しかし神は彼らの祈を顧みられない。
Job JapKougo 24:13  光にそむく者たちがある。彼らは光の道を知らず、光の道にとどまらない。
Job JapKougo 24:14  人を殺す者は暗いうちに起き出て弱い者と貧しい者を殺し、夜は盗びととなる。
Job JapKougo 24:15  姦淫する者の目はたそがれを待って、『だれもわたしを見ていないだろう』と言い、顔におおう物を当てる。
Job JapKougo 24:16  彼らは暗やみで家をうがち、昼は閉じこもって光を知らない。
Job JapKougo 24:17  彼らには暗黒は朝である。彼らは暗黒の恐れを友とするからだ。
Job JapKougo 24:18  あなたがたは言う、『彼らは水のおもてにすみやかに流れ去り、その受ける分は地でのろわれ、酒ぶねを踏む者はだれも彼らのぶどう畑の道に行かない。
Job JapKougo 24:19  ひでりと熱さは雪水を奪い去る、陰府が罪を犯した者に対するも、これと同様だ。
Job JapKougo 24:20  町の広場は彼らを忘れ、彼らの名は覚えられることなく、不義は木の折られるように折られる』と。
Job JapKougo 24:21  彼らは子を産まぬうまずめをくらい、やもめをあわれむことをしない。
Job JapKougo 24:22  しかし神はその力をもって、強い人々を生きながらえさせられる。彼らは生きる望みのない時にも起きあがる。
Job JapKougo 24:23  神が彼らに安全を与えられるので、彼らは安らかである。神の目は彼らの道の上にある。
Job JapKougo 24:24  彼らはしばし高められて、いなくなり、ぜにあおいのように枯れて消えうせ、麦の穂先のように切り取られる。
Job JapKougo 24:25  もし、そうでないなら、だれがわたしにその偽りを証明し、わが言葉のむなしいことを示しうるだろうか」。
Chapter 25
Job JapKougo 25:1  そこでシュヒびとビルダデは答えて言った、
Job JapKougo 25:2  「大権と恐れとは神と共にある。彼は高き所で平和を施される。
Job JapKougo 25:3  その軍勢は数えることができるか。何物かその光に浴さないものがあるか。
Job JapKougo 25:4  それで人はどうして神の前に正しくありえようか。女から生れた者がどうして清くありえようか。
Job JapKougo 25:5  見よ、月さえも輝かず、星も彼の目には清くない。
Job JapKougo 25:6  うじのような人、虫のような人の子はなおさらである」。
Chapter 26
Job JapKougo 26:2  「あなたは力のない者をどれほど助けたかしれない。気力のない腕をどれほど救ったかしれない。
Job JapKougo 26:3  知恵のない者をどれほど教えたかしれない。悟りをどれほど多く示したかしれない。
Job JapKougo 26:4  あなたはだれの助けによって言葉をだしたのか。あなたから出たのはだれの霊なのか。
Job JapKougo 26:5  亡霊は水およびその中に住むものの下に震う。
Job JapKougo 26:6  神の前では陰府も裸である。滅びの穴もおおい隠すものはない。
Job JapKougo 26:7  彼は北の天を空間に張り、地を何もない所に掛けられる。
Job JapKougo 26:8  彼は水を濃い雲の中に包まれるが、その下の雲は裂けない。
Job JapKougo 26:9  彼は月のおもてをおおい隠して、雲をその上にのべ、
Job JapKougo 26:10  水のおもてに円を描いて、光とやみとの境とされた。
Job JapKougo 26:11  彼が戒めると、天の柱は震い、かつ驚く。
Job JapKougo 26:12  彼はその力をもって海を静め、その知恵をもってラハブを打ち砕き、
Job JapKougo 26:13  その息をもって天を晴れわたらせ、その手をもって逃げるへびを突き通される。
Job JapKougo 26:14  見よ、これらはただ彼の道の端にすぎない。われわれが彼について聞く所はいかにかすかなささやきであろう。しかし、その力のとどろきに至っては、だれが悟ることができるか」。
Chapter 27
Job JapKougo 27:2  「神は生きておられる。彼はわたしの義を奪い去られた。全能者はわたしの魂を悩まされた。
Job JapKougo 27:3  わたしの息がわたしのうちにあり、神の息がわたしの鼻にある間、
Job JapKougo 27:4  わたしのくちびるは不義を言わない、わたしの舌は偽りを語らない。
Job JapKougo 27:5  わたしは断じて、あなたがたを正しいとは認めない。わたしは死ぬまで、潔白を主張してやめない。
Job JapKougo 27:6  わたしは堅くわが義を保って捨てない。わたしは今まで一日も心に責められた事がない。
Job JapKougo 27:7  どうか、わたしの敵は悪人のようになり、わたしに逆らう者は不義なる者のようになるように。
Job JapKougo 27:8  神が彼を断ち、その魂を抜きとられるとき、神を信じない者になんの望みがあろう。
Job JapKougo 27:9  災が彼に臨むとき、神はその叫びを聞かれるであろうか。
Job JapKougo 27:10  彼は全能者を喜ぶであろうか、常に神を呼ぶであろうか。
Job JapKougo 27:11  わたしは神のみ手についてあなたがたに教え、全能者と共にあるものを隠すことをしない。
Job JapKougo 27:12  見よ、あなたがたは皆みずからこれを見た、それなのに、どうしてむなしい者となったのか。
Job JapKougo 27:13  これは悪人の神から受ける分、圧制者の全能者から受ける嗣業である。
Job JapKougo 27:14  その子らがふえればつるぎに渡され、その子孫は食物に飽きることがない。
Job JapKougo 27:15  その生き残った者は疫病で死んで埋められ、そのやもめらは泣き悲しむことをしない。
Job JapKougo 27:16  たとい彼は銀をちりのように積み、衣服を土のように備えても、
Job JapKougo 27:17  その備えるものは正しい人がこれを着、その銀は罪なき者が分かち取るであろう。
Job JapKougo 27:18  彼の建てる家は、くもの巣のようであり、番人の造る小屋のようである。
Job JapKougo 27:19  彼は富める身で寝ても、再び富むことがなく、目を開けばその富はない。
Job JapKougo 27:20  恐ろしい事が大水のように彼を襲い、夜はつむじ風が彼を奪い去る。
Job JapKougo 27:21  東風が彼を揚げると、彼は去り、彼をその所から吹き払う。
Job JapKougo 27:22  それは彼を投げつけて、あわれむことなく、彼はその力からのがれようと、もがく。
Job JapKougo 27:23  それは彼に向かって手を鳴らし、あざけり笑って、その所から出て行かせる。
Chapter 28
Job JapKougo 28:1  しろがねには掘り出す穴があり、精錬するこがねには出どころがある。
Job JapKougo 28:2  くろがねは土から取り、あかがねは石から溶かして取る。
Job JapKougo 28:3  人は暗やみを破り、いやはてまでも尋ねきわめて、暗やみおよび暗黒の中から鉱石を取る。
Job JapKougo 28:4  彼らは人の住む所を離れて縦穴をうがち、道行く人に忘れられ、人を離れて身をつりさげ、揺れ動く。
Job JapKougo 28:5  地はそこから食物を出す。その下は火でくつがえされるようにくつがえる。
Job JapKougo 28:6  その石はサファイヤのある所、そこにはまた金塊がある。
Job JapKougo 28:7  その道は猛禽も知らず、たかの目もこれを見ず、
Job JapKougo 28:8  猛獣もこれを踏まず、ししもこれを通らなかった。
Job JapKougo 28:9  人は堅い岩に手をくだして、山を根元からくつがえす。
Job JapKougo 28:10  彼は岩に坑道を掘り、その目はもろもろの尊い物を見る。
Job JapKougo 28:11  彼は水路をふさいで、漏れないようにし、隠れた物を光に取り出す。
Job JapKougo 28:12  しかし知恵はどこに見いだされるか。悟りのある所はどこか。
Job JapKougo 28:13  人はそこに至る道を知らない、また生ける者の地でそれを獲ることができない。
Job JapKougo 28:14  淵は言う、『それはわたしのうちにない』と。また海は言う、『わたしのもとにない』と。
Job JapKougo 28:15  精金もこれと換えることはできない。銀も量ってその価とすることはできない。
Job JapKougo 28:16  オフルの金をもってしても、その価を量ることはできない。尊い縞めのうも、サファイヤも同様である。
Job JapKougo 28:17  こがねも、玻璃もこれに並ぶことができない。また精金の器物もこれと換えることができない。
Job JapKougo 28:18  さんごも水晶も言うに足りない。知恵を得るのは真珠を得るのにまさる。
Job JapKougo 28:19  エチオピヤのトパズもこれに並ぶことができない。純金をもってしても、その価を量ることはできない。
Job JapKougo 28:20  それでは知恵はどこから来るか。悟りのある所はどこか。
Job JapKougo 28:21  これはすべての生き物の目に隠され、空の鳥にも隠されている。
Job JapKougo 28:22  滅びも死も言う、『われわれはそのうわさを耳に聞いただけだ』。
Job JapKougo 28:23  神はこれに至る道を悟っておられる、彼はそのある所を知っておられる。
Job JapKougo 28:24  彼は地の果までもみそなわし、天が下を見きわめられるからだ。
Job JapKougo 28:25  彼が風に重さを与え、水をますで量られたとき、
Job JapKougo 28:26  彼が雨のために規定を設け、雷のひらめきのために道を設けられたとき、
Job JapKougo 28:27  彼は知恵を見て、これをあらわし、これを確かめ、これをきわめられた。
Job JapKougo 28:28  そして人に言われた、『見よ、主を恐れることは知恵である、悪を離れることは悟りである』と」。
Chapter 29
Job JapKougo 29:2  「ああ過ぎた年月のようであったらよいのだが、神がわたしを守ってくださった日のようであったらよいのだが。
Job JapKougo 29:3  あの時には、彼のともしびがわたしの頭の上に輝き、彼の光によってわたしは暗やみを歩んだ。
Job JapKougo 29:4  わたしの盛んな時のようであったならよいのだが。あの時には、神の親しみがわたしの天幕の上にあった。
Job JapKougo 29:5  あの時には、全能者がなおわたしと共にいまし、わたしの子供たちもわたしの周囲にいた。
Job JapKougo 29:6  あの時、わたしの足跡は乳で洗われ、岩もわたしのために油の流れを注ぎだした。
Job JapKougo 29:7  あの時には、わたしは町の門に出て行き、わたしの座を広場に設けた。
Job JapKougo 29:8  若い者はわたしを見てしりぞき、老いた者は身をおこして立ち、
Job JapKougo 29:9  君たる者も物言うことをやめて、その口に手を当て、
Job JapKougo 29:10  尊い者も声をおさめて、その舌を上あごにつけた。
Job JapKougo 29:11  耳に聞いた者はわたしを祝福された者となし、目に見た者はこれをあかしした。
Job JapKougo 29:12  これは助けを求める貧しい者を救い、また、みなしごおよび助ける人のない者を救ったからである。
Job JapKougo 29:13  今にも滅びようとした者の祝福がわたしに来た。わたしはまたやもめの心をして喜び歌わせた。
Job JapKougo 29:14  わたしは正義を着、正義はわたしをおおった。わたしの公義は上着のごとく、また冠のようであった。
Job JapKougo 29:15  わたしは目しいの目となり、足なえの足となり、
Job JapKougo 29:16  貧しい者の父となり、知らない人の訴えの理由を調べてやった。
Job JapKougo 29:17  わたしはまた悪しき者のきばを折り、その歯の間から獲物を引き出した。
Job JapKougo 29:18  その時、わたしは言った、『わたしは自分の巣の中で死に、わたしの日は砂のように多くなるであろう。
Job JapKougo 29:19  わたしの根は水のほとりにはびこり、露は夜もすがらわたしの枝におくであろう。
Job JapKougo 29:20  わたしの栄えはわたしと共に新しく、わたしの弓はわたしの手にいつも強い』と。
Job JapKougo 29:21  人々はわたしに聞いて待ち、黙して、わたしの教に従った。
Job JapKougo 29:22  わたしが言った後は彼らは再び言わなかった。わたしの言葉は彼らの上に雨のように降りそそいだ。
Job JapKougo 29:23  彼らは雨を待つように、わたしを待ち望み、春の雨を仰ぐように口を開いて仰いだ。
Job JapKougo 29:24  彼らが希望を失った時にも、わたしは彼らにむかってほほえんだ。彼らはわたしの顔の光を除くことができなかった。
Job JapKougo 29:25  わたしは彼らのために道を選び、そのかしらとして座し、軍中の王のようにしており、嘆く者を慰める人のようであった。
Chapter 30
Job JapKougo 30:1  しかし今はわたしよりも年若い者が、かえってわたしをあざ笑う。彼らの父はわたしが卑しめて、群れの犬と一緒にさえしなかった者だ。
Job JapKougo 30:2  彼らの手の力からわたしは何を得るであろうか、彼らはその気力がすでに衰えた人々だ。
Job JapKougo 30:3  彼らは乏しさと激しい飢えとによって、かわいた荒れ地をかむ。
Job JapKougo 30:4  彼らは、ぜにあおいおよび灌木の葉を摘み、れだまの根をもって身を暖める。
Job JapKougo 30:5  彼らは人々の中から追いだされ、盗びとを追うように、人々は彼らを追い呼ばわる。
Job JapKougo 30:6  彼らは急流の谷間に住み、土の穴または岩の穴におり、
Job JapKougo 30:7  灌木の中にいななき、いらくさの下に押し合う。
Job JapKougo 30:8  彼らは愚かな者の子、また卑しい者の子であって、国から追いだされた者だ。
Job JapKougo 30:9  それなのに、わたしは今彼らの歌となり、彼らの笑い草となった。
Job JapKougo 30:10  彼らはわたしをいとい、遠くわたしをはなれ、わたしの顔につばきすることも、ためらわない。
Job JapKougo 30:11  神がわたしの綱を解いて、わたしを卑しめられたので、彼らもわたしの前に慎みを捨てた。
Job JapKougo 30:12  このともがらはわたしの右に立ち上がり、わたしを追いのけ、わたしにむかって滅びの道を築く。
Job JapKougo 30:13  彼らはわたしの道をこわし、わたしの災を促す。これをさし止める者はない。
Job JapKougo 30:14  彼らは広い破れ口からはいるように進みきたり、破壊の中をおし寄せる。
Job JapKougo 30:15  恐ろしい事はわたしに臨み、わたしの誉は風のように吹き払われ、わたしの繁栄は雲のように消えうせた。
Job JapKougo 30:16  今は、わたしの魂はわたしの内にとけて流れ、悩みの日はわたしを捕えた。
Job JapKougo 30:17  夜はわたしの骨を激しく悩まし、わたしをかむ苦しみは、やむことがない。
Job JapKougo 30:18  それは暴力をもって、わたしの着物を捕え、はだ着のえりのように、わたしをしめつける。
Job JapKougo 30:19  神がわたしを泥の中に投げ入れられたので、わたしはちり灰のようになった。
Job JapKougo 30:20  わたしがあなたにむかって呼ばわっても、あなたは答えられない。わたしが立っていても、あなたは顧みられない。
Job JapKougo 30:21  あなたは変って、わたしに無情な者となり、み手の力をもってわたしを攻め悩まされる。
Job JapKougo 30:22  あなたはわたしを揚げて風の上に乗せ、大風のうなり声の中に、もませられる。
Job JapKougo 30:23  わたしは知っている、あなたはわたしを死に帰らせ、すべての生き物の集まる家に帰らせられることを。
Job JapKougo 30:24  さりながら荒塚の中にある者は、手を伸べないであろうか、災の中にある者は助けを呼び求めないであろうか。
Job JapKougo 30:25  わたしは苦しい日を送る者のために泣かなかったか。わたしの魂は貧しい人のために悲しまなかったか。
Job JapKougo 30:26  しかしわたしが幸を望んだのに災が来た。光を待ち望んだのにやみが来た。
Job JapKougo 30:27  わたしのはらわたは沸きかえって、静まらない。悩みの日がわたしに近づいた。
Job JapKougo 30:28  わたしは日の光によらずに黒くなって歩き、公会の中に立って助けを呼び求める。
Job JapKougo 30:29  わたしは山犬の兄弟となり、だちょうの友となった。
Job JapKougo 30:30  わたしの皮膚は黒くなって、はげ落ち、わたしの骨は熱さによって燃え、
Job JapKougo 30:31  わたしの琴は悲しみの音となり、わたしの笛は泣く者の声となった。
Chapter 31
Job JapKougo 31:1  わたしは、わたしの目と契約を結んだ、どうして、おとめを慕うことができようか。
Job JapKougo 31:2  もしそうすれば上から神の下される分はどんなであろうか。高き所から全能者の与えられる嗣業はどんなであろうか。
Job JapKougo 31:3  不義なる者には災が下らないであろうか。悪をなす者には災難が臨まないであろうか。
Job JapKougo 31:4  彼はわたしの道をみそなわし、わたしの歩みをことごとく数えられぬであろうか。
Job JapKougo 31:5  もし、わたしがうそと共に歩み、わたしの足が偽りにむかって急いだことがあるなら、
Job JapKougo 31:6  (正しいはかりをもってわたしを量れ、そうすれば神はわたしの潔白を知られるであろう。)
Job JapKougo 31:7  もしわたしの歩みが、道をはなれ、わたしの心がわたしの目にしたがって歩み、わたしの手に汚れがついていたなら、
Job JapKougo 31:8  わたしのまいたのを他の人が食べ、わたしのために成長するものが、抜き取られてもかまわない。
Job JapKougo 31:9  もし、わたしの心が、女に迷ったことがあるか、またわたしが隣り人の門で待ち伏せしたことがあるなら、
Job JapKougo 31:10  わたしの妻が他の人のためにうすをひき、他の人が彼女の上に寝てもかまわない。
Job JapKougo 31:11  これは重い罪であって、さばきびとに罰せられるべき悪事だからである。
Job JapKougo 31:12  これは滅びに至るまでも焼きつくす火であって、わたしのすべての産業を根こそぎ焼くであろう。
Job JapKougo 31:13  わたしのしもべ、また、はしためがわたしと言い争ったときに、わたしがもしその言い分を退けたことがあるなら、
Job JapKougo 31:14  神が立ち上がられるとき、わたしはどうしようか、神が尋ねられるとき、なんとお答えしようか。
Job JapKougo 31:15  わたしを胎内に造られた者は、彼をも造られたのではないか。われわれを腹の内に形造られた者は、ただひとりではないか。
Job JapKougo 31:16  わたしがもし貧しい者の願いを退け、やもめの目を衰えさせ、
Job JapKougo 31:17  あるいはわたしひとりで食物を食べて、みなしごに食べさせなかったことがあるなら、
Job JapKougo 31:18  (わたしは彼の幼い時から父のように彼を育て、またその母の胎を出たときから彼を導いた。)
Job JapKougo 31:19  もし着物がないために死のうとする者や、身をおおう物のない貧しい人をわたしが見た時に、
Job JapKougo 31:20  その腰がわたしを祝福せず、また彼がわたしの羊の毛で暖まらなかったことがあるなら、
Job JapKougo 31:21  もしわたしを助ける者が門におるのを見て、みなしごにむかってわたしの手を振り上げたことがあるなら、
Job JapKougo 31:22  わたしの肩骨が、肩から落ち、わたしの腕が、つけ根から折れてもかまわない。
Job JapKougo 31:23  わたしは神から出る災を恐れる、その威光の前には何事もなすことはできない。
Job JapKougo 31:24  わたしがもし金をわが望みとし、精金をわが頼みと言ったことがあるなら、
Job JapKougo 31:25  わたしがもしわが富の大いなる事と、わたしの手に多くの物を獲た事とを喜んだことがあるなら、
Job JapKougo 31:26  わたしがもし日の輝くのを見、または月の照りわたって動くのを見た時、
Job JapKougo 31:27  心ひそかに迷って、手に口づけしたことがあるなら、
Job JapKougo 31:28  これもまたさばきびとに罰せらるべき悪事だ。わたしは上なる神を欺いたからである。
Job JapKougo 31:29  わたしがもしわたしを憎む者の滅びるのを喜び、または災が彼に臨んだとき、勝ち誇ったことがあるなら、
Job JapKougo 31:30  (わたしはわが口に罪を犯させず、のろいをもって彼の命を求めたことはなかった。)
Job JapKougo 31:31  もし、わたしの天幕の人々で、『だれか彼の肉に飽きなかった者があるか』と、言わなかったことがあるなら、
Job JapKougo 31:32  (他国人はちまたに宿らず、わたしはわが門を旅びとに開いた。)
Job JapKougo 31:33  わたしがもし人々の前にわたしのとがをおおい、わたしの悪事を胸の中に隠したことがあるなら、
Job JapKougo 31:34  わたしが大衆を恐れ、宗族の侮りにおじて、口を閉じ、門を出なかったことがあるなら、
Job JapKougo 31:35  ああ、わたしに聞いてくれる者があればよいのだが、(わたしのかきはんがここにある。どうか、全能者がわたしに答えられるように。)ああ、わたしの敵の書いた告訴状があればよいのだが。
Job JapKougo 31:36  わたしは必ずこれを肩に負い、冠のようにこれをわが身に結び、
Job JapKougo 31:37  わが歩みの数を彼に述べ、君たる者のようにして、彼に近づくであろう。
Job JapKougo 31:38  もしわが田畑がわたしに向かって呼ばわり、そのうねみぞが共に泣き叫んだことがあるなら、
Job JapKougo 31:39  もしわたしが金を払わないでその産物を食べ、その持ち主を死なせたことがあるなら、
Job JapKougo 31:40  小麦の代りに、いばらがはえ、大麦の代りに雑草がはえてもかまわない」。ヨブの言葉は終った。
Chapter 32
Job JapKougo 32:1  このようにヨブが自分の正しいことを主張したので、これら三人の者はヨブに答えるのをやめた。
Job JapKougo 32:2  その時ラム族のブズびとバラケルの子エリフは怒りを起した。すなわちヨブが神よりも自分の正しいことを主張するので、彼はヨブに向かって怒りを起した。
Job JapKougo 32:3  またヨブの三人の友がヨブを罪ありとしながら、答える言葉がなかったので、エリフは彼らにむかっても怒りを起した。
Job JapKougo 32:4  エリフは彼らが皆、自分よりも年長者であったので、ヨブに物言うことをひかえて待っていたが、
Job JapKougo 32:5  ここにエリフは三人の口に答える言葉のないのを見て怒りを起した。
Job JapKougo 32:6  ブズびとバラケルの子エリフは答えて言った、「わたしは年若く、あなたがたは年老いている。それゆえ、わたしははばかって、わたしの意見を述べることをあえてしなかった。
Job JapKougo 32:7  わたしは思った、『日を重ねた者が語るべきだ、年を積んだ者が知恵を教えるべきだ』と。
Job JapKougo 32:8  しかし人のうちには霊があり、全能者の息が人に悟りを与える。
Job JapKougo 32:9  老いた者、必ずしも知恵があるのではなく、年とった者、必ずしも道理をわきまえるのではない。
Job JapKougo 32:10  ゆえにわたしは言う、『わたしに聞け、わたしもまたわが意見を述べよう』。
Job JapKougo 32:11  見よ、わたしはあなたがたの言葉に期待し、その知恵ある言葉に耳を傾け、あなたがたが言うべき言葉を捜し出すのを待っていた。
Job JapKougo 32:12  わたしはあなたがたに心をとめたが、あなたがたのうちにヨブを言いふせる者はひとりもなく、また彼の言葉に答える者はひとりもなかった。
Job JapKougo 32:13  おそらくあなたがたは言うだろう、『われわれは知恵を見いだした、彼に勝つことのできるのは神だけで、人にはできない』と。
Job JapKougo 32:14  彼はその言葉をわたしに向けて言わなかった。わたしはあなたがたの言葉をもって彼に答えることはしない。
Job JapKougo 32:15  彼らは驚いて、もはや答えることをせず、彼らには、もはや言うべき言葉がない。
Job JapKougo 32:16  彼らは物言わず、立ちとどまって、もはや答えるところがないので、わたしはこれ以上待つ必要があろうか。
Job JapKougo 32:17  わたしもまたわたしの分を答え、わたしの意見を述べよう。
Job JapKougo 32:18  わたしには言葉が満ち、わたしのうちの霊がわたしに迫るからだ。
Job JapKougo 32:19  見よ、わたしの心は口を開かないぶどう酒のように、新しいぶどう酒の皮袋のように、今にも張りさけようとしている。
Job JapKougo 32:20  わたしは語って、気を晴らし、くちびるを開いて答えよう。
Job JapKougo 32:21  わたしはだれをもかたより見ることなく、また何人とにもへつらうことをしない。
Job JapKougo 32:22  わたしはへつらうことを知らないからだ。もしへつらうならば、わたしの造り主は直ちにわたしを滅ぼされるであろう。
Chapter 33
Job JapKougo 33:1  だから、ヨブよ、今わたしの言うことを聞け、わたしのすべての言葉に耳を傾けよ。
Job JapKougo 33:2  見よ、わたしは口を開き、口の中の舌は物言う。
Job JapKougo 33:3  わたしの言葉はわが心の正しきを語り、わたしのくちびるは真実をもってその知識を語る。
Job JapKougo 33:4  神の霊はわたしを造り、全能者の息はわたしを生かす。
Job JapKougo 33:5  あなたがもしできるなら、わたしに答えよ、わたしの前に言葉を整えて、立て。
Job JapKougo 33:6  見よ、神に対しては、わたしもあなたと同様であり、わたしもまた土から取って造られた者だ。
Job JapKougo 33:7  見よ、わたしの威厳はあなたを恐れさせない、わたしの勢いはあなたを圧しない。
Job JapKougo 33:8  確かに、あなたはわたしの聞くところで言った、わたしはあなたの言葉の声を聞いた。
Job JapKougo 33:9  あなたは言う、『わたしはいさぎよく、とがはない。わたしは清く、不義はない。
Job JapKougo 33:10  見よ、彼はわたしを攻める口実を見つけ、わたしを自分の敵とみなし、
Job JapKougo 33:11  わたしの足をかせにはめ、わたしのすべての行いに目をとめられる』と。
Job JapKougo 33:12  見よ、わたしはあなたに答える、あなたはこの事において正しくない。神は人よりも大いなる者だ。
Job JapKougo 33:13  あなたが『彼はわたしの言葉に少しも答えられない』といって、彼に向かって言い争うのは、どういうわけであるか。
Job JapKougo 33:14  神は一つの方法によって語られ、また二つの方法によって語られるのだが、人はそれを悟らないのだ。
Job JapKougo 33:15  人々が熟睡するとき、または床にまどろむとき、夢あるいは夜の幻のうちで、
Job JapKougo 33:16  彼は人々の耳を開き、警告をもって彼らを恐れさせ、
Job JapKougo 33:17  こうして人にその悪しきわざを離れさせ、高ぶりを人から除き、
Job JapKougo 33:18  その魂を守って、墓に至らせず、その命を守って、つるぎに滅びないようにされる。
Job JapKougo 33:19  人はまたその床の上で痛みによって懲らされ、その骨に戦いが絶えることなく、
Job JapKougo 33:20  その命は、食物をいとい、その食欲は、おいしい食物をきらう。
Job JapKougo 33:21  その肉はやせ落ちて見えず、その骨は見えなかったものまでもあらわになり、
Job JapKougo 33:22  その魂は墓に近づき、その命は滅ぼす者に近づく。
Job JapKougo 33:23  もしそこに彼のためにひとりの天使があり、千のうちのひとりであって、仲保となり、人にその正しい道を示すならば、
Job JapKougo 33:24  神は彼をあわれんで言われる、『彼を救って、墓に下ることを免れさせよ、わたしはすでにあがないしろを得た。
Job JapKougo 33:25  彼の肉を幼な子の肉よりもみずみずしくならせ、彼を若い時の元気に帰らせよ』と。
Job JapKougo 33:26  その時、彼が神に祈るならば、神は彼を顧み、喜びをもって、み前にいたらせ、その救を人に告げ知らせられる。
Job JapKougo 33:27  彼は人々の前に歌って言う、『わたしは罪を犯し、正しい事を曲げた。しかしわたしに報復がなかった。
Job JapKougo 33:28  彼はわたしの魂をあがなって、墓に下らせられなかった。わたしの命は光を見ることができる』と。
Job JapKougo 33:29  見よ、神はこれらすべての事をふたたび、みたび人に行い、
Job JapKougo 33:30  その魂を墓から引き返し、彼に命の光を見させられる。
Job JapKougo 33:31  ヨブよ、耳を傾けてわたしに聞け、黙せよ、わたしは語ろう。
Job JapKougo 33:32  あなたがもし言うべきことがあるなら、わたしに答えよ、語れ、わたしはあなたを正しい者にしようと望むからだ。
Job JapKougo 33:33  もし語ることがないなら、わたしに聞け、黙せよ、わたしはあなたに知恵を教えよう」。
Chapter 34
Job JapKougo 34:2  「あなたがた知恵ある人々よ、わたしの言葉を聞け、あなたがた知識ある人々よ、わたしに耳を傾けよ。
Job JapKougo 34:3  口が食物を味わうように、耳は言葉をわきまえるからだ。
Job JapKougo 34:4  われわれは正しい事を選び、われわれの間に良い事の何であるかを明らかにしよう。
Job JapKougo 34:5  ヨブは言った、『わたしは正しい、神はわたしの公義を奪われた。
Job JapKougo 34:6  わたしは正しいにもかかわらず、偽る者とされた。わたしにはとががないけれども、わたしの矢傷はいえない』と。
Job JapKougo 34:7  だれかヨブのような人があろう。彼はあざけりを水のように飲み、
Job JapKougo 34:8  悪をなす者どもと交わり、悪人と共に歩む。
Job JapKougo 34:9  彼は言った、『人は神と親しんでも、なんの益もない』と。
Job JapKougo 34:10  それであなたがた理解ある人々よ、わたしに聞け、神は断じて悪を行うことなく、全能者は断じて不義を行うことはない。
Job JapKougo 34:11  神は人のわざにしたがってその身に報い、おのおのの道にしたがって、その身に振りかからせられる。
Job JapKougo 34:12  まことに神は悪しき事を行われない。全能者はさばきをまげられない。
Job JapKougo 34:13  だれかこの地を彼にゆだねた者があるか。だれか全世界を彼に負わせた者があるか。
Job JapKougo 34:14  神がもしその霊をご自分に取りもどし、その息をご自分に取りあつめられるならば、
Job JapKougo 34:15  すべての肉は共に滅び、人はちりに帰るであろう。
Job JapKougo 34:16  もし、あなたに悟りがあるならば、これを聞け、わたしの言うところに耳を傾けよ。
Job JapKougo 34:17  公義を憎む者は世を治めることができようか。正しく力ある者を、あなたは非難するであろうか。
Job JapKougo 34:18  王たる者に向かって『よこしまな者』と言い、つかさたる者に向かって、『悪しき者』と言うことができるであろうか。
Job JapKougo 34:19  神は君たる者をもかたより見られることなく、富める者を貧しき者にまさって顧みられることはない。彼らは皆み手のわざだからである。
Job JapKougo 34:20  彼らはまたたく間に死に、民は夜の間に振われて、消えうせ、力ある者も人手によらずに除かれる。
Job JapKougo 34:21  神の目が人の道の上にあって、そのすべての歩みを見られるからだ。
Job JapKougo 34:22  悪を行う者には身を隠すべき暗やみもなく、暗黒もない。
Job JapKougo 34:23  人がさばきのために神の前に出るとき、神は人のために時を定めておかれない。
Job JapKougo 34:24  彼は力ある者をも調べることなく打ち滅ぼし、他の人々を立てて、これに替えられる。
Job JapKougo 34:25  このように、神は彼らのわざを知り、夜の間に彼らをくつがえされるので、彼らはやがて滅びる。
Job JapKougo 34:26  彼は人々の見る所で、彼らをその悪のために撃たれる。
Job JapKougo 34:27  これは彼らがそむいて彼に従わず、その道を全く顧みないからだ。
Job JapKougo 34:28  こうして彼らは貧しき者の叫びを彼のもとにいたらせ、悩める者の叫びを彼に聞かせる。
Job JapKougo 34:29  彼が黙っておられるとき、だれが非難することができようか。彼が顔を隠されるとき、だれが彼を見ることができようか。一国の上にも、一人の上にも同様だ。
Job JapKougo 34:30  これは神を信じない者が世を治めることがなく、民をわなにかける事のないようにするためである。
Job JapKougo 34:31  だれが神に向かって言ったか、『わたしは罪を犯さないのに、懲しめられた。
Job JapKougo 34:32  わたしの見ないものをわたしに教えられたい。もしわたしが悪い事をしたなら、重ねてこれをしない』と。
Job JapKougo 34:33  あなたが拒むゆえに、彼はあなたの好むように報いをされるであろうか。あなたみずから選ぶがよい、わたしはしない。あなたの知るところを言いなさい。
Job JapKougo 34:34  悟りある人々はわたしに言うだろう、わたしに聞くところの知恵ある人は言うだろう、
Job JapKougo 34:35  『ヨブの言うところは知識がなく、その言葉は悟りがない』と。
Job JapKougo 34:36  どうかヨブが終りまで試みられるように、彼は悪人のように答えるからである。
Job JapKougo 34:37  彼は自分の罪に、とがを加え、われわれの中にあって手をうち、神に逆らって、その言葉をしげくする」。
Chapter 35
Job JapKougo 35:2  「あなたはこれを正しいと思うのか、あなたは『神の前に自分は正しい』と言うのか。
Job JapKougo 35:3  あなたは言う、『これはわたしになんの益があるか、罪を犯したのとくらべてなんのまさるところがあるか』と。
Job JapKougo 35:4  わたしはあなたおよび、あなたと共にいるあなたの友人たちに答えよう。
Job JapKougo 35:5  天を仰ぎ見よ、あなたの上なる高き空を望み見よ。
Job JapKougo 35:6  あなたが罪を犯しても、彼になんのさしさわりがあるか。あなたのとがが多くても、彼に何をなし得ようか。
Job JapKougo 35:7  またあなたは正しくても、彼に何を与え得ようか。彼はあなたの手から何を受けられるであろうか。
Job JapKougo 35:8  あなたの悪はただあなたのような人にかかわり、あなたの義はただ人の子にかかわるのみだ。
Job JapKougo 35:9  しえたげの多いために叫び、力ある者の腕のゆえに呼ばわる人々がある。
Job JapKougo 35:10  しかし、ひとりとして言う者はない、『わが造り主なる神はどこにおられるか、彼は夜の間に歌を与え、
Job JapKougo 35:11  地の獣よりも多く、われわれを教え、空の鳥よりも、われわれを賢くされる方である』と。
Job JapKougo 35:12  彼らが叫んでも答えられないのは、悪しき者の高ぶりによる。
Job JapKougo 35:13  まことに神はむなしい叫びを聞かれない。また全能者はこれを顧みられない。
Job JapKougo 35:14  あなたが彼を見ないと言う時はなおさらだ。さばきは神の前にある。あなたは彼を待つべきである。
Job JapKougo 35:15  今彼が怒りをもって罰せず、罪とがを深く心にとめられないゆえに
Job JapKougo 35:16  ヨブは口を開いてむなしい事を述べ、無知の言葉をしげくする」。
Chapter 36
Job JapKougo 36:2  「しばらく待て、わたしはあなたに示すことがある。なお神のために言うべき事がある。
Job JapKougo 36:3  わたしは遠くからわが知識を取り、わが造り主に正義を帰する。
Job JapKougo 36:4  まことにわたしの言葉は偽らない。知識の全き者があなたと共にいる。
Job JapKougo 36:5  見よ、神は力ある者であるが、何をも卑しめられない、その悟りの力は大きい。
Job JapKougo 36:6  彼は悪しき者を生かしておかれない、苦しむ者のためにさばきを行われる。
Job JapKougo 36:7  彼は正しい者から目を離さず、位にある王たちと共に、とこしえに、彼らをすわらせて、尊くされる。
Job JapKougo 36:8  もし彼らが足かせにつながれ、悩みのなわに捕えられる時は、
Job JapKougo 36:9  彼らの行いと、とがと、その高ぶったふるまいを彼らに示し、
Job JapKougo 36:10  彼らの耳を開いて、教を聞かせ、悪を離れて帰ることを命じられる。
Job JapKougo 36:11  もし彼らが聞いて彼に仕えるならば、彼らはその日を幸福に過ごし、その年を楽しく送るであろう。
Job JapKougo 36:12  しかし彼らが聞かないならば、つるぎによって滅び、知識を得ないで死ぬであろう。
Job JapKougo 36:13  心に神を信じない者どもは怒りをたくわえ、神に縛られる時も、助けを呼び求めることをしない。
Job JapKougo 36:14  彼らは年若くして死に、その命は恥のうちに終る。
Job JapKougo 36:15  神は苦しむ者をその苦しみによって救い、彼らの耳を逆境によって開かれる。
Job JapKougo 36:16  神はまたあなたを悩みから、束縛のない広い所に誘い出された。そしてあなたの食卓に置かれた物はすべて肥えた物であった。
Job JapKougo 36:17  しかしあなたは悪人のうくべきさばきをおのれに満たし、さばきと公義はあなたを捕えている。
Job JapKougo 36:18  あなたは怒りに誘われて、あざけりに陥らぬように心せよ。あがないしろの大いなるがために、おのれを誤るな。
Job JapKougo 36:19  あなたの叫びはあなたを守って、悩みを免れさせるであろうか、いかに力をつくしても役に立たない。
Job JapKougo 36:20  人々がその所から断たれるその夜を慕ってはならない。
Job JapKougo 36:21  慎んで悪に傾いてはならない。あなたは悩みよりもむしろこれを選んだからだ。
Job JapKougo 36:22  見よ、神はその力をもってあがめられる。だれか彼のように教える者があるか。
Job JapKougo 36:23  だれか彼のためにその道を定めた者があるか。だれか『あなたは悪い事をした』と言いうる者があるか。
Job JapKougo 36:24  神のみわざをほめたたえる事を忘れてはならない。これは人々の歌いあがめるところである。
Job JapKougo 36:25  すべての人はこれを仰ぎ見る。人は遠くからこれを見るにすぎない。
Job JapKougo 36:26  見よ、神は大いなる者にいまして、われわれは彼を知らない。その年の数も計り知ることができない。
Job JapKougo 36:27  彼は水のしたたりを引きあげ、その霧をしたたらせて雨とされる。
Job JapKougo 36:28  空はこれを降らせて、人の上に豊かに注ぐ。
Job JapKougo 36:29  だれか雲の広がるわけと、その幕屋のとどろくわけとを悟ることができようか。
Job JapKougo 36:30  見よ、彼はその光をおのれのまわりにひろげ、また海の底をおおわれる。
Job JapKougo 36:31  彼はこれらをもって民をさばき、食物を豊かに賜い、
Job JapKougo 36:32  いなずまをもってもろ手を包み、これに命じて敵を打たせられる。
Job JapKougo 36:33  そのとどろきは、悪にむかって怒りに燃える彼を現す。
Chapter 37
Job JapKougo 37:1  これがためにわが心もまたわななき、その所からとび離れる。
Job JapKougo 37:2  聞け、神の声のとどろきを、またその口から出るささやきを。
Job JapKougo 37:3  彼はこれを天が下に放ち、その光を地のすみずみまで至らせられる。
Job JapKougo 37:4  その後、声とどろき、彼はそのいかめしい声をもって鳴り渡られる。その声の聞える時、彼はいなずまを引きとめられない。
Job JapKougo 37:5  神はその驚くべき声をもって鳴り渡り、われわれの悟りえない大いなる事を行われる。
Job JapKougo 37:6  彼は雪に向かって『地に降れ』と命じ、夕立ちおよび雨に向かって『強く降れ』と命じられる。
Job JapKougo 37:7  彼はすべての人の手を封じられる。これはすべての人にみわざを知らせるためである。
Job JapKougo 37:8  その時、獣は穴に入り、そのほらにとどまる。
Job JapKougo 37:9  つむじ風はそのへやから、寒さは北風から来る。
Job JapKougo 37:10  神のいぶきによって氷が張り、広々とした水は凍る。
Job JapKougo 37:11  彼は濃い雲に水気を負わせ、雲はそのいなずまを散らす。
Job JapKougo 37:12  これは彼の導きによってめぐる。彼の命じるところをことごとく世界のおもてに行うためである。
Job JapKougo 37:13  神がこれらをこさせるのは、懲しめのため、あるいはその地のため、あるいはいつくしみのためである。
Job JapKougo 37:14  ヨブよ、これを聞け、立って神のくすしきみわざを考えよ。
Job JapKougo 37:15  あなたは知っているか、神がいかにこれらに命じて、その雲の光を輝かされるかを。
Job JapKougo 37:16  あなたは知っているか、雲のつりあいと、知識の全き者のくすしきみわざを。
Job JapKougo 37:17  南風によって地が穏やかになる時、あなたの着物が熱くなることを。
Job JapKougo 37:18  あなたは鋳た鏡のように堅い大空を、彼のように張ることができるか。
Job JapKougo 37:19  われわれが彼に言うべき事をわれわれに教えよ、われわれは暗くて、言葉をつらねることはできない。
Job JapKougo 37:20  わたしは語ることがあると彼に告げることができようか、人は滅ぼされることを望むであろうか。
Job JapKougo 37:21  光が空に輝いているとき、風過ぎて空を清めると、人々はその光を見ることができない。
Job JapKougo 37:22  北から黄金のような輝きがでてくる。神には恐るべき威光がある。
Job JapKougo 37:23  全能者は――われわれはこれを見いだすことができない。彼は力と公義とにすぐれ、正義に満ちて、これを曲げることはない。
Job JapKougo 37:24  それゆえ、人々は彼を恐れる。彼はみずから賢いと思う者を顧みられない」。
Chapter 38
Job JapKougo 38:1  この時、主はつむじ風の中からヨブに答えられた、
Job JapKougo 38:2  「無知の言葉をもって、神の計りごとを暗くするこの者はだれか。
Job JapKougo 38:3  あなたは腰に帯して、男らしくせよ。わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ。
Job JapKougo 38:4  わたしが地の基をすえた時、どこにいたか。もしあなたが知っているなら言え。
Job JapKougo 38:5  あなたがもし知っているなら、だれがその度量を定めたか。だれが測りなわを地の上に張ったか。
Job JapKougo 38:6  その土台は何の上に置かれたか。その隅の石はだれがすえたか。
Job JapKougo 38:7  かの時には明けの星は相共に歌い、神の子たちはみな喜び呼ばわった。
Job JapKougo 38:8  海の水が流れいで、胎内からわき出たとき、だれが戸をもって、これを閉じこめたか。
Job JapKougo 38:9  あの時、わたしは雲をもって衣とし、黒雲をもってむつきとし、
Job JapKougo 38:10  これがために境を定め、関および戸を設けて、
Job JapKougo 38:11  言った、『ここまで来てもよい、越えてはならぬ、おまえの高波はここにとどまるのだ』と。
Job JapKougo 38:12  あなたは生れた日からこのかた朝に命じ、夜明けにその所を知らせ、
Job JapKougo 38:13  これに地の縁をとらえさせ、悪人をその上から振り落させたことがあるか。
Job JapKougo 38:14  地は印せられた土のように変り、衣のようにいろどられる。
Job JapKougo 38:15  悪人はその光を奪われ、その高くあげた腕は折られる。
Job JapKougo 38:16  あなたは海の源に行ったことがあるか。淵の底を歩いたことがあるか。
Job JapKougo 38:17  死の門はあなたのために開かれたか。あなたは暗黒の門を見たことがあるか。
Job JapKougo 38:18  あなたは地の広さを見きわめたか。もしこれをことごとく知っているならば言え。
Job JapKougo 38:19  光のある所に至る道はいずれか。暗やみのある所はどこか。
Job JapKougo 38:20  あなたはこれをその境に導くことができるか。その家路を知っているか。
Job JapKougo 38:21  あなたは知っているだろう、あなたはかの時すでに生れており、またあなたの日数も多いのだから。
Job JapKougo 38:22  あなたは雪の倉にはいったことがあるか。ひょうの倉を見たことがあるか。
Job JapKougo 38:23  これらは悩みの時のため、いくさと戦いの日のため、わたしがたくわえて置いたものだ。
Job JapKougo 38:24  光の広がる道はどこか。東風の地に吹き渡る道はどこか。
Job JapKougo 38:25  だれが大雨のために水路を切り開き、いかずちの光のために道を開き、
Job JapKougo 38:26  人なき地にも、人なき荒野にも雨を降らせ、
Job JapKougo 38:27  荒れすたれた地をあき足らせ、これに若草をはえさせるか。
Job JapKougo 38:28  雨に父があるか。露の玉はだれが生んだか。
Job JapKougo 38:29  氷はだれの胎から出たか。空の霜はだれが生んだか。
Job JapKougo 38:30  水は固まって石のようになり、淵のおもては凍る。
Job JapKougo 38:31  あなたはプレアデスの鎖を結ぶことができるか。オリオンの綱を解くことができるか。
Job JapKougo 38:32  あなたは十二宮をその時にしたがって引き出すことができるか。北斗とその子星を導くことができるか。
Job JapKougo 38:33  あなたは天の法則を知っているか、そのおきてを地に施すことができるか。
Job JapKougo 38:34  あなたは声を雲にあげ、多くの水にあなたをおおわせることができるか。
Job JapKougo 38:35  あなたはいなずまをつかわして行かせ、『われわれはここにいる』と、あなたに言わせることができるか。
Job JapKougo 38:36  雲に知恵を置き、霧に悟りを与えたのはだれか。
Job JapKougo 38:37  だれが知恵をもって雲を数えることができるか。だれが天の皮袋を傾けて、
Job JapKougo 38:38  ちりを一つに流れ合させ、土くれを固まらせることができるか。
Job JapKougo 38:39  あなたはししのために食物を狩り、子じしの食欲を満たすことができるか。
Job JapKougo 38:40  彼らがほら穴に伏し、林のなかに待ち伏せする時、あなたはこの事をなすことができるか。
Job JapKougo 38:41  からすの子が神に向かって呼ばわり、食物がなくて、さまようとき、からすにえさを与える者はだれか。
Chapter 39
Job JapKougo 39:1  あなたは岩間のやぎが子を産むときを知っているか。あなたは雌じかが子を産むのを見たことがあるか。
Job JapKougo 39:2  これらの妊娠の月を数えることができるか。これらが産む時を知っているか。
Job JapKougo 39:3  これらは身をかがめて子を産み、そのはらみ子を産みいだす。
Job JapKougo 39:4  その子は強くなって、野に育ち、出て行って、その親のもとに帰らない。
Job JapKougo 39:5  だれが野ろばを放って、自由にしたか。だれが野ろばのつなぎを解いたか。
Job JapKougo 39:6  わたしは荒野をその家として与え、荒れ地をそのすみかとして与えた。
Job JapKougo 39:7  これは町の騒ぎをいやしめ、御者の呼ぶ声を聞きいれず、
Job JapKougo 39:8  山を牧場としてはせまわり、もろもろの青物を尋ね求める。
Job JapKougo 39:9  野牛は快くあなたに仕え、あなたの飼葉おけのかたわらにとどまるだろうか。
Job JapKougo 39:10  あなたは野牛に手綱をつけてうねを歩かせることができるか、これはあなたに従って谷を耕すであろうか。
Job JapKougo 39:11  その力が強いからとて、あなたはこれに頼むであろうか。またあなたの仕事をこれに任せるであろうか。
Job JapKougo 39:12  あなたはこれにたよって、あなたの穀物を打ち場に運び帰らせるであろうか。
Job JapKougo 39:13  だちょうは威勢よくその翼をふるう。しかしこれにはきれいな羽と羽毛があるか。
Job JapKougo 39:14  これはその卵を土の中に捨て置き、これを砂のなかで暖め、
Job JapKougo 39:15  足でつぶされることも、野の獣に踏まれることも忘れている。
Job JapKougo 39:16  これはその子に無情であって、あたかも自分の子でないようにし、その苦労のむなしくなるをも恐れない。
Job JapKougo 39:17  これは神がこれに知恵を授けず、悟りを与えなかったゆえである。
Job JapKougo 39:18  これがその身を起して走る時には、馬をも、その乗り手をもあざける。
Job JapKougo 39:19  あなたは馬にその力を与えることができるか。力をもってその首を装うことができるか。
Job JapKougo 39:20  あなたはこれをいなごのように、とばせることができるか。その鼻あらしの威力は恐ろしい。
Job JapKougo 39:21  これは谷であがき、その力に誇り、みずから出ていって武器に向かう。
Job JapKougo 39:22  これは恐れをあざ笑って、驚くことなく、つるぎをさけて退くことがない。
Job JapKougo 39:23  矢筒はその上に鳴り、やりと投げやりと、あいきらめく。
Job JapKougo 39:24  これはたけりつ、狂いつ、地をひとのみにし、ラッパの音が鳴り渡っても、立ちどまることがない。
Job JapKougo 39:25  これはラッパの鳴るごとにハアハアと言い、遠くから戦いをかぎつけ、隊長の大声およびときの声を聞き知る。
Job JapKougo 39:26  たかが舞いあがり、その翼をのべて南に向かうのは、あなたの知恵によるのか、
Job JapKougo 39:27  わしがかけのぼり、その巣を高い所につくるのは、あなたの命令によるのか。
Job JapKougo 39:28  これは岩の上にすみかを構え、岩のとがり、または険しい所におり、
Job JapKougo 39:29  そこから獲物をうかがう。その目の及ぶところは遠い。
Job JapKougo 39:30  そのひなもまた血を吸う。おおよそ殺された者のある所には、これもそこにいる」。
Chapter 40
Job JapKougo 40:2  「非難する者が全能者と争おうとするのか、神と論ずる者はこれに答えよ」。
Job JapKougo 40:3  そこで、ヨブは主に答えて言った、
Job JapKougo 40:4  「見よ、わたしはまことに卑しい者です、なんとあなたに答えましょうか。ただ手を口に当てるのみです。
Job JapKougo 40:5  わたしはすでに一度言いました、また言いません、すでに二度言いました、重ねて申しません」。
Job JapKougo 40:6  主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた、
Job JapKougo 40:7  「あなたは腰に帯して、男らしくせよ。わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ。
Job JapKougo 40:8  あなたはなお、わたしに責任を負わそうとするのか。あなたはわたしを非とし、自分を是としようとするのか。
Job JapKougo 40:9  あなたは神のような腕を持っているのか、神のような声でとどろきわたることができるか。
Job JapKougo 40:10  あなたは威光と尊厳とをもってその身を飾り、栄光と華麗とをもってその身を装ってみよ。
Job JapKougo 40:11  あなたのあふるる怒りを漏らし、すべての高ぶる者を見て、これを低くせよ。
Job JapKougo 40:12  すべての高ぶる者を見て、これをかがませ、また悪人をその所で踏みつけ、
Job JapKougo 40:13  彼らをともにちりの中にうずめ、その顔を隠れた所に閉じこめよ。
Job JapKougo 40:14  そうすれば、わたしもまた、あなたをほめて、あなたの右の手はあなたを救うことができるとしよう。
Job JapKougo 40:15  河馬を見よ、これはあなたと同様にわたしが造ったもので、牛のように草を食う。
Job JapKougo 40:16  見よ、その力は腰にあり、その勢いは腹の筋にある。
Job JapKougo 40:17  これはその尾を香柏のように動かし、そのももの筋は互にからみ合う。
Job JapKougo 40:18  その骨は青銅の管のようで、その肋骨は鉄の棒のようだ。
Job JapKougo 40:19  これは神のわざの第一のものであって、これを造った者がこれにつるぎを授けた。
Job JapKougo 40:20  山もこれがために食物をいだし、もろもろの野の獣もそこに遊ぶ。
Job JapKougo 40:21  これは酸棗の木の下に伏し、葦の茂み、または沼に隠れている。
Job JapKougo 40:22  酸棗の木はその陰でこれをおおい、川の柳はこれをめぐり囲む。
Job JapKougo 40:23  見よ、たとい川が荒れても、これは驚かない。ヨルダンがその口に注ぎかかっても、これはあわてない。
Job JapKougo 40:24  だれが、かぎでこれを捕えることができるか。だれが、わなでその鼻を貫くことができるか。
Chapter 41
Job JapKougo 41:1  あなたはつり針でわにをつり出すことができるか。糸でその舌を押えることができるか。
Job JapKougo 41:2  あなたは葦のなわをその鼻に通すことができるか。つり針でそのあごを突き通すことができるか。
Job JapKougo 41:3  これはしきりに、あなたに願い求めるであろうか。柔らかな言葉をあなたに語るであろうか。
Job JapKougo 41:4  これはあなたと契約を結ぶであろうか。あなたはこれを取って、ながくあなたのしもべとすることができるであろうか。
Job JapKougo 41:5  あなたは鳥と戯れるようにこれと戯れ、またあなたのおとめたちのために、これをつないでおくことができるであろうか。
Job JapKougo 41:6  商人の仲間はこれを商品として、小売商人の間に分けるであろうか。
Job JapKougo 41:7  あなたは、もりでその皮を満たし、やすでその頭を突き通すことができるか。
Job JapKougo 41:8  あなたの手をこれの上に置け、あなたは戦いを思い出して、再びこれをしないであろう。
Job JapKougo 41:9  見よ、その望みはむなしくなり、これを見てすら倒れる。
Job JapKougo 41:10  あえてこれを激する勇気のある者はひとりもない。それで、だれがわたしの前に立つことができるか。
Job JapKougo 41:11  だれが先にわたしに与えたので、わたしはこれに報いるのか。天が下にあるものは、ことごとくわたしのものだ。
Job JapKougo 41:12  わたしはこれが全身と、その著しい力と、その美しい構造について黙っていることはできない。
Job JapKougo 41:13  だれがその上着をはぐことができるか。だれがその二重のよろいの間にはいることができるか。
Job JapKougo 41:14  だれがその顔の戸を開くことができるか。そのまわりの歯は恐ろしい。
Job JapKougo 41:15  その背は盾の列でできていて、その堅く閉じたさまは密封したように、
Job JapKougo 41:16  相互に密接して、風もその間に、はいることができず、
Job JapKougo 41:17  互に相連なり、固く着いて離すことができない。
Job JapKougo 41:18  これが、くしゃみすれば光を発し、その目はあけぼののまぶたに似ている。
Job JapKougo 41:19  その口からは、たいまつが燃えいで、火花をいだす。
Job JapKougo 41:20  その鼻の穴からは煙が出てきて、さながら煮え立つなべの水煙のごとく、燃える葦の煙のようだ。
Job JapKougo 41:21  その息は炭火をおこし、その口からは炎が出る。
Job JapKougo 41:22  その首には力が宿っていて、恐ろしさが、その前に踊っている。
Job JapKougo 41:23  その肉片は密接に相連なり、固く身に着いて動かすことができない。
Job JapKougo 41:24  その心臓は石のように堅く、うすの下石のように堅い。
Job JapKougo 41:25  その身を起すときは勇士も恐れ、その衝撃によってあわて惑う。
Job JapKougo 41:26  つるぎがこれを撃っても、きかない、やりも、矢も、もりも用をなさない。
Job JapKougo 41:27  これは鉄を見ること、わらのように、青銅を見ること朽ち木のようである。
Job JapKougo 41:28  弓矢もこれを逃がすことができない。石投げの石もこれには、わらくずとなる。
Job JapKougo 41:29  こん棒もわらくずのようにみなされ、投げやりの響きを、これはあざ笑う。
Job JapKougo 41:30  その下腹は鋭いかわらのかけらのようで、麦こき板のようにその身を泥の上に伸ばす。
Job JapKougo 41:31  これは淵をかなえのように沸きかえらせ、海を香油のなべのようにする。
Job JapKougo 41:32  これは自分のあとに光る道を残し、淵をしらがのように思わせる。
Job JapKougo 41:33  地の上にはこれと並ぶものなく、これは恐れのない者に造られた。
Job JapKougo 41:34  これはすべての高き者をさげすみ、すべての誇り高ぶる者の王である」。
Chapter 42
Job JapKougo 42:2  「わたしは知ります、あなたはすべての事をなすことができ、またいかなるおぼしめしでも、あなたにできないことはないことを。
Job JapKougo 42:3  『無知をもって神の計りごとをおおうこの者はだれか』。それゆえ、わたしはみずから悟らない事を言い、みずから知らない、測り難い事を述べました。
Job JapKougo 42:4  『聞け、わたしは語ろう、わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ』。
Job JapKougo 42:5  わたしはあなたの事を耳で聞いていましたが、今はわたしの目であなたを拝見いたします。
Job JapKougo 42:6  それでわたしはみずから恨み、ちり灰の中で悔います」。
Job JapKougo 42:7  主はこれらの言葉をヨブに語られて後、テマンびとエリパズに言われた、「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりの友に向かって燃える。あなたがたが、わたしのしもべヨブのように正しい事をわたしについて述べなかったからである。
Job JapKougo 42:8  それで今、あなたがたは雄牛七頭、雄羊七頭を取って、わたしのしもべヨブの所へ行き、あなたがたのために燔祭をささげよ。わたしのしもべヨブはあなたがたのために祈るであろう。わたしは彼の祈を受けいれるによって、あなたがたの愚かを罰することをしない。あなたがたはわたしのしもべヨブのように正しい事をわたしについて述べなかったからである」。
Job JapKougo 42:9  そこでテマンびとエリパズ、シュヒびとビルダデ、ナアマびとゾパルは行って、主が彼らに命じられたようにしたので、主はヨブの祈を受けいれられた。
Job JapKougo 42:10  ヨブがその友人たちのために祈ったとき、主はヨブの繁栄をもとにかえし、そして主はヨブのすべての財産を二倍に増された。
Job JapKougo 42:11  そこで彼のすべての兄弟、すべての姉妹、および彼の旧知の者どもことごとく彼のもとに来て、彼と共にその家で飲み食いし、かつ主が彼にくだされたすべての災について彼をいたわり、慰め、おのおの銀一ケシタと金の輪一つを彼に贈った。
Job JapKougo 42:12  主はヨブの終りを初めよりも多く恵まれた。彼は羊一万四千頭、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭をもった。
Job JapKougo 42:13  また彼は男の子七人、女の子三人をもった。
Job JapKougo 42:14  彼はその第一の娘をエミマと名づけ、第二をケジアと名づけ、第三をケレン・ハップクと名づけた。
Job JapKougo 42:15  全国のうちでヨブの娘たちほど美しい女はなかった。父はその兄弟たちと同様に嗣業を彼らにも与えた。
Job JapKougo 42:16  この後、ヨブは百四十年生きながらえて、その子とその孫と四代までを見た。